差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年3月28日日曜日 22:54
宛先: 銭湯ML
件名: 新井湯(品川区旗の台)

ナカムラです。

今日(3/27)は、「新井湯(品川区旗の台)」に行ってきました。
荏原町(東急大井町線)から5分ほどです。

去年、秋、廃業した「亀の湯(品川区中延)」。建物はまだそのまま残っていた。表のガラス戸の内側にベニヤ板が打ちつけられている。
新井湯の兄が経営する「新生湯(品川区旗の台)」。表はかなり改装されている。現役バリバリの銭湯という感じ。

さて、新井湯。

銭湯の居心地って何なんだろう・・・。
設備的には特筆すべきものはなかったけど、何だか、とても居心地のいい銭湯だった・・・。

入口はモルタルに肌色のペンキを塗ったファッサード。
(故に、建物は戦前からの建物とのことであるが、脱衣所棟の構造がよくわからない)

花を植えたプランターがいくつか並んでいる。コインランドリーも併設だけど、隣の小さな小さな木造家屋がコインランドリーになっている。
暖簾はなく、正面にはよくトイレの戸に貼ってある男女の人型のプレートが貼ってある。右が男湯、左が女湯。

下足箱は少ない。40数個か。錠は松竹錠。
女湯の方に目をやると、60数個ある。しかも、下2段が旧型のカナリア錠。
下足箱の左側には傘を突き差す式の傘入れがあって、これは「MON」の錠が付いていた。

番台は新建材を張ったもの。趣きなし。
脱衣所は幅3間、奥行2間と余り広くない。しかも、天井が低く、ただの白い天板が張られているだけ。

島ロッカーは縦置きに2つ設置されていて、なんか窮屈な感じ。
錠にはメーカーを読み取れるものはなかった。四角い金属の塊が出っ張っているもの。
鍵には「SUN」の刻印。

その他、島ロッカーの番台に近い所には、番台用?のテレビが置いてある。
体重計には「富士の湯」と書かれている。同湯の経営者が、大森で20年近く前まで経営していた銭湯のものらしい。
浴室の入口には、金属の洗面器を遠慮下さいとか、ガラスの化粧ビンを持ち込まないでとか、どことなく古めかしい注意書きが掲げられている。

浴室は、幅3.25間×3.5間。但し、奥壁側の外壁側に出っ張り(幅1間×奥行半間ほど)があり、浴槽の配置が変形になっている。
天井は2段型だけど、2段の部分が幅1間、ウィングの部分が2.25間と、湯気抜きの部分が細い感じがする。
それに奥壁にはペンキ絵があるけど、湯気抜きを支える、斜めの補強材があり、ペンキ絵を邪魔している。

全体にカーブしている部分はなく、直線を組み合わせた構造になっている。
戦前期の建物と聞いて、納得できる。
説明し難いが湯治場的な雰囲気がある。湯気が充満して、そして落ち着いた雰囲気である。

島カランは、2列。カラン数はセンターから、5・4・4・4・4・5。全てにシャワーが付いているが、壁側のシャワーは旧型のもの。
外壁側手前に立ちシャワーがあるが、冷温2つのシャワーが付いている。現役ではない感じ。
カランは日の丸扇の刻印のある旧型だけど、取っ手が初めて見る厚みのあるもの。
床のタイルは白の正方形、島カランも結構年数を経た古いものと窺われる。

浴槽は深浅2槽と子供用なのかな、浅い浴槽が1つ。
深槽は底から弱弱しい泡が立ち上っているもの。温度は44度くらい。
浅槽は2穴ジェット×2。温度は43度くらい。

子供用の浴槽は、例の出っ張りの前にあるので幅は1人分ほど。
前面の縁はカーブしている。寝湯的に使うのに好都合である。温度は42度くらい。

井戸水を用いているので、浴槽のタイルはミネラルが付着して黒ずんでいる。湯の色も微かに色がついている。
井戸水を薪で沸かした湯は柔らかい。
湯治場的な雰囲気といい、とても心を和ませる湯となっている。

センターにはモザイクタイル絵。池に、鯉、おしどり、柳という図。
奥壁には早川師の上洲追貝渓谷、平成14年11月13日。女湯の方には富士山が見える。
2段型の湯気抜きを支える三角の補強と、奥壁が一部張り出していたりと、ペンキ絵を描く場所としては条件が悪い。
しかし、早川師は、見事に難条件を克服している。かなり低い位置まで絵があるので真近でタッチを見ることができる。
ペンキ用の刷毛だけで、かなり細かいタッチ。今更ながらに感心させられた。

上がりは、発泡酒で一服
ビール、風見飲料のラムネ、少しの牛乳等があった。

新井3兄弟で、新生湯、新井湯、富士の湯(廃業)をやっているとのこと。
繰り返しになるけど、特に浴室がとても落ち着ける空間だった。

ここから、新宿まで50分くらい。
南米ボリビアに赴任する高校時代の友人の壮行会でハシゴ酒・・・・・・。
昼にもビールを飲んだし、今日は何回も酒を飲んでいるなぁ・・・。