差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2011年10月26日水曜日 23:15
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 旭湯(中野区本町)

ナカムラです。

今日(9/22)は、「旭湯(中野区本町)」に行ってきました。 新中野駅(東京メトロ丸ノ内線)から、0.4キロ、4分くらいです。

ここには古くから銭湯があったらしい。現在の建物は、先々代が譲り受けたもので、昭和37年頃の 建築。

千鳥破風妻入りの脱衣所棟に緩やかな曲線の唐破風に立派な懸魚が付いたエントランス。暗くてよ く見えないけど、鬼瓦には「旭湯」と刻まれているようだ。見上げれば、雨空の中にコンクリ煙突 がそびえている。

屋号を染め抜いた紺地のオリジナル暖簾を潜ってエントランスに入る。正面番台裏のガラス窓の木 桟に”朝日”がデザインされている。左右の下足箱は久し振りに見るカナリヤ錠。何故かは知らな いけど、このカナリヤ錠の銭湯はいい銭湯が多い。

番台は木組みのがっしりとしたもの。しかし、側面には男女境にも使われている古い化粧板が張ら れている。今となっては違和感のある組み合わせだけど、オリジナルなのかも知れない。安っぽさ は無いので、そんな感じがする。

脱衣所の広さは、幅3間強、奥行は4間ほど。天井は飴色の見事な折上げ格天井。前庭は洗濯機2 台ほどのランドリースペースなどに替わっているけど、濡れ縁側とそこにアクセスするための木製 建具のガラス戸がオリジナルのまま残っている。上部の窓もアルミサッシなどで更新されていない 木製建具のままだ。

ニス塗りのピカピカの床に島ロッカーはない。節電モードでやや暗いものの、昔ながらの広い空間 が広がっている。

ロッカーは外壁側にSakura3錠のもの。籐の丸籠も普通に使われ続けている。その他、TANITAのデ ジタル体重計、梁に取り付けられた古い扇風機、旧型マッサージ機などがある。

かなり古い丸テーブルが気になった。妙な形をしたがっしりとした脚。何か特殊な使われ方をして きたようなもの。 そして、恐らく半世紀近いこの銭湯よりももっと古い時代の代物だと思う。。。

さて風呂だ。浴室は、幅3間強、奥行4間くらい。天井は木板の2段型。窓枠などは白木が維持さ れている。広く大きな銭湯だ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから6・5・5・5・5・0。床はピンクがかったグレーの足触 りのいいものに更新されている。

浴槽は奥壁に沿って、備長炭の入ったカゴを沈めた深槽、7点座ジェット×2、1人用のデンキ、2 穴ジェット×2とバイブラがある主浴槽。湯温はいずれも42度くらい。小生にとっては入り易い快 適な温度だ。

奥壁には、故早川氏の「西伊豆(19.6.15.)」の大きなペンキ絵が健在だ。力強い波飛沫が、岩にぶ つかって高く舞い上がっている十八番の絵柄。いい絵だ。さらに、男女境には湖・高嶺・洋館を描 いたモザイクタイル絵もある。

なお、相方に聞いた女湯の話だけど、番台には昇台のためのステップがついており、Keihoku Hakari の”ベィビースケール”なる赤ちゃん用の小さな体重計が、オリジナルの籐籠つきで現存するとい う。なかなかレトロな趣の濃い銭湯だと思う。

秋分の日を明日に控えた三連休前日の木曜日。18:45から19:35に滞在。相客は6、7人程度。惜し くも浴室が無人になるタイミングは無く、早川さんのペンキ絵を写真に撮ることはできなかった。 残念・・。

上がりは、同湯すぐ近くのちゃんぽん屋「球磨」に目を付けていたけど、帰りは混んでいて席が無 かった。結果的にはいつものようにバスで十条に戻って「ほり」で一杯。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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