差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年1月31日火曜日 21:53
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 弁天湯(墨田区千歳)

ナカムラです。

今日(1/7)は、「弁天湯(墨田区千歳)」に行ってきました。 両国駅(総武本線)から、0.8キロ、8分くらいです。

銀座に買い物に出かけ、スペイン料理屋で夕御飯を食べて両国に向かう。相方が古いビルがあると いうので、途中、松山ビル(昭和4年築)を見て行く。昭和初期のビル特有のスクラッチタイルが 塗り込まれているのは残念。しかし、かなり丁寧に使われているシアワセな建物だった。

さて弁天湯。関東大震災で甚大な被害があった地域なので、道が縦と横に整然と走っている。同湯 の前の通りもさほど交通量が多い感じの道ではないけど、相応の幅員がある。

表の袖看板には「明治十五年創業/弁天湯」とある。創業の年を誇らしく記しているのは珍しい。脱 衣所にある新築祝いの古い木製のベンチからすると、現在の唐破風&千鳥破風の建物は昭和32年4 月改築のようだ。

フロント式に改装されていて、狭い入口には松竹錠の下足箱が小ぢんまりと並ぶ。中に入ってのロ ビースペースは凝っている。まず広さ。間口を3分割してその中央をロビーにするケースが多いけ ど、同湯の場合は6間の間口の1/2にあたる幅3間を中央のロビーに充てている。

天井はオリジナルの飴色の折上げ格天井がそのまま残っているけど、ロビースペースの上に、両国 国技館の土俵の上に吊られているような小屋根が、やはり吊られている。フロント周りが障子で囲 われていたり、休憩スペースの天井が網代天井だったりと、並みの中普請とは違った力の入りよう だ。

ただ、これだけの設備でのアドバンテージは、フロント係りのサービス精神にかける不機嫌な感じ で、併せてマイナスに。。。

脱衣所は、オリジナルは幅3間、奥行2間ほど。それが、パーティションで幅1間半に仕切られて いる。ただ、小さな前栽を潰して半間ほど増築して縦方向に拡張している。

やや狭い脱衣所だけど、そこに部活帰りの高校球児とおぼしき11人ほどの一団が上がったところで、 それなりに混雑している。

ロッカーは松竹錠のシリンダー式のもの。狭いスペースなので、その他に自販機、古い木製のベン チがあるくらいだ。

浴室は、幅3間、奥行もやや短くて3間と3/4くらい。天井は木板ペンキ塗りの2段型。島カラン はサワーピンク色の大理石紋様のものが1列で、カラン数はセンターから4・5・5・6。床は星形模 様の白タイルが使われている。

浴槽は奥壁に沿って、深浅2槽。深槽が7点座ジェット×2、主浴槽がバイブラとジェットになって いる。湯温は割と高く43度を少し超えるくらい。

特段のビジュアルはなく、奥壁は並み型の白レリーフのタイルに青いヨットが描かれている。また、 一部パステル色の入ったラインが入っている。サワーピンクタイルを張った男女境にはクラシック カーと女性という良く見かける絵柄の既製品が入っている。

明日から大相撲の初場所が始まる。21:00くらいだろうか、やや遅いと思われる時間に相撲取りが 浴室に入ってきた。びん付油の甘い匂いが男・女湯を問わず広がる。じっくりと足を温めた後に半 身浴。暫く経ってようやく肩を沈めた。アスリートならではの入り方があるのだろう。掛け湯をし て直ぐにどぼんと浸かる小生とは全く違う丁寧な入浴だった。

上がりには牛乳を頂く。”有り難う”の言葉もなく支払った小銭が木箱か何かに、苦々しく投げ込ま れるような音が気になった。

土曜日の20:50から21:40に滞在。野球部の高校生軍団を除いても、ピーク時には奥行きのない浴 室に12人ほどの相客がいて湯気が濛々。ちょっとお湯が熱い繁盛銭湯だった。

相撲取りも同じくらいに上がって、外の自販機の飲料を飲むと、和装なのに自転車で帰って行った。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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