差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年4月8日金曜日 21:52
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 弁天湯(新宿区余丁町)

ナカムラです。

今日(4/1)は、「弁天湯(新宿区余丁町)」に行ってきました。 新宿御苑前駅(東京メトロ丸ノ内線)から、1.1キロ、12分くらいです。

今日から新年度。何が変わるということはないけど、期末や期初の資料作りが忙しい。マーケ ットは東京電力が、政権の不用意な発言で日々揺れている。政権の発言が世の中に与える影響 の大きさを理解していないようで、いつもながら日本は大丈夫なのかと思う。

19:30頃に会社を出て、丸ノ内線の新宿御苑前駅で降りて北上する。最寄り駅は大江戸線の若 松河田駅のようで、多少、遠回りのアプローチ。東京医科大学の前を通る。付近は富久町とい うバブル時代に地上げされ、虫食いで放置されたことで有名なエリア。あれから再開発が進ん だのかタワーマンションが見え、整備された公園などもある。

しばらくそんな住宅地を進むと、まばらに商店が並ぶ小さな一角に出る。同湯はそんな一角に ある。向かいは寿司屋、隣がトタン波板がペンキ塗りという壁の平屋で、「蛍」という小さなネ オンがある居酒屋。捨て置けないオーラを感じる。上がりの一杯をここと定め弁天湯に入る。

昭和33年築の伝統的木造銭湯。通りに面する部分はコインランドリーと増築されたロビースペ ース。離れないと分からないけど、平入りの脱衣所棟の黒瓦の屋根には飾りの千鳥破風が載る。 取り壊されただろうレトロなエントランスや前庭はどうだっただろうと思いを巡らす。

エントランスを入れば松竹錠の下足箱。ロビーには、アイス、飲料、自販機といろんなものが ある。シンプルながら明るく居心地がいい感じがする。繁盛銭湯のようだ。額に入った何枚か 賞状からすれば、同湯の大将の名前は銭元善治郎氏というようだ。なんか御利益がありそうな お名前だ。

サウナがプラス400円というのはチト高い。しかし、新宿区の銭湯サウナの多くはプラス550 円。そんな”カルテル価格”からすれば良心的なのかも知れない。サウナ証と大小のタオルが 貸し出される。

脱衣所の入口には「龍宮の湯」と「桃源の湯」という篇額が掛かる。サイクルは分からないけ ど、定期的に男女が入れ替わるようだ。今日は「桃源の湯」に男湯の暖簾が掛かる。

脱衣所に進めば、3間半四方の大きな脱衣所。三回ほど中普請をしているけど、女将が「これ が好きだから」という折上げ格天井が立派だ。格子の一部が長方形になっている変則的な格天 井だ。

ロッカーは外壁側に松竹錠シリンダ式のもの。一部に縦長のものもあって今日のように会社帰 りで鞄が大きい時には便利だ。その他、TANITAのデジタル体重計、ここが女湯の場合もあるの で、お釜式のドライヤーもある。

浴室は、幅3間半、奥行4間。木板にペンキ塗りの内装という伝統的木造銭湯。しかし、2段型 の天井はウィング部分の1/3くらいが明かり取りのためにくり抜かれて樹脂製の半透明の波板 に替わっている。

島カランは2列で、カラン数はセンターから5・5・5・5・5・0。それぞれの島カランの中ほど に玄関灯のような照明器が立つ。床のタイルは大判のオフホワイトのもの。足触りのいいもの で、何より清潔に磨かれているのがいい。広々とした空間の大きな銭湯だ。

浴槽は、幅のある奥壁に接して奥行き1間半くらいで多彩な浴槽群が並ぶ。基本的には40度弱 の宝寿湯の円形浴槽と主浴槽。主浴槽には1穴スパージェット×2、ボディマッサージ、7点座 ジェット×2、リラックスバス、バイブラと並ぶ。奥壁はオーバーハングしたタイル張りで頭上 から赤外線ランプが照らしている。井戸水と水道水のブレンドをガスで沸かしたお湯は肌触り が良く柔らかい。

さらに、元は庭だったのだろうか、石灯籠と枯れ山水の庭を置く岩風呂風の露天風呂があって、 「茶カテキン」の透明緑色の薬湯が満たされている。この薬湯の香りが好きだ。疲れて少しさ さくれ立った気持ちに染み入るいい香りがある。そして、元庭のスペースは、水風呂、乾式サ ウナと続く。

今は、世の中が節電モードになっている。同湯の水風呂も通常は循環と冷却で供されているよ うだけど「節電のため源泉掛け流し」になっている旨の張り紙がある。冷却はしていないとい うものの、冷たいいい井戸水だった。

プラス400円と少しお高いサウナではあるけど、充実の水風呂とテレビ付の数人は入れる清潔 なサウナ。サウナの相客も何人かいる。しっかり稼働しているようだ。

男女境はブルーの模様のタイル。奥壁の丈夫は白く塗られている。特にビジュアルというもの はないけど、男女境にラミネートされた山の写真が上下2段で計26枚飾られている。数えれば そのうち7つは登ったことのある山だった。

そのほか、奥壁に「Spring」とあって商店街の街灯にあるような手作りの飾りが付けられてい る。写真といいこの飾りといい、あまり類を見ないビジュアルだけど、悪い印象はなく、なん かほのぼのさせられた。

上がりは居心地のいいロビーでヨーグルトドリンクを頂く。

金曜日の21:00から22:20に滞在。相客は優に20人は越えていただろうか。なかなか居心地の いい優れた銭湯だった。

さて、隣のバラックの居酒屋「蛍」へ。同湯横の道を塞ぐように、そして斜めの土地に建って いる。なんか綾がありそうな土地でただ者ではないオーラを放っている。

同湯に入る前にのぞいた時には2、3席の空きがあったけど、既に満席だった。青山のキラー通 りでお好み焼き屋をやっていたご夫妻による居食屋系の店らしい。

恐らく昼間にここを通っても、この店の存在に気付かないかも知れない。暗くなってようやく 蛍がその存在を示すように、「蛍」という小さな小さなネオンが点って、初めてここが居酒屋だ ということが判る。

うぅぅ、気になる。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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