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差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2015年4月26日日曜日 22:16
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 文化湯(杉並区西荻北)

ナカムラです。

今日(1/30)は、「文化湯(杉並区西荻北)」に行ってきました。西荻窪駅(中央本線)から、0.6キロ、6分くらいです。

昼間に大崎や新橋を出歩いていたけど、都心ではみぞれまでで積雪は見られなかった。仕事を終え、大江戸線で汐留駅から、代々木駅経由で西荻窪駅の高架ホームに降りると、家並の屋根の上にしっかりと積雪があるのに驚いた。相方に聞くと一時は吹雪の様相だったらしい。

通勤鞄から、マフラー、毛糸の帽子、手袋、レッグウォーマー、カメラを取り出して夜の西荻窪の町に繰り出す。これでようやく落ち着くほどに今日の寒さは厳しい。

商店街になっている北口のバス通りを道なり北西方向に進み、少し住宅地に折れた辺り。浴場と居宅のみの建物だろうか。多層階のマンションとは違った低層のビル銭湯がある。妻面にあたる位置に「文化湯」という袖看板があるものの、それ以外灯りは少ない。ひっそりと営業しているという感じだ。

同湯は戦後創業の伝統的木造銭湯が、26年前のバブル期に現在のビル銭湯に建替わっている。

建替えの際、地下に従来からの銭湯、1階と2階がサウナ店という構成にしたようだ。現在は地下1階のシンプルな銭湯だけが営業を続け、銭湯と入口が並び合うサウナ店の店名は消され、灯りも付いていない。荻窪のGokurakuyaもそうだったし、こういったサウナ店の名残をよく見かける。一時の流行だったのかな。

明るい色彩の1階の入口を入ると木札の松竹錠の下足箱が何故か男女別に置かれている。そこから地下1階のロビースペースに降りて行く。ゆったりとした空間に、ゆったりとしたフロント。しかし、蛍光灯色の照明のせいもあって潤いに欠ける印象を受ける。

脱衣所は幅1間半、奥行5間くらいだろうか。かなり細長い。天井は1間と1/3間と低い。しかし、地下ながら地上に吹き抜ける玉砂利敷の中庭が、男女湯の間に置かれている。そのため地下という感じはしないのではないだろうか。出来れば明るい昼間の姿を見てみたい。

ロッカーは壁側にのみ、松竹シリンダー錠のものが50個ほど長い脱衣所に並ぶ。上に2つの丸籠が伏せられている。アナログ体重計は表示盤が膝の高さのMORIYAのもの。

木製身長計には剥がれかけた「藤井タイル工事店寄贈」の文字。時折見かけるタイルによるイニシャル表示”FT”とあるタイル屋さんだと思う。籠や体重計とともに先代建物時代からのものだろう。試しに身長を測ったら、計測値が3センチほど短く、身長が縮んだかと少々焦った。

浴室の広さは、幅2間半、奥行4間くらい。天井は最高部が2間半、角度が広い船底形の天井になっている。脱衣所側には件の中庭からの明かり、浴室奥にも陽光降り注ぐだろう壺庭が置かれている。加えて、外壁の上方1/4は換気用の窓がある。

別店でサウナの営業があったため同湯にサウナはない。しかし、お湯の湯気とその熱気で心地良い程度のスチームサウナ状態になっている。もっとも、地上に通じている妻面には強力な換気扇が2機並列に置かれている。中庭の窓を開け換気扇を回せば心地よい風が吹き込んでくるはず。なかなか感心させられる。

島カランは1で、カラン数はセンターから6・6・6・10。浴室の入口には赤御影石の敷石。床のタイルはオフホワイトで表面にスレートの紋様を施した珍しいもの。バブル期の高規格のビルだけあって、なかなか手が込んだ材料遣いに唸らされる。

浴槽は奥壁に沿ってあるバイブ等の主浴槽1槽のみ。男女境側がリクライニングジェット×3になっている。お湯は、地下200メートルから汲み上げた飲用可能という井戸水を、42度くらいに多分ガスで沸かしている。すっきりとした中に、柔らかな肌触りを感じることが出来るいいお湯だ。

外には雪が残る寒波厳しい時。電球色の落ち着いた照明の空間に、湯気とマイナスイオンが満ちている。まさに極楽。

金曜日の20:00から20:50に滞在。相客はピークで10人を超える程に入っていた。

上がりの一杯は「やきとり戎」北口店へ。暮れに磐井亀次郎氏に南口店に連れて行って頂き面白かったので、今度は北口の方へとやって来た。串焼きは相変わらず美味しかったけど、それ以外、熱いはずの物が温かったり、何故か水っぽい料理が多かったりと期待が裏切られる結果だった。まぁ、勘定は安いので、期待が大き過ぎたと言えばそうなのかも知れない。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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