差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年11月1日月曜日 22:05
宛先: 銭湯ML
件名: 千代田湯(豊島区北大塚)

ナカムラです。

今日(10/30)は、「千代田湯(豊島区北大塚)」に行ってきました。
大塚駅(JR山手線)から、0.7キロ、7分程度です。

大塚駅のホーム屋根は、古レールを曲げて支柱としたレトロなもの。
改札への通路、駅舎もレトロな感じを残している。
でも、南北自由通路を持った新しい駅舎への改築が計画されているらしい。

戦前、大塚は都内有数の繁華街だった。池袋が発展するのは戦後のこと。
駅前の1階に書店やマクドナルドが入っている「大塚ビル」は、大正時代に建てられた、東急百貨店の前身の旧白木屋百貨店だった。
そんなに古いビルには見えないけど、エレベータホールや階段にそれらしい名残があった。

さて、千代田湯へ。
北口のピンクサロン街を見渡せる坂を上がっていく。
上がったところが「空蝉橋」。なんか優雅な名前。
通りを渡るを、住宅街になり、さらに線路脇の小道をずっと進んでいく。
今日は雨。17:00だけど、既に日は暮れている。

非常に入り組んだ住宅地。
夜、雨が降っているので多少の心細さを感じる。
同湯は、商品を照らす、電球を煌々と点けた食料品店の隣にある。

昭和25年築のレトロな銭湯。
入口はやや勾配が急な千鳥破風の黒瓦。
脱衣所棟のガラス窓の桟には上品な意匠が施されている。
入口の周りには薪がうず高く積まれている。

脱衣所棟の屋根のはるか向こうには、池袋の高層ビルの灯りが霧に滲んでいる。
同湯のすぐ向いも6、7階のマンション。
恐らく、同湯の煙突よりも高い感じ。

暖簾をくぐり、正面の傘を突き差す式の傘入れに傘を収納。
下足箱は、ひらがなで「さくら」と書いてある旧式のもの。

アルミサッシの戸を開けると、3間四方の脱衣所。
天井は見事なこげ茶色に鈍く光る折り上げ格天井。
男女境の鏡周り、既に機能は終えているけど大黒柱の柱時計周りと、往年のウッディーな感じが残っている
ただ、床は今風の新建材の床になっている。

松竹板鍵の島ロッカー1つ。隅に脱衣籠が3つだけ残っている。
その他、「北東式制温装置・・・」と書かれたアナログ体重計、ベッド式のマッサージ機などがある。
基本的に最低限なものだけが置いてある、清潔な脱衣所。

男女境に大きな新しいテレビ。音が後ろから聞こえてくる???。
番台の女将の前の小型のテレビが音声を発している。

浴室は、幅3間、奥行4間。
天井はウィング幅が1間半の2段型。ブルーと白のペンキにかなりくすみが出てきている。

島カランは1列で、カラン数は、センターから7・5・5・5。外壁が30センチほど張り出していて冷温の立ちシャワーが2つある。
カランは日の丸扇の刻印のある角型。取っ手は双方ともにブルーのもの。すべてのカランにシャワーが付いている。
タイルはすべて更新されていて、古いものはない。

浴槽は深浅2槽。双方ともに緑茶色の入浴剤が入っている。
浅槽は2穴ジェットが2機。温度は42度くらい。
横壁に超音波風呂の説明が、女の子とお姉さんの掛け合いで描かれていたけど、この浴室でこれが一番古いものだろう。
深槽は弱弱しいバイブラ。温度は結構あって、45度以上か。1分も浸かっていられなかった。
ご常連も「あっちは入れねぇや」と。

ビジュアルは、奥壁に中島師の富士山。7.10.30とある。
偶然にもこのペンキ絵の8回目のバースデー。
1日か2日違いというのはあったかも知れないけど、当日というのは初めてかも知れない。

上がるとイラクで武装グループに拘束された香田証生さんのニュースを報じていた。
あるご常連は、治安の悪い所に自分の意思で出かけていったのだから同情はできないと・・・。
何をしに危険地域に入ったのかな。

外に出ると雨がパラパラ。相変らず池袋の高層ビルには霧がうっすらとかかっている。
風邪気味なので、今シーズン初めて厚手のコートを羽織ってきた。
これから、大学のOB会、目白で終電まで・・・。

3次会で年の離れた後輩が全裸で酒を飲んでいた。
話てみるとある航空会社の国際線のパーサーらしい。
わが出身のゼミは、銭湯マニアを含め、いろんな人材を輩出している。

そう、飲み会で銭湯の話をしたら、深窓のご令嬢風の後輩が、日暮里の初音湯や朝日湯、神楽坂の熱海湯の話をしだした。
すぐ近くに銭湯ファンが居て驚いた。










旧白木屋百貨店 大正時代の建築


大塚駅


唯一の都電(荒川線)は、大塚駅で山手線と交差している。