差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年8月17日火曜日 21:36
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 千代の湯(中野区中央)

ナカムラです。

今日(8/15)は、「千代の湯(中野区中央)」に行ってきました。 中野駅(中央本線)から、1.1キロ、13分くらいです。

中野の友人宅にお呼ばれ。昼から更級の蕎麦屋で酒盛りをし、初めてのブロードウェーセンタ ーなどを冷やかし、夕方になったので5年ぶりに中野区の銭湯に向かった。

少しの散歩でもへばる猛暑の終戦記念日。今年の夏は本当に厳しい。。。

中野駅の南側は、昭和40年代に暗渠化された桃園川に向かって低くなっている。紅葉山の坂を 降りて行けば、旧桃園川の緑道に三味線橋などいくつもの橋が残されている。意識的に残して いる感じがする。同湯はそのうちの「北裏橋」という不思議な名称の橋を渡った所。近づく途 中で煙突は見えなかった。ストリートビューの画像では煙突があったので、最近撤去されたよ うだ。。。

昭和26年築創業の黒瓦の銭湯。向かいには平屋で下見板張りの廃業菓子店。開いていれば、北 裏橋を含めてなかなかのコラボレーションだっただろう。

脱衣所棟は、平入りながら妻入りのような大きな千鳥破風を有する変則の入母屋風。エントラ ンス部分も立派な黒瓦の入母屋屋根になっている。入口に暖簾はなく、左右にガラスブロック が積まれ、上に「千代の湯」と屋号をスリ硝子で刻んでいる。

中に入れば、番台の背にあたる部分に小さな富士山と海岸のタイル絵。九谷・鈴栄堂の福二に よる淡く繊細なタッチの絵付のものだ。

下足箱は松竹錠。小さな扉などはきっちりと更新されている。脱衣所に入れば、番台は両サイ ドの視界を遮ったボックス状のもの。気温22度に設定されたクーラーが何とも涼しい。外は 35度を超える猛暑日。生き返った心地がした。

脱衣所の広さは、幅3間強、奥行3間ほど。天井は平行2本の桟が3セットほど。男女の脱衣 所を左右に横切っている。天板や壁の高い部分は白いペンキ塗りという感じ。梁より下部は、 男女境の鏡のまわりを含め昭和中期的な木目プリントの新建材に置き変わっている。

ロッカーは、Tokyo錠の島ロッカーが1つと壁側に中段棚がある新しいタイプのもの。その他、 旧型マッサージ機、keihokuのアナログ体重計がある。

浴室の広さは、幅3間強、奥行4間ほど。天井は2段型。外が暑いせいもあって浴室の熱気は かなりのものだ。。。島カランは2列で、カラン数はセンターから、3・2・5・5・5・4。変則的 なカラン配置は、男女境に「観覧車のゴンドラ」のような4人掛けで中央に開閉扉がある電気 式の簡略サウナ室があるため。

タイルなどは更新されてレトロというほどではないけど、さりとて新しくもない。浴場全体の 修繕状況にとけ込んで いる。さらに、同湯の湯桶はすべて木製。丁寧にメンテナンスされている。

浴槽は、奥壁に接するかたちで設置された深浅2層。クール系の「森林浴」という青い入浴剤 が使われている。井戸水をガスで沸かしたお湯は肌触りがいい。おそらく42度くらい。体温ぐ らいの気温を歩き、さらにサウナのような浴室。。。温度に対する感覚が少々狂い気味だが。。。

薄荷を練り込んだ松山油脂の石鹸で全身を洗い、サウナ、湯船に入っては、カランの水をかぶ る。

サウナは頭上に「電気ストーブ」がついた非力なもの。少々、匂いも気になった。他が清潔な だけに少し残念。カランの水は冷たくないことが多いけど、同湯は冷たかった。逆に立ちシャ ワーの水はいつまでも温いままだった。

ビジュアルは奥壁に丸山さんの「西伊豆雲見(15.2.8)」のペンキ絵。夫婦岩が描かれ、それぞ れの岩の間には注連縄が渡されている。あまり見ない絵柄だと思う。5年も経っているので一 部のペンキが剥離している。

上がりは瓶牛乳130円を頂いた。コインランドリーは女湯側にある。板塀の内側には一本の大 きな木があるほかは砂利が敷かれ、ある意味で整備されている。庭としての整備でもなく、さ りとて放置でもない。案外に珍しいケースかも知れない。

日曜日の16:50から17:40に滞在。相客は爺さんを中心に10人程度。近くに露天風呂などがあ る高砂湯があったけど、同湯も思いのほか繁盛していた。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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