差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2010年1月10日日曜日 8:35
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 大學湯(福岡市東区箱崎)

ナカムラです。

今日(12/20)は、「大學湯(福岡市東区箱崎)」に行ってきました。箱崎九大前駅(福岡市営地下鉄箱崎線)から、0.2キロ、2分くらいです。

朝に羽田空港を出発して福岡入り。昼飯時の天神の角打ちを皮切りに、知人に福岡を案内してもらいながら渡辺通りの柳橋の食品市場や旧新柳町遊廓跡などを散策。途中、中洲・三光橋の袂に福岡県公衆浴場業生活衛生同業組合の「福岡県浴場会館」なる崩れかけた看板の廃業銭湯建物や都湯の前を通過・・・。

博多といえば、豚骨ラーメン。美味しいラーメン屋に案内してもらって、更に杯を重ねる。途中、サンタクロースが歪んで見えると思ったら居酒屋の飲んだくれサンタのディスプレーだった。

天神散歩を堪能し、九州頭脳の総本山、九州大学箱崎キャンパスの「大學湯」に向かう。移転が進んでいるため、戦前築の巨大校舎が閉鎖され廃墟然としていたりする。

福岡は日本海側。東京人にとってはイメージよりもかなり寒い街だ。冷えきった身体を暖める大學湯は九州大学からは指呼の距離にある。

低いながら石の門柱。その内側には丁寧に刈り込まれた庭木が在って、板張りの同湯建物はその奥にある。ありそうであまりない庭の奥にある銭湯。柱と屋根だけの簡素なエントランス。そこに「大學湯」という屋号が彫り込まれた篇額が架かる。文字がライトグリーンというのが珍しい。

昭和7年築。福岡築でも古い部類の銭湯。男・女2つの入り口がアルミの扉なのがアレだけど、九州大学が帝国大學と呼ばれた時代から多くの俊秀が集う銭湯でもあったのだろう。

ドアを開ければ、コンクリのタタキにやや大きめの四角番台という地方銭湯の定番スタイル。傍らの下足箱の錠はオール木製の指物師が手がけたタイプ。九州で出会うのは初めてかも知れない。福岡の銭湯料金は440円。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行は広い感じのタタキの部分を入れて4間ほど。天井は板張りでライトグリーンのペンキ塗り。床も古い板の間。内部も洋風板張りの外装にマッチしている。

外壁側に、King錠、扉がグレー木目プリントの合板で更新されたロッカーがある。その他、IUCHIのアナログ体重計、木製ベンチに脱衣カゴが積んであるだけの広々として、やや寒い空間が広がる。

ロッカーの傍らに円形の傘立てがあった。男湯のものはSS-LOCK錠的なもので気に止めなかったものの、女湯のものは「DAIGAKUYU」と彫り込まれたものだったらしい。屋号を彫り込んだ錠は見たことがない。

浴室は3間四方。天井は四角錘型で真ん中に湯気抜きがある構造。床のタイルは風車型ののもの。島カランは1つで、カラン数はセンターから、4・2・2・6。

浴槽は、奥壁に接するかたちで深浅2槽と水風呂。釜場への扉がないので全幅に浴槽群が並ぶ。男女境に接する深槽がメイン浴槽。浅槽は獅子の湯口があって小石タイルが使われレトロな雰囲気が残っている。外壁側にある水風呂は、かなりぬるい湯というくらいで、冬場には使いやすい温度だった。

男女境の上部にガラスブロックが使われているくらいで、ビジュアル的な装飾はない。しかし奥壁の白タイルに丸山さんの赤富士のポスターが張られていた。ないよりは幾分ましではあるけど、少しだけ違和感がある。

上がりは、地元の九州乳業の牛乳「みどり牛乳・デカ」100円を頂く。濃厚4.5ながら生乳が50%だからか「乳飲料」となっていた。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
*************************************************