差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年7月30日土曜日 22:29
宛先: 銭湯ML
件名: 第一京浜浴場(大田区山王)

ナカムラです。

今日(7/29)は、「第一京浜浴場(大田区山王)」に行ってきました。
馬込駅(都営浅草線)から、環状7号線の歩道を0.9キロ、15分くらいです。

「馬込銀座」という大森駅にへ通じる商店街の一筋奥の道に堂々とした姿がある。環状7号線を通る車も見渡せるような場所。
屋号は「第一京浜浴場」という堂々としたもの。「京浜」ということばが光芒を放っていた時代があった。そんな、昭和42、3年ころの建物。
小生の地元の京浜女子大は野暮ったい制服で有名だったけど、「京浜」では学生が集まらなくなり、鎌倉女子大に名前を変えた。
「京浜工業地帯」、「ホテルニュー京浜」・・・。既に「京浜」は時代遅れのニュアンスがある。

エントランス部は千鳥破風。その上にも千鳥破風と豪快な姿をしている。
エントランスも広い。正面には、傘を立てて収納するロッカー。下足箱の錠はSakuraG。
ただ、番台への戸の上に張られた「男湯」のガラスにヒビがあり、テープで補修されているのが痛ましい。

番台の女将に400円を渡す。番台は木組みの大振りのもの。
普通は、番台の後ろに入浴グッズなどが並んでいて雑然としているけど、ここはあまりに殺風景。
グッズはない、冷蔵庫はない、余計な貼り紙はない。おまけに、照明が明るくない。
エントランスの暖かい感じの雰囲気と違って、入って直ぐに、寒々しい荒涼とした印象を受けた。

設備的には、3間四方の脱衣所。天井は折上げ格天井の古色蒼然とした佇まいだけど、殺風景でやや落ち着かない。
大半の鍵が紛失しているSakuraU錠の島ロッカー、家庭用扇風機、TANAKAのアナログ体重計があるくらい。静寂・・・・・・。
相客は浴室に1人。女将も談笑してた女湯の唯一の客が帰ったら、番台を降りて奥へ下がってしまった。(こんなのはじめてだなぁ。東京大田区の銭湯なんだが・・・。)

浴室は、幅3間、奥行4間。天井は2段型で高さが3間はある大型のもの。
高天井がカーブを描き、上へせり上がっている構造なので、視覚的にはより大きく感じる。
脱衣所同様、照明が暗い。蛍光管5本で照らす構造だけど、脱衣所側の蛍光管が切れたままで放置されている・・・。

金曜日の21:00。唯一の相客は帰って、女湯、男湯の浴室・脱衣所含め小生のみ。客だけでなく女将も居ない。
荒涼。静寂。こういうシチュエーションは嫌いではない。
しかし、緊張感を強いられ、週末のお寛ぎモードにはそぐわないかな。

十分に2列は取れるスペースだけど島カランは1列で、カラン数センターから6・5・5・6。
浴槽は深浅2槽。
浅槽は、ジェットと気合が入っていないバイブラ。一番外側に仕切り板があって打たせ湯みたいなものがあったけど、稼動しなかった。
温度は43度くらい。この季節にしては高めの設定。
深槽は、淡い気泡風呂。温度は43.5度くらい。

ビジュアルは、浴槽上のモザイクタイル絵。かつてペンキ絵があったかも知れない奥壁はオフホワイトのタイルが張られている。

上がりは庭に出る。
溶岩ではない立派な庭石で設えられた池、滝がある。
しかし、水は張られておらず「枯山水」。無常感が漂っているなぁ・・・。

やってきた常連客に問うた。
(小生)いつも、こんなに空いているんですか。
(常連)〔女将の居ない番台を確認し、人差し指を唇にあてながら〕いつもガラガラ。1人とか2人。多くて3人しかいないよ。ゆっくりできていいけどね。
    
予め電話で営業時間を尋ねたら、「みなさん10時半にはお帰りになりますよ」と。
銭湯マップでは23時までとなっているけど、22:30が仕舞いなのかも知れない。
大変失礼ながら、長くはないかも知れないと感じた。

帰りは、20分かけて西大井駅(JR横須賀線)まで歩く。
緩い尾根を乗り越す地形のようだ。坂を登り切ったところに日光堂だったかな酒屋があって、発泡酒のロング缶を調達。飲みながら西大井までの緩やかな坂を下って行った。
馬込文士村は少し南だけど、途中に徳富蘇峰の旧家を公園にしたものや、東芝の迎賓館、伊藤博文公墓所なんかがある。






ロッカーにほとんど鍵が付いていない。





実際はもっと照明は暗い感じがする


山王商店街


西大井