大黒湯（目黒区上目黒）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年6月25日木曜日 0:46
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件名: 大黒湯（目黒区上目黒）

ナカムラです。

今日（6/20）は、「大黒湯（目黒区上目黒）」に行ってきました。中目黒駅（東急東横線）から、1.0キロ、10分くらいです。

最寄り駅は祐天寺駅だけど、各停しか止まらないので、今日は１駅先の中目黒駅からアプローチする。

駅前に高層のGTタワーが建ったのは７年ほど前。さらに高層マンションが工事中。中目黒も大きく変貌している。

昭和６３年から平成１２年まで中目黒にあったオフィスに勤務していたので、ここは勝手知ったる土地。それだから、再開発に驚かされ、記憶の風景がなくなって複雑なものを感じる。時間が大きく流れてしまった。。。

さて、大黒湯。当時、メタボなる言葉は無かったけど、メタボ解消のため、昼休みにコンパクトカメラ（GR-1SやティアラⅡ）を手に毎日散歩するのが日課だった。大黒湯やその近くのレトロなパーマ屋を撮影した記憶がある。

駅からは、鶴の湯、万寿湯、宝来湯という３軒の銭湯があった。今はどれもない。そして記憶までもが曖昧になっていて、多少、遠回りをしてやっと到着した。レトロだったパーマ屋やはり廃業していた。

しかし、大黒湯は立派に刈り込まれた掛り松とともに、こざっぱりと改装されていた。以前からフロント式だった記憶があるけど、さらに手を入れているのかも知れない。

旧エントランス部に載っていた千鳥破風はそのまま残されて、先端部分だけ見ることができる。その上には脱衣所棟妻面の大きな千鳥破風。掛り松などの植栽を含め、全体に整った緊張感がある。いい感じだ。

向かって右手に入り口があって、小さな靴脱ぎスペースにおしどり錠の下足箱。扉が赤・青・白に塗り分けられているのも久しぶりの遭遇だ。

自動ドアを入れば、本当に小さなフロントスペース。そのフロントの傍らには、かつて番台裏にあって入口周りを飾っていたタイル絵が保存されている。落款が瓢箪形の朱枠に「九谷/鈴榮堂」とある古い感じのもので、端正な顔立ちの雉を描いた地味な色調の絵だ。

脱衣所に進むと、外観の堂々とした印象が裏切られるコンパクトさに驚く。広さは３間四方くらい。天井は折上げ格天井で渋い焦げ茶色。手で触れるほどの高さまで天井扇の３本のポールが下りている。羽根は外されているけど、こんなに低い天井扇は初めてかも知れない。羽根がなく３本のポールと玉というのも何となくシュールな光景といっていい。

男女境は稼働式に改造されていた。ロッカーは「Ohidori」の小さなアルミ板鍵のロータリー式のものが外壁側にのみ。床にはいくつもの脱衣かごがランダムに置かれている。目黒の住宅地にしては、なかなか昔ながらの風景が残っている。

浴室は幅３間、奥行４間程度。天井は白・ブルーに塗り分けられた２段型。フロント、脱衣所とともにコンパクトな感じの中型の銭湯だ。

島カランは１列で、カラン数はセンターから７・４・４・６。外壁側のカランが温度調整ができる湯水混合栓というのも珍しい。さらに湯桶と椅子は、手入れに手間のかかる木製のものを使っている。何があるという銭湯ではないけど、いろんな部分にこだわりを持つ銭湯だ。

ビジュアルは、奥壁に中島師の富士川のペンキ絵。そしてその下には鈴榮堂の章仙画の池に鯉のタイル絵。九匹の鯉が池を泳ぎ、あるいは飛び跳ねている。鯉の躍動感からすれば昭和３０年代に描かれたものか。

土曜日の１７：５０から１８：３０に滞在。相客は１０数人はいた。なかなか活気がある銭湯だった。

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目黒銀座商店街	寿湯