差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2011年4月29日金曜日 10:49
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 第二朝日湯(中野区沼袋)

ナカムラです。

今日(4/22)は、「第二朝日湯(中野区沼袋)」に行ってきました。沼袋駅(中野区)から、0.6キロ、7分くらいです。

自動車メーカーの足下の工場稼働率が、国内だけでなく海外も半分程度に落ち込んでいる。フル生産に戻るのは今年後半までかかるようだ。エンジンを電子制御するマイコンが震災により部品メーカーから送られて来なくなったからという。ひたちなか市にあるマイコン工場が罹災した影響がグローバルに広がっている。

今週から始まった大手企業の決算発表でも、今期の業績予想を未定とする異例の事態になっている。手元の部品在庫が切れる5月以降の見通しが立たない。2次、3次のベンダーの状況が読み切れないようだ。

何が忙しかったというわけじゃないけど、身体の疲れが抜けない一週間だった。効率が低下してきたので、19:00に早々と会社をずらかった。

高田馬場駅を経由して沼袋駅へ。この駅で降りるのは初めて。駅前の飲み屋小路にある「一の湯」と古風なもつ焼き屋「ホルモン」を見る。赤提灯が連なる飲み屋街に惹かれる。ただ、ホルモンは22:00の仕舞なので帰りに寄るのは難しい。。。

さらに「清水湯」を見て「第二朝日湯」へ。家の形まで記された詳細地図を用意してきたけど、あまりに規則性の無い道なので、要所要所で確認しながら進なないとすぐに違った方向に行ってしまう。また、案外と起伏が多い土地だ。

小さな川に向かって坂を下って行くと同湯の明かりが見えた。コンクリ煙突を有する黒瓦の堂々とした大きな建物だ。

平入りの脱衣所建物には飾りの千鳥破風が載っている。入口はやはり黒瓦の屋根があるもの。傍らの大きく育った掛かり松が見事だ。那智黒を敷いた2段ほどの階段を昇ってエントランスに入る。

クロス張りのどってことのない空間。左右に松竹錠の下足箱が向かい合わせに並ぶ。中に入れば、床の高さと変わらない、左右の視界を遮った番台風のカウンターに若い女将?さん。スタンプを押してもらったけど、とても感じのいい方だった。ただ、手元のネイルアートから察するに、番台しかやっていないようだ。

野方・朝日湯の支店。どちらが先なのか、「朝日通り」に建つ「(第二)朝日湯」。建物は築60年くらいのものらしい。水が無いのが残念だけど、大きな涸滝を擁する見事な庭が前庭から建物側面へとL字型にのびている。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行3間ほど。しかし、前庭から側面に延びる庭を広く取るために、脱衣所の一部を庭のために割いた珍しい構造になっている。

壁と同じく天井もくすんだ白いクロス張り。かつてあっただろう折上げ格天井は埋められて、昭和末期頃の照明器が段違いにつるされている。そして昨今の節電営業で、全てがほの暗い空間だ。

ロッカーは、ブロック状の鍵が付けられたもので、島ロッカーが縦置きに1つと外壁側にある。その他、ガラス張りになった庭に面したコーナーに14インチのテレビとともに休憩スペースがあるほか、Keihokuのアナログ体重計があるくらい。テレビが付いていないせいもあって、静かな空間だ。

浴室は、幅3間半、奥行4間。天井は2段型で広い空間が広がっている。壁や天井の木板には、何回も塗られたペンキが襞になっている。

島カランは2列で、カラン数はセンターから7・5・5・5・5・5。床は星形のタイルでカラン周りはサワーピンクの大理石紋様のもの。昭和の末頃のタイル使いだ。

浴槽は、奥壁に沿って3槽。外壁側の主浴槽はバイブラ。41.5度くらいのやや温い湯。真ん中が7点挫ジェット×2。センター寄りの浴槽は何の仕掛けもないもので紺色のタイルの浴槽の底を見渡すことができる。

今年始めに転換したというガスで沸かしている。浴槽の縁を見ると析出物の堆積が目立つ。成分の多い井戸水を沸かしているようだ。

男女境を含め壁という壁は白で新緑の灌木かそんなシンプルなラインが走るデザインになっている。

ビジュアルは広い奥壁一面に切り絵調のモザイクタイル絵。これほどにメルヘン調のものは初めてかもしれない。北海道・美瑛の風景のように、起伏のある丘が縦横に折重なっている。そこに種を蒔く者、羊飼、牛の乳を搾る者。チロルの鐘が鳴り、遠くの海には煙を出した客船が見える。羊飼などの兄弟のおかあさんだろうか、家の窓から手を降る女性が大きく描かれている。鶏を従えた少し離れた隣家の母娘が遠くからこっちを見ている。まぁ、そんなどこかで見たような作風のメルヘン。。。

上がりは薄暗く静かな中で牛乳110円を頂いた。金曜日の20:00から21:00に滞在。釜場に消えていった父子を除けば相客は4人ほどだった。

上がりの一杯は、駅前の飲み屋小路に戻ってもつ焼きの「たつや」。「居酒屋礼賛」の主宰者も何度か通っているようなので、「ホルモン」とともに目を付けていた。

若い男ばかりの店員が何人も居るタイプの居酒屋。安いけど味はそれなり、ただ酔って腹を満たすだけならばよいけど、少しばかり物足りない感じだったかな。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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一の湯


ホルモン





清水湯