差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年3月9日日曜日 20:32
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 第二千歳湯(世田谷区南烏山)

ナカムラです。

今日(3/8)は、「第二千歳湯(世田谷区南烏山)」に行ってきました。 芦花公園駅(京王線)から、0.3キロ、3分くらいです。

所々の欅並木が美しい、甲州街道の旧道から少し路地を入ったところにある。エントランス部 の千鳥破風に脱衣所の千鳥破風が重なるダブル千鳥破風。だだ、がん吹きが剥がれたモルタル なので、シャビーな感じが濃厚だ。導入路の居酒屋も営業しているのかという感じ。

そして、この銭湯の敷地は特異だ。通常は庭池がある部分、建物の両サイドに接して、細い道 路が走っている。銭湯の後方を含め、正面以外が道路に囲まれているとう稀有な銭湯だ。

暖簾を潜ると正面にモザイクタイル絵がある。枝に止まった尾長鳥が長い尾を垂らした絵柄。 通常ある番台後方の窓を省略して天井近くまで立ち上がる大きなモザイクタイル絵だ。古いな がら特殊なタイルなのか、どことなく鈍い輝きがある。真ん中にポスターが貼られているのが 残念だ。

同湯の建物は昭和34年築という。しかし、旧型のおしどり錠の下足箱が整然と並ぶ光景は、昭 和中期の築というより、もっと古い感じがする。

「殿方」と書かれた古風なガラス戸をガラガラと開けると、番台は木組みのもの。やや高いか らか、スペース的に少し小さく見える。座っているご主人が少し窮屈そうだ。そして、周りに 拡がるのはレトロというよりボロという表現が相応しい空間だ。

脱衣所の広さは3間四方。白い新建材の天井板がかなり煤けてる。同湯には外塀というものが ないので、目隠しの波板が窓に直接取り付けられている。それが煤けているから、脱衣所内部 はかなりの裏ぶれ感がある。

それにしても相客は10人超。こんなに客が入っているボロ銭は珍しいかも知れない。

外壁側には旧型おしどり錠のオール木製のロッカー。脱衣籠も高く積まれている。もちろんK eihokuのアナログ体重計、二枚扉の冷蔵庫、男女境に鎮座するかなり煤けた招き猫と役 者は揃っている。

浴室は幅3間、奥行4間の標準型。脱衣所とは違って整備されている。 島カラン1列の奥に、深浅2槽。バイブラバスと仕掛けのない浴槽。どちらも43度強とそれ なりのしっかりとした温度になっている。

混んでいるので互い違いに、向かい合って浸かる。昔は当たり前だったけど、最近は珍しい。 小生も作法に従って、イニシエにタイムスリップする。熱いけど、井戸水を沸かした湯はやは り柔らかい。水道水のようなピリピリ感がないのはいい。

ビジュアルは中島師の富士山。前景は定番の湖ではなく、やや穏やかな川の流れが広がってい る。

何で、この銭湯にこんなに客が入っているのが不思議だったけど、爺さんで大繁盛という感じ だった。

上がりは、街歩きの先達と、公団烏山第一住宅(前川國男設計)などを経由して千歳烏山まで そぞろ歩き。さらに、軟水(宝石軟水風呂)がすばらしいらしい「増穂湯」を経由して、「やき とり 仲屋」、「やきとり ホームラン」のハシゴ酒。前者は味で勝負。後者は値段で勝負とい う感じか。ジモティーの先導で、どちらも満足な居酒屋だった。

「やきとり ホームラン」は、歩行者専用の京王線の踏切を間にして、「松の湯」と向い合わせ にある。同湯を上がってビールを飲む客も多いようだ。

小さな踏切の傍らにある「松の湯」は雰囲気二重丸の伝統的木造銭湯。線路の傍らにあるだけ で郷愁をそそるのに、人しか通れない趣きある踏切が控えている。なんという臨場感か。

生ビール、レモンサワー、酒、レモンサワー、デンキブラン、レモンサワー。街歩きの先達は 酒が強い。遠来からの小生を気遣って「松の湯」に入るか聞いてくれたけど、さすがに飲んで ハシゴ湯する気力はなかった。また、日を改めよう。そして、少し飲み過ぎた・・・。

くだんの踏切の傍らには小さな地蔵菩薩像がある。
この踏切には悲しい物語があるようだ。
これも、この一帯の雰囲気に陰影を与えている気がする。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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松の湯


増穂湯



やきとり・ホームラン


仲屋