差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年3月27日火曜日 6:07
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 第二富士の湯(板橋区大谷口上町)

ナカムラです。

今日(3/19)は、「第二富士の湯(板橋区大谷口上町)」に行ってきました。 大山駅(東武東上線)から、1.1キロ、12分くらいです。

今日は月曜日だけど、明日は祝日(春分の日)なので銭湯へ。板橋区の銭湯は金曜日が定休日の銭 湯が多い。週末には入れない気になる大山の第二富士の湯に向かう。

各駅停車しか停まらない大山駅。ハッピーロード大山商店街という大きなアーケード街があって、 そこを抜けて行く。

同湯は、昭和6年に建てられた大谷口配水塔(2005年5月撤去)があった場所のすぐ近く。駒沢と 野方の配水塔は残ったものの、使われず一番荒れていた大谷口は撤去され、塔があった場所に配水 塔を模したポンプ室が建てられている。

同湯は昭和35年築創業。大型の伝統的木造銭湯だ。ただ、表通りに面したアプローチはテントが被 され電飾看板が設置されている。窓はもちろん塀の上にも目隠しの波板が張られ、およそ郷愁とい う情景からは程遠い姿に成り下がっている。既にランドマークの高い煙突も無い。後方に回って初 めて、油井型の櫓の中に笠を載せたパイプ型の短い煙突を見ることができる。

電飾の看板を潜ってテントの通路に入ると、傍らに軟水風呂の効用が認められている。板橋区の風 呂屋で一番最初に軟水風呂を導入したようだ。

黒瓦を載せたシンプルな平入りの脱衣所棟。元々はどんなエントランスが付いていたのだろうか。 直方体の簡素なものだったようにも見える。暖簾を潜れば、上の摺りガラスには「第二富士乃湯」 と刻まれている。正面には傘を立てて収納するロッカー。そして左右には松竹錠の下足箱。

番台への自動ドアを通れば、左右の視界を遮ったフラットな番台に女将さんが座っている。頭上の 棚には赤い座布団に座った磁器製の大きな福助像。浴室の方に眼をやれば男女境の上に招き猫がこ ちらを向いて座っている。余計な物は一切見当たらないシンプルで磨き込まれた脱衣所で、ことの ほか目立っている。

脱衣所の広さは、幅3間半、奥行3間。天井は本格的な折上げ格天井。S字にカーブした部材で格 天井を持ち上げ、その支えには寺院の軒を支えるような肘木が使われている。広さもさることなが ら、かなり立派な造りだ。メンテナンスも十分、飴色の艶を湛えている。

庭への扉や高窓の枠など、全ての建具が磨き込まれた木製のオリジナルが維持されている。素晴ら しい。。。

ロッカーは、外壁側と島ロッカーが1つ。広い空間を保つために島ロッカーはぎりぎりまで男女境 側に寄せて置かれている。フロントからの視界を遮る目的もあるようだ。島ロッカーは、最上段が 片側だけガラス扉のショーケースになっている。初めて遭遇するものだった。綺麗にして下着やシ ャンプー類などが陳列されているけど、男女境と島ロッカーに挟まれた狭いスペースに人はほとん ど入らない。

前栽が柵を施した濡れ縁の向こうにある。しかし、土が剥き出しになっているだけのスペース。庭 とは呼べないものだった。

その他、客が多いのだろう飲料豊富な冷蔵庫、HOKUTOWのアナログ体重計などがある。

浴室は、幅3間と2/3、奥行は4間ほど。天井は木板の2段型。広い空間だ。島カランは余裕で2 列。カラン数はセンターから6・6・6・5・5・5。左右のカランには隣席に飛沫が飛ばないように、 透明な黄緑色のアクリル板の衝立が設置されていた。

普段はシャワーの有無に関わらず、浴室全体を見渡すことができる中央の島カランに陣取ることが 多い。しかし、今日は衝立のある男女境のカランを使ってみる。カランは東京の銭湯では珍しい宝 のレバー式。久し振りに見る。 

床のタイルは、台形と三角の2色のタイルを組み合わせで、出来上がりが20センチ角の模様タイル に仕上げている。古いものではなく厚手で足触りのいいものだ。

浴槽は奥壁に接して3浴槽。外側の半分の主浴槽は、浴槽内部と周囲を高さ2メートルくらいまで 平石を張って、岩風呂の雰囲気を出している。中央がバイブラ、センター側は水枕付の7点座ジェ ット×2になっている。湯温はいずれも42度くらい。板橋で一番最初に導入されたという軟水を使 用したお湯もなかなか気持ちが良かった。

乾式サウナは無料。脱衣所の外壁側にフルに食い込むかたちで、幅半間のものが細長く設置されて いる。しかし、低温式というものらしく、温度的にはかなり物足りないものだった。浴槽で身体を 十分に温めても汗が出るには時間がかかりそうで、時間の関係で早々に諦めてしまった。

奥壁の中央には、ビジュアルに代わって板橋区初の軟水風呂であることや、軟水は薬湯ではないこ となどを高らかに謳った大きな看板が掛かかっている。その隣には浴場組合の入浴者に対する注意 事項。これもまた大きい。

その他、男女境には新しいものだけど、絵付けの富士山のタイル絵。前景が大きな湖になっていて 何羽かの白鳥が描かれている。

上がりはリポビタンD150円を頂く。

金曜日の19:55から20:40に滞在。相客は10数人といったところ。子供を連れたお父さんなども居 る。しかし、広い銭湯なので混雑した感じはない。居心地がいい明るく清潔な繁盛銭湯だった。

上がりの一杯は商店街のアーケードにある「好味来」。紅虎餃子房の「ちょもらんま」と迷ったもの の、客の入りが段違いなので混んでいる方にした。値段も大山価格の懐に優しいもので、味も舌足 らずの中国人店員の方々のサービスも良かった。

帰りは、タクシーで帰館。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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