差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年12月27日土曜日 17:46
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 第二和泉湯(江東区牡丹)

ナカムラです。

今日(12/12)は、「第二和泉湯(江東区牡丹)」に行ってきました。

門前仲町駅(東京メトロ東西線線)から、0.4キロ、5分くらいです。

会社から帰宅はせずに東京駅22:00発の寝台特急・サンライズ瀬戸号に乗り岡山駅まで行く予 定。シャワー室の設備もある寝台列車だけど、旅の前哨戦として銭湯に浸かりたい。そして、 上がりも大衆居酒屋「魚三酒場」か、居酒屋通が愛する「浅七」で一杯やりたい。そんなこと を考えながら門前仲町の第二和泉湯に向かう。

同湯は昭和25年創業で現在の建物は昭和28年築。通りに平入で建つ建物を挟むように、裏 にも並行して通りがある。同湯はその双方に入口があって松竹錠の下足箱を置いている。聞け ば、双方の入口を繋ぐ現在のフロント部分は土間というか通路になっていたらしい。敷地の関 係から珍しい構造になっている。

かつては大横川に架かる隣橋のたもとに第一和泉湯もあったけど、それは昭和47年に廃業して いる。ご主人は物静かな学者風。小柄な女将さんは語気が強い方だった。

脱衣所は、幅3間、奥行き2間半ほど。天井は高いものの壁とともに白いクロス張りに替って いて趣きには欠ける。20年ほど前、通路を潰してフロント式にした際に合わせて改装したも のだ。ロッカーは松竹錠のシリンダー式のもの。HOKUTOWのアナログ体重計にフジの旧 型マッサージ機などがある。

浴室は幅3間、奥行き4間ほど。天井は2段型で白とブルーのペンキで塗り分けられている。 普通の天井よりもかなり高い感じがする。島カランは1列でカラン数は6・5・5・6。カランは 日の丸扇の刻印のあるもの。

浴室のタイルに古いものはない。床は星型の模様が入った白っぽいもの。浴槽の縁やカラン台 の上面は大理石模様の白タイルが使われている。男女境も白タイルに牡丹模様のワンポイント。 基本的に白で統一された浴室だ。

浴槽は深浅2槽。深槽は7点座ジェット×2。少し前に張り出した感じの浅槽はデンキとバイ ブラになっている。湯温はどちらも42度程度。今日は冬としては暖かい日だけど、少し物足 りない湯温だ。風邪引かないか少し心配になってしまう。

ビジュアルは海原を走るヨットが大きく描かれた切り絵調のモザイクタイル絵。どちらかと言 えば殺風景でそっ気ない浴室に大きな潤いを与えているいい絵だ。

上がりは「魚三酒場」の喧噪に身を置く気分でもなかったので、「浅七」に行く。魚三酒場の建 物とは接しているほどの指呼の距離だけど静寂な居酒屋だ。酒も厳選されたものが数銘柄。肴 も腹にたまるようなものは少なく、ただただ酒に合うものだけが供されている。

奈良の「青垣」のぬる燗と穴子の煮こごりを頂く。次は湯豆腐と「立山」を飲みごろの燗で頂 いた。本当は酒一本で出るつもりでいたけど、通されたカウンターの隣席に気になるひとり客がいた。この店 に一人でやってきて、その端正な飲み風が気になった。

勝手に週末の居酒屋巡りかなと感じていたけど、意外にもご近所だという。ハスキーヴォイス で言葉ひとつひとつを丁寧に話す方だった。下町の歴史や文学にそれなりの知識を感じた。あまり時間を拘束しても無粋なので、もっと話をしていたいという頃合いで店を出る。

「いよいよ出発ですねと」茶目気のある眼差しで見送ってくれた。8泊9日のクレイジーな長旅のスター トとしては幸先が良かったかも知れない。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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浅七








魚三酒場