差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年2月8日日曜日 9:41
宛先: 銭湯ML
件名: 第二香藤湯(墨田区押上3丁目)

ナカムラです。

今日(2/7)は、「第二香藤湯(墨田区押上)」に行ってきました。
押上駅(都営浅草線)から、600メートル、10分程度です。

東京生まれで、街の写真撮影を趣味にしてきたので、結構いろんな地域を歩いてきたけど、押上は初めて。
「第二香藤湯」へ通じる南側は裏口なのかな。
大手銀行の支店とかは、付近には無かったような・・・。

しばらく歩いていると、肩に白いタオルを巻いた2人組が歩いている。
今日の目的地ではないけど、程なくして「宝湯(墨田区押上1丁目)」が現れる。
角にコインランドリーがあり、やや太く短めの煙突。

「第二香藤湯」は、銭湯マップで駅から12分となっているけど、そんなにはかからずに到着。
煙突の頂上部には、老朽化のため、銀色に輝く3本のベルトが巻かれ補強されている。
入口は千鳥破風の瓦屋根。脱衣所棟の屋根も瓦。それなりだけど風格がある。
壁は全体的に白く塗られてるけど、かなり剥離している。

また、窓は一部破れている。入口の蛍光灯は、何だか傾いている・・・。
んー、かなりボロである。

オリジナル暖簾というか、家庭科の授業で縫ったような自作の暖簾。こういうのも珍しい。
その暖簾をくぐると、左(69個)、右(69個)、正面(69個)にも下足箱。
かなりのボロ。数もあるなぁ・・・。

錠は松竹錠なんだけど、少し変っている。施錠のツメが下に伸びるもの。
番号札も正面から見ると刻みが無く、正面に、貫通しない程度に裏から刻みが入っている。
退役しているようだけど、照明器具が古い洋館の入口にあるようなもので、レトロである。

同湯は角地の立地につき、角側(左側)が男湯という少数派。
入口上のガラスには「紳士」と書かれている。女湯は「淑女」。こんな表記も珍しい。

戸を開けると、意外・・・・・・。
小学生の男の子が番台に座っている。4・5年生くらいか。
1000円札を差し出すと、「すみません500円玉が無くて、細かくなってしまいます」と。
なかなか、堂に入った応対だ。いいぞ。

番台は前面がカーブしている新建材での造り。藤を意識しているのかな、紫色になっている。
今日は曇り空、脱衣所は電気が点いていないので、ややうす暗い。

天井は、焦茶色の折上格子天井(5×11)。
一部破れていたり、雨漏りか、波打ったりしている。

壁は白壁だけど、崩落している箇所がいくつも。
しかし、大黒柱には現役の黒時計が振り子を揺らしている。

天井には3枚プロペラの扇風機。女湯は羽が無いし、男湯のものも恐らく現役ではない感じ。
男女境の上にこれも洋館に似合うようなレトロな照明器。残念ながらこれも現役ではない。

島ロッカーと2方面の壁にロッカー。錠は「さくら」と「SakuraU」と島ロッカーは松竹の板鍵のもの。
島ロッカーには「みんなのロッカーなので鍵は持ち帰らないで下さい」と書かれている。そして、ロッカーの扉も、互い違いに紫色になっている。

島ロッカーの上には金魚の水槽、鳥の剥製。
女将いわく、水がいいので金魚は丸々と太っている。
壁には、手芸の絨毯のようなものがいくつか掛けられている。すでに、色褪せている。これは何なんだろう。
壁が破れているのを隠すためではないと思うが・・・。

おぉ、学校の校舎をバックにした赤い消防自動車の絵。2年何組、伊藤○○。
あの子の絵なのかな。
脱衣所に小学生の図画が飾ってある。なかなか、いい感じがした。

さて、浴室。
幅3間、奥行4間。島カランはプレーンなもので1列。
カランはmセンターから9・7・7・7、Waguriのボール取っ手のもの。壊れたのか新たしいものも混じっている。
シャワーはセンターにのみ7つ付いている。

床のタイルも大小の楕円のタイルを基調としていて、所々に紅葉葉の赤・青のタイルが張られている。昭和レトロである。
土曜日の16:30。開店から30分が経過しているけど、床のタイルはひんやりしている。
一番風呂目当ての常連はいないのか?。恐らく、小生が今日の1番客。

カランの湯を使おうとすると、「ゴボゴボ・・・、ゴボゴボ・・・。」と蒸気&熱湯が噴出。結構、焦った。
やっとの思いで掛け湯をして、湯船に入ろうとすると強烈に熱い。
温度計はガラスが破れて用をなしていないが、湯温は「六龍鉱泉」の比ではない。

仕方がないので、埋め太郎となる。
しかし、何度あったのだろうか。きっと、人間の限界の48℃近かったと思う。

浴槽は、深浅2槽。双方の縁ともに円弧を描き張り出している。
浅槽の底にはモザイクタイルで熱帯魚等の6匹の魚が描かれている。
壁側の底にパイプが這わせてあって、ブクブクが出ている。
かなり、取って付けた構造ではある。

同湯は井戸水を売り物にしている。しかし、熱すぎてよくその効用が実感できなかった。

天井は2段型。ペンキはかなり剥離しているし、湯気抜きの窓に雑草が生えている。
かなりキテいる・・・。

奥には富士山のペンキ絵。恐らく中島師。しかし、それなりに古そうな絵である。
男女境には一面のモザイクタイル絵。風車に湖、帆掛け舟というモチーフはありふれているけど、ここのはオレンジ色の夕景。これは珍しい。
聞き及んだ話では、ターナーの絵をタイル屋に見せて、貼らせたものらしい。

上がりは、見渡すと退役したカバーがかけられた冷蔵ケースのみ。
女湯には飲み物があるのかなと、替わった番台の女将に聞くと、「ないんです」と・・・。
しかし、暫くしたら番台から降りて、冷蔵庫で冷やされた井戸水を入れた500CCのペットボトルを出して、勧められた。
クセのないおいしい水。ジュースなどよりよほど贅沢な水分補給だった。

そう、ここの女将は占いの先生のようだ。
それらしい貼り紙があったし、電話で、家を作る人なのかな、風呂を作る位置について熱心にコンサルティング?していた。

小学生も番台に立つ昭和25年築のボロ銭湯。
飲んでうまい井戸水で沸かした湯。
居心地はよかったし、疲れが癒された気がする。

しかし、老朽化した設備、客が少ない状況。
難しい銭湯と感じた。

長くなりました。