差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年11月9日日曜日 14:26
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04542] 第二光の湯(川崎市幸区)

ナカムラです。

今日(11/8)は、「第二光の湯(川崎市幸区)」に行ってきました。
新川崎駅(JR横須賀線)から、20分程度です。
しかし、川崎駅からバスというのが一般的なアプローチかも知れません。

今回の最大のミッションは、「川崎の銭湯マップ」を手に入れること。
ついでに、前から気になっていた川崎市小倉町の番台銭湯、「第二光(テル)の湯」か「日の出湯」どちらかボロい方に浸かってくること。

まず、「日の出湯」を偵察。
小倉商栄会というかなり寂れた商店街があり、その中にあった。
周辺には、京浜工業地帯に今よりずっと工場労働者がいた時代、その時代からあったと思しき古いアパートが軒を連ねている。
但し、空室も目立つ感じ。

そんな中にある「日の出湯」は東京型のコンクリの高い煙突。
入口は唐破風で、立派な懸魚もある。入口の木戸も風格がある。
ボロではなかったので、今度の課題に取っておくことにして、途中、「小倉湯」を経て、「第二光の湯」へ。

「第二光の湯」も周辺にスーパーがあるなど、ちょっとした商店街の中にあった。
煙突はやはり東京型のコンクリの高い煙突。
ここら辺りは神奈川県ながら、銭湯文化としては東京圏に属しているのかな。

入口の前が少し広場になっている。開店(16:00)15分後、一番風呂目当ての客の自転車が10台近く並んでいる。
入口は、松の木を従えた千鳥破風。
暖簾の上のガラスの桟も少し凝った模様が組まれている。

暖簾をくぐる、とエントランスホールの天井も格天井になっている。
下足箱は松竹錠。男湯は89番までの下足箱。
木戸の上には、スリガラスで立派に「男湯」と書かれている。
ここの木戸は自動ドア。知らないと、驚くかもしれない。

番台は、グレーの木目模様の新建材をはった前面がカーブしているヤツ。あまり好きではない・・・。
六龍鉱泉もそうだったけど、この番台が、何か調和を乱している。
400円を払い、その代わりではないけど、「川崎の銭湯マップ」入手。
無事、本日の重要なミッションを完遂。

   「川崎の銭湯マップ」は、なかなか気の利いたもの。
  写真入りと、地図が図案化したものではなく、実用的な地図というのがいい。
  これで、訪れる銭湯の優先順位が付けやすくなった。

そう、女将の頭の上に、地元の神社の札を置いた式の簡素な神棚があった。(最近時々、神棚に遭遇するようになった。)

天井は折上格天井(6×13)。高級そうには見えないけど、天板はケヤキかな。
輝きはないけど綺麗に清掃されている。
それに、男女の境には3枚羽の扇風機。蛍光灯の照明機が男女それぞれに2機のぶら下げられている。
梁は太く、大黒柱には黒い柱時計。あまり見ない中型。12時5分で止まったまま。

男女境の鏡の下にロッカー20。壁側に40。そして、横置きで島ロッカーが20。
(すべて松竹錠、板鍵のもの。)
ロッカーの数はそこそこあるけど、やはり脱衣所が広いせいか、余裕がある。

幅広の冷蔵庫には、客が多いのか、飲料がぎっしり。
立派なソファとテーブル。
寺岡式の体重計(150キロまで目盛りがある大型のもの!!)。
必要最小限のものしかないが、広いし、清潔感があり、なかなか居心地がいい。

入口側に池があるけど、水は張られていなかった。
水を入れるのはお金がかかるのかなぁ。水が入っていない銭湯に時々遭遇する気がする。

さて浴室。一番風呂の客たちがいて、思いのほか混んでいた。10人くらいはいたと思う。
みなさん、お年を召されている人ばかり。
一緒に浸かっている小生もかなり酔狂な・・・。

天井は2段型。ペンキは最近塗られたのか、匂いまではしないが新しい感じ。
浴室の奥行きはさほどではないにしても、まずまずの大型銭湯である。
床が八角形の大きなタイル(白)と、2センチ角のブルーの正方形のタイルを組み合わせたもの。
小生、この様式の床は好きである。

島カランは2列。島カランを含めカランの台は角が丸い旧型、台の部分は正方形の豆タイルが張られている。
カラン数はセンターから、6・4・4・4・4・5。日の丸扇の刻印がある角型のタイプ。
島カランには鏡が付けられているけど、微妙に短くて、カランは4つあるのに2人分しかカバーしていない。
センター向きのカランと外壁向きのカランは、やはり、水と湯が逆なんだ・・・。
(これが、スタンダードなんかな?)
シャワーはセンターと壁側のみ。

浴槽は3つ。右側(外壁側)から、白湯(1穴ジェット×2、42度くらい)、白湯(1穴ジェット×1、43度くらい)、薬湯(実母散湯、44度くらい)。
一番右側の広い浴槽は、奥の縁のタイル(緑のアメーバ模様のもの)に穴が開けられ、湯が噴出している。あまり見ない焚きだし口の方式である。
浴槽のタイルは、なかなか年季が入っている。
蛇口もレバーが平板で「1 1/4」と刻印されている古いもの。緑を含んだ茶色。くすんだ渋い色になっている。
この蛇口って、いつも思うけど、立派なオブジェだと思う。

3つの浴槽を跨ぐ格好で、章仙の銘のある池の鯉のタイル絵(縦5枚×横34枚)。
鯉が悠然と泳いでおり、初期の作品か。
ペンキ絵は男女ブチ抜きの富士山。中島師の手になるものと思われ、割りと新しく書かれたもののようだった。
釜場へ通じる戸は、こげ茶色の渋を浮き立たせた戸。これ以上のものはない。

一番風呂勢が居なくなったら客は小生を含め3人になった。
決してボロ銭ではなく、旧式のなかなかいい銭湯だった。

先代が昭和35年に3軒目の銭湯をここに建てた。
現在は、「(第一)光の湯」を含め、同じ川崎市にあった2軒とも廃業してしまったとのこと。

長くなりました。




日の出湯


小倉湯