差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年1月4日日曜日 9:27
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 戎湯(岡山県倉敷市鶴形町)

ナカムラです。

今日(12/15)は、「戎湯(岡山県倉敷市鶴形町)」に行ってきました。 倉敷駅(山陽本線)から、0.6キロ、7分くらいです。

3年前にやってきた時は、定休日(土曜日)で入ることができなかった。

同湯は、細い露地にある2階家の銭湯。暗い露地にシンボルとも言える白熱電球が点って、暖 簾が照られている。小さいながら何とも言えない存在感を発揮している。

戸を開けると、コンクリのタタキと番台の眼前には幅2間、奥行3間ほどの脱衣所空間が、段 差なくほとんど平面に広がっている。茶色の太い梁に支えられているのが見える2階部分がり 床を高くできなかったんだろう。

その小さな入口空間には、アルミ板鍵のおしどり錠の下足箱や回転式と言うか円形というかの 傘立てなどが置かれている。倉敷の銭湯料金410円を女将に渡す。聞けば大正の終わり頃の 建物とのこと。経営を引きづくまでにも何代か経営者が変わっている。

ロッカーは、扉に漢数次が書かれたオール木製ロッカーが外壁側に並ぶ。低い天井との間はさ ほどなく、そのスペースに斜めに演歌歌手のポスターが並ぶ。そして、床に置かれたベンチの 傍らにも脱衣籠としての柳行李が5つほど。尾道・日の出湯などでも見かけた深さのあるもの だ。

その他、Yamatoのアナログ体重計があるくらいのシンプルな脱衣所だ。

浴室は、幅2間、奥行3間ほどの広さ。天井はほぼ水平の板張りで、中央に四角い湯気抜きが 開いている。壁と天井が連節する部分には洋館の天井風の意匠が施されている。浴室と脱衣所 の間にある窓もアーチの2連だし、微かに洋風の趣きを感じる。

同湯の最大の特徴は、浴槽の床全面が石造りになっているほか、浴槽、その踏み込み段、湯桶 の台とそのことごとくが石で出来ていることだろう。浴槽の底にタイルが使われている以外は 石材がふんだんに使われている。水道水を2年ほど前から重油で沸かすように変わっている。 しかし、42度弱のお湯は石造の浴槽によって柔らかく感じるものに仕上がっている。

火曜日の20:30から21:15に滞在。相客は3人だった。

番台の両サイドには2階を支えるための鉄製の支柱が増設されていた。この大正期の建物もそ れなりに傾いでいるんだろう。美観地区もいいけど、同湯もそれに負けないくらい貴重なもの だと思う。末永く生き延びてほしい。

上がりは「酒蔵喜平」という居酒屋に入った。酒や料理は良かったけど、息子さんが担当して いた串焼きはまだまだだったかな。

《前回訪問:2006.12.24.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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