差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年11月25日日曜日 1:24
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: えびす湯(豊島区駒込)

ナカムラです。

今日(11/22)は、「えびす湯(豊島区駒込)」に行ってきました。 巣鴨駅(山手線等)から、1.1キロ、12分くらいです。

明日から勤労感謝の日で三連休になっている。今日は木曜日ながら休前日。鞄の中には久し振りに 巣鴨のスポーツセンターで水泳でもするかと、海水パンツ、キャップ、ゴーグルが入っている。こ こまで準備しているのに、スポーツセンターを通り越して、大和郷を抜け、温泉「SAKURA」 を過ぎて、染井銀座商店街の手前にある「えびす湯」に向かう。

創業50年。木造の建物で創業し、昭和40年代の建築だろうか、現在はコンクリ造の浴場専用の建 物に替っている。四角いエントランス。陸屋根ながら伝統的木造銭湯を踏襲した高い天井の脱衣所 棟と浴舎からなる。戸田界隈の健晃湯や戸田の湯と同様の形式。東京ではマンションなどに組み込 まれたビル銭湯が多く、このようなコンクリ造の浴場専用の建物は珍しい。

暖簾を潜り松竹錠の下足箱に革靴を放り込む。ドアを入れば、脱衣所スペースの1/6を仕切ってロ ビーとカウンターに充てられている。大将にサウナの有無を確認し、サウナは無いので450円を払 い、30円の小型の石鹸を買い求める。

脱衣所に進めば、殺風景な空間。おまけに節電で1/3くらいしか蛍光灯が点いていないのでやや暗 く裏ぶれている。ロッカーは外壁側に松竹のシリンダ式のものが並ぶ。今日は、下ろしたての濃紺 の三揃えスーツ。いつもよりも多少気遣いながらロッカーに放り込む。

広さは、オリジナルは3間四方。天井は伝統的木造銭湯と同様に高い。ただ、天井は長斧で削った ような意匠の桟があるフラットな白ペンキ塗りの天板が張られている。壁もやはり白ペンキ塗りで 多少寒々しい。その他、SANYOの古い床置きの扇風機、TANAKAのアナログ体重計、新型のマッサー ジ機があるくらい。

かなり建付けの悪いアルミサッシの扉を開けると、黒い小石タイル張りの濡れ縁と外便所がある。 庭には多くの鉢植えが散漫に並んでいるだけで、取り立てて庭と呼べるほどのものではないかな。。。

脱衣所には、上がったばかりの学生風の3人連れが居た。1人が”好きな人は本当に銭湯が好きや ん。家の風呂と違って、温まり方が違う”と言っていた。彼が友人2人を連れてやって来ているよ うだ。そして、それぞれに満足気な顔をしている。そうそう、スーパー銭湯のような色んな設備が 無くとも1日の終わりに広い風呂に入るのはいいものだろうと、小生は一人横で頷いていた。

浴室は、幅3間、奥行は4間ほど。天井はドーム型で、黄、緑、淡いピンクの3色の縞柄。久し振 りにこの手の天井に遭遇する。

島カランは1列で、カラン数はセンターから8・6・6・0。床のタイルはユリ模様のグレーのもの。 浴槽の縁とともに地下130メートルの井戸水の析出ミネラルで多少の汚れが目立つ。

浴槽は、奥壁から外壁側一杯に連なっている。奥壁側は大きな主浴槽が1槽で、ボディーマッサー ジ、1穴スーパージェット、ミクロバイブラ、赤外線ランプがある。コーナーに高さ2メートルを 超えるかなり立派な滝が設えられている。しかし、残念ながら稼働はしていない。湯温は42度くら い。多少、塩素がキツ過ぎるきらいはあるけど、ガス焚きの井戸水は柔らかい。

さらに外壁側に、生のショウガを使っている薬湯と、2人は十分に入れる多少色付きのある快適な 源泉水風呂がある。サウナもないのに快適な水風呂を提供する見識ある銭湯だ。

そして、同湯の白眉は、奥壁のモザイクタイル絵。男女境の上に彫り込んだタイルに「天」「草」「五」 「橋」とある。男女湯に跨って島々を繋ぐ橋の連なりが6間幅で広がる大パノラマ。見応えのある タイル絵だ。天草五橋は昭和41年9月に開通している。この建物もその頃に建てられたものなのだ ろうか。そうだとすれば、先代の木造建物(昭和38年の航空写真で確認できる)の時代が5年ほど 短か過ぎるが。。。

上がりはロビーで自販機の明治の瓶牛乳130円を頂いた。

木曜日の19:40から20:20に滞在。相客はどこか裏ぶれ清潔感に乏しい中年が3人ほど。どって ことのない古いコンクリ造の銭湯だけど、地下130メートルから汲み上げられた天然水をガスで沸 かしたお湯は、ちょっと塩素がキツいけど悪くない。極めて地味だけど、タイル絵の素晴らしさも あって印象に残る銭湯だった。

帰路は、染井銀座商店街を横切り、東京メトロ南北線の西ヶ原駅や京浜東北線の上中里駅へもアク セス可能。但し、同湯の辺りが谷になっていて、巣鴨に戻るにしても、上中里方向に進むにもアッ プダウンが多い。





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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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