差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年2月20日土曜日 6:03
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 栄盛湯(京都市左京区下鴨膳部)

ナカムラです。

今日(2/12)は、「栄盛湯(京都市左京区下鴨膳部)」に行ってきました。 北山駅(京都市営地下鉄烏丸線)から、1.1キロ、12分くらいです。

二条城前のレトロ喫茶「チロル」での朝食カレーを皮切りに、室町のレトロ喫茶「ユニオン」、 ヴォーリズ設計の河原町の大正時代築の高級中華屋「東華菜館」、昭和初期築の河原町のレトロ 喫茶「築地」、新京極の昭和初期からの「スタンド」という立ち飲みといろんなジャンルをハシ ゴし、下鴨神社の北にある栄盛湯に向かった。

大正末か昭和初期築というレトロな銭湯。両側は千成餅食堂と紺地の暖簾を下げる仕出し屋が ある。掛かり松を潜り、庭池に架かる橋を渡って、暖簾を分け入る。その風情は京都随一との 評判を得ている。そして、行けばなるほどと得心する。

入れば、コンクリのたたきと傍らの番台。狭い銭湯ながらツルカメ錠の下足箱と傘立てが置か れたタタキはゆったりとしている。

脱衣所の広さは、幅2間半、奥行きは、タタキと緩衝スペースを合わせて3間半ほど。新旧の 2つの天井扇がある天井は、2階が載っているものの、そこそこの高さがある平格天井になっ ている。

元々さほど広いスペースではないのに、男女境にはU字型に迫り出すかたちで乾式サウナが設 置され、外壁側には取って付けたようにボックス型のトイレが内部に増築されている。さらに 冷蔵庫、新旧2台のマッサージ機、季節外れながら床置きの扇風機なども立っているので、籐 敷きの実用上の脱衣スペースは狭い。

金曜日の18:30。夕飯前にひとっ風呂という時間だ。退役層を中心に相客は10人を超す盛況振 り。外壁側のおりどり錠のロッカーの数はそう多くない。籠棚の最下段もフルに稼働している。

枯れているのは脱衣所までで、浴室はサウナあり水風呂ありの設備充実銭湯なので、混み合う のは当たり前なのかも知れない。

流しがある緩衝スペースの先には、強化ガラスに取っ手だけを付けたタイプのドアがある。ケ ーキ屋などでよく見かけるものだ。風呂屋でこれを見たことはない。そして、浴室の床タイル との間に寸分の段差もない。緩衝スペースで受けるのだけれど、浴室からの湯水が容易に入っ て来る希な構造になっている。

浴室の広さは幅2間半、奥行3間半とという中型の銭湯だ。天井は山型のプラ板張りで、中央 に四角い湯気抜きがある。

カランは、外壁に8、奥壁に4、男女境に3と周囲に周り込むように設置されている。それぞ れのカランには人の高さほどのアーチ型の鏡がずらーっと並んでいる。

浴槽は、中央奥に浅い円形浴槽。その円形浴槽と男女境の双方に接するかたちで6点座ジェッ ト×2の浴槽。植栽と照明ポールの緩衝スペースを挟んで、2人が入れるほどの水風呂が入口 方に続く。お約束の獅子口から水が出ているほか、水面から1メートルほど高さからのノズル からも勢いよく水が落ちている。井戸水なのか入り心地がいい水風呂だ。

そして、サウナ。京都なので無料なのはもちろんのこと、脱衣所側に張り出したのU字型の部 分には曲面ガラスが使われ、平格天井の脱衣所が一望される。脱衣所側に窓があるケースはあ るものの、ここまで脱衣所と一体となっているサウナは珍しいかも知れない。

上がりは、隣の千成餅食堂やその隣の居酒屋も気になったけど、京都タワーのスカイラウンジ が気になるという連れに引きずられ京都タワーへ。。。この建物は昭和39年築。お茶の水・聖橋 や隅田川・永代橋を設計した山田守の設計でもある。


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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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