差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2015年4月5日日曜日 22:49
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 江古田湯(練馬区旭町)

ナカムラです。

今日(12/19)は、「江古田湯(練馬区旭町)」に行ってきました。新江古田駅(都営大江戸線)から、0.7キロ、8分くらいです。

中野区にある旧江古田村の開発新田にあたる練馬区の江古田。駅から純然とした住宅地を抜けると「銭湯と桜並木のある町練馬区旭丘東商店会」に出る。同湯はそこから少し奥に入った所にある。向かいには、よく銭湯の前にあるお菓子屋さん。しかし、かなりの廃墟系。営業しているのが尚不気味な感じだった。

さて、江古田湯。戦後創業して昭和41年あるいは42年頃に現在のマンション銭湯に建替えられている。マンション銭湯としては古い部類に入る。建物の上に四角い煙突が載るそれなりに大きな建物だ。

階段を2段ほど上ると、ガランとした広いエントランス。両サイドには樹脂製扉とアルミ板鍵の下足箱が並ぶ。広いエントランスの割に、更新された下足箱の数は少ない。

番台への扉を開ければ、練馬区の銭湯では数える程になった番台がある。脱衣所の広さが幅3間半、奥行3間という大きな銭湯なので心持ち高い番台になっている。

天井は伝統的木造銭湯並に高い。天板は石膏ボードながら男湯だけで天井を6分割するデザインが施されている。その周囲にアクセントとしての白熱電灯(非稼働)が仕組まれ、中央部には男湯だけで2機の天井扇が下がる。梁には稼働するようには見えない見たこともないオンボロな業務用扇風機も据えられたまま。畳一畳大の大きな大入り額があったようだけど、地震への対応なのか男女湯ともに外されていた。

ロッカーは、シリンダー式の錠前の島ロッカーが横置きに1つと、入口方の壁にもう1つ。

その他、飲料が豊富な冷蔵庫、初めて遭遇する"TOASEIKISEISAKUSYO"のアナログ体重計、旧型マッサージ機などがある。

外壁側のガラス扉の外には、広くはないものの石灯籠を設えた庭池があって鯉が泳いでいる。

浴室の広さは幅3間半、奥行は4間ほど。広い浴室の天井はビル銭湯なのにペンキ塗りのおそらく木板。ペンキの層が厚く判別し難かったけど、木板張りとすればビル銭湯としてはかなり珍しい。

壁はクラシックな白の中判タイル。男女境には垢抜けない構造とタイル遣いが印象に残る。施工者だろうか、「TN」とタイルでイニシャルが記されている。

島カランは2列でカラン数はセンターから8・6・6・6・6・5。カラン周りはサワーピンクの大理石紋様のもの。床には星形模様の白い物が使われている。

浴槽は、奥壁に沿って深浅2槽。浅槽には1穴ジェット×3で湯温42度くらい。深槽は3点座ジェット×2で43度くらい。お湯は井戸水を廃材で沸かした柔らかいもの。客が多いのかコンディションがイマイチだったのが少し残念。しかし、数枚ある敬心社のアクリルの広告板が実に味わい深い。1穴ジェットに当たってゆったりと”昭和な空間”に浸るには実に相応しい空気感がある。”ボトルキープ大幅値下げ””世界最大の37インチテレビのレーザーディスクカラオケ”など世相を映している言葉が残っている。

ビジュアルは、広い奥壁と男女境にベージュと茶色を基調としたモザイクタイル絵。目地がくすんでいるのも独特の陰影を加えている。抽象的で”判読”は難しいけど、奥壁がマンボウ、男女境が枯山水の庭園と見たが、どうなんだろうか。

上がりは瓶入りの牛乳を頂いた。

金曜日の20:15から21:05に滞在。相客は10人は超えていたと思う。商店街の路地裏の古いマンション銭湯。建物、脱衣所、浴室それぞれに昭和の雰囲気が十二分に詰まっている銭湯だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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