差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年11月18日水曜日 0:13
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 藤ランド(北区東十条)

ナカムラです。

今日(11/13)は、「藤ランド(北区東十条)」に行ってきました。 東十条駅(京浜東北線)から、0.3キロ、3分くらいです。

金曜日なので遠出をしようとしたものの、会社を早く抜け出すことができず、雨まで降ってき たので家から遠くない藤ランドに向かうことにする。

近くに木崎屋なるレトロな中華屋がある一角。しかし、なんとわない3階建てのビル銭湯だっ た。元の屋号は「藤の湯」。平成3年に現在の姿になっている。

暖簾すらない入口。松竹アルミ板鍵の下足箱に、びしょびしょになった革靴を放り込んでフロ ントに向かう。白いタイルカーペットと、白いクロス張りのフロントが寒々しいのは寒い日だ からだけではない感じがする。

フロント氏に450円とサウナ代のプラス200円を渡し、バスタオルを受け取った。

天井が低い3間四方の脱衣所も、やはり白いタイルカーペットとクロス張り。そこに旧型マッ サージ機と「藤の湯」と記された、文字盤を覆う硝子が無くなったアナログ体重計がある。王 子の映画館の2枚のポスターが一番のビジュアルというか、視覚的な潤いだったかも知れない。

浴室は、幅4間、奥行3間の横長。天井は、後方の男女境上の一部だけが高くなっている他は、 おしなべて低い。島カランは2短いものが2つで、カラン数は5・3・3・3・3・5。その後方、 硝子の奥壁に接するかたちで、浴槽群が横にずらりと並ぶ。

左右に「中温浴槽」と「高温浴槽」があって、その間に寝湯、ボディマッサージ、座風呂が並 ぶ。座ジェット槽が1人用の独立した小さな浴槽なのが珍しい。湯温は高温槽が42度半くら いで、その他が41度くらい。恐らく井戸水。柔らかい、いいお湯だ。

サウナは、低温というほどではないものの、マイルドな温度。自分も時々やってしまうけど、 寝ころんでいる人を久しぶりに見る。脱衣所に食い込む形で設置されたサウナ室の前には、2 人は入れる広さの水風呂。温度は小生の好みの20度くらいで、水質を感じながらゆったりと 浸かることができる。

浴槽群が並ぶ硝子の奥壁の外には「露天風呂」がある。石張り浴槽に樹脂製の竹囲い。なぜか 天井があって、半間四方の湯気抜き。外気浴風呂としても、なかなか密閉度が高いものだった。 保健所が厳しいのか、近隣がウルサいのか。。。肝心の「紫根の湯」も何となくブルーレットに 浸かっているという気がしないでもない。あまり好きな種類の薬湯ではない。

機能的には不足なものはない。しかし、全体を通して潤いに欠けている銭湯だったかな。身体 は暖まったけど、何か満たされないものを感じるのは、そのためだと思う。

上がりは、十条界隈の居酒屋で一杯やることを目論んでいた。少し躊躇ったものの、とりあえ ずとして、キリンのクラシックラガー250円を頂く。

篠原演芸場の夜の部がはねて、道幅の狭い十条仲通り商店街も静かだ。雨が降っている風景を 見るのは初めてかも知れない。

十条駅の傍らの渋い装いの「鮒忠」も気になるけど、いつ見ても客が入っていない。「田や」は 金曜日の夜、喧噪が漏れる。今日は最もディープな「秋田屋」に分け入るエネルギーは残って いない。

結局、「斉藤酒場」に入り、カウンターの一番入口に近い席に座って樽酒を所望した。すると「先 輩!」という声がして、手を握ってくる奴がいる。狛江に住む、かつての同僚だった。錦糸町 のオフィスからの帰りに、上司と連れだってわざわざ飲みにきたという。

最近、十条界隈の銭湯をこまめに回る小生のことを知っていて、時折訪れる斉藤酒場で会える かも知れないと感じていたという。少し変な、でもいいヤツ。9年振りの再会だった。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
*************************************************