差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年7月26日金曜日 23:47 
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 冨士の湯（目黒区目黒本町）
ナカムラです。
今日（7/6）は、「冨士の湯（目黒区目黒本町）」に行ってきました。 武蔵小山駅（東急目黒線）から、0.5キロ、5分くらいです。
武蔵小山の商店街に用事があったので東京の北の外れから、電車を乗り継ぎ、ドコドコ出かけて行 く。
武蔵小山は、有名な商店街だけでなく、古くからの怪しげな飲み屋街など歩いていて興味惹かれる ものが点在している。
同湯がある所は”目黒本町”という地名からして、元々は栄えていたのだろう。何やらいわく有り 気。同湯はそういったイニシエの残滓が残る通りに面している。
昭和22年の航空写真で同地に銭湯が確認できるので、戦前からの銭湯のようだ。コンクリ煙突を有 する現在の建物は、むくり破風と唐破風が連なる堂々としたファッサード。それと融合するように、 巧に黒瓦のロビースペースを増築している。立派な塀と掛り松、さらに奥行きのある前栽までも残 る。かなり立派な構えだ。50年は超えているというけど、いつ頃の建物なのだろうか。
入口の街灯が、ベークライト風の屋外スイッチというのが珍しい。フロントの大将に頼まれたのか、 帰りがけに風呂上がりのご常連が点灯する。
エントランスは広く、L字型に松竹錠の下足箱と入浴料などのチケットの自販機がある。フロント が置かれたロビースペースは快適で広い。
脱衣所の広さは、幅3間、奥行4間ほど。天井は白いアールがあって平格天井の変形といったらい いだろうか、縦に通る太い格子とやや細い横に通る格子で、変化のある長方形の格子を組んでいる。
ロッカーは、外壁側と、片側島ロッカーが中央の休憩スペースとを分けるパーティションのように 置かれている。錠は松竹のシリンダ式のもの。
大黒柱には、EIKOSHAの柱時計。ガラスの扉に職方一同ではなく”出入一同”とあるのが珍しい。 そして、大黒柱の前男女境の上に、これ以上立派な大黒様を見たことがないというほどの大きな大 黒天の彫刻が”清水の舞台”のようなこれまた立派な彫刻の台座の上に鎮座している。
ロビーにスペースを削られ、オリジナルからは狭くなったのかも知れないけど、塗れ縁を介しての 庭池がある。もっとも、冷房が効いているので、涼む場所というよりは喫煙スペースという使われ 方をしているようだ。
基本的に余計なものがないシンプルで清潔な脱衣所。その他、Hokutowのアナログ体重計、マッサ ージ機が2台、自販機が置かれているくらい。
浴室は、幅3間、奥行5間ほど。天井は全面がプラ板張りで少し残念な感じ。しかし、センター浴 槽の完全な設備系銭湯として置き換えられ使い心地は抜群。乾式サウナがプラス100円で使えるの もいい。
島カランはなく、カランは男女境に9、奥壁に7、センター浴槽の後方の衝立に4。床タイルはオレ ンジ色の厚手で足触りのいいもの。壁は淡い小豆色の大理石調。壁に付けられた電球色のサークル ライトが浴室を間接照明のような柔らかい光で照らしている。
浴槽は長方形のセンター浴槽。前が1点スーパージェットと3点ジェット×1がある白湯の主浴槽 で、42.5度くらい。傍らに出っ張りがあって打たせ湯が置かれている。お湯は水道水を重油で沸か したもの。その後ろが紫根という薬湯が満たされた2人用くらいの浴槽。
サウナは、外壁側に細長い乾式サウナ室。ラジオのナイター中継が掛かっていることに懐かしさを 感じる。梅雨明けと同時の猛暑日の今日、水風呂に入りたかったが生憎水風呂はない。しかし、3 つほどのいい立ちシャワーがある。1つに椅子が持ち込まれていたので、そこに座って暫く気持ち 良く水を浴びていた。多少、水資源を使い過ぎている嫌いはあるものの、混んでいなければいいか も知れない。
土曜日の19:15から20:05に滞在。相客は15人くらい。ビジュアルがないのが少し寂しく潤いに欠 けるけど、レトロな伝統的木造銭湯をシンプルな設備系銭湯にリノベートしている。普段に使う人 にとってはかなり便利な銭湯だと思う。
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ナカムラ （Masayuki Nakamura）
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp
URL: http://furoyanoentotsu.com（風呂屋の煙突）
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目黒本町。冨士ノ湯の通り。
目黒本町。冨士ノ湯の通り。
目黒本町。冨士ノ湯の向かい。