差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2008年8月24日日曜日 6:06
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 富士の湯(横浜市港北区綱島西)

ナカムラです。

今日(8/23)は、「富士の湯(横浜市港北区綱島西)」に行ってきました。綱島駅(東急東横線)から、0.8キロ、8分くらいです。

綱島駅は、昭和の初めの開業以来「綱島温泉」という駅名だった。付近一帯は、梅が咲く東京の奥座敷で、旅館や料亭が並ぶ花街でもあった。しかし、今年3月に横浜市教職員互助会の保養所「浜京」が閉館・解体され、宿泊地としての温泉の面影は消失した。ただ、かつての歓楽街としての面影はラブホテルが立ち並ぶ景色に名残を留めている。

富士の湯の女将さんも、昭和38年この地に嫁いできた時、その華やかな街並みに驚いたと話してくれた。同湯には、黒湯温泉(横浜温泉35号)があるけど、この黒湯はそんな綱島の正統的な歴史を持つものだ。

さて、まずは駅から遠い「草津湯」を偵察。横浜市浴場組合の銭湯マップ(2006年)には掲載されているもののHPに掲載されていないので、最近廃業してしまったのかと気になっていた。向かいも横もスーパーいなげやの駐車場という危なっかしいロケーション。辛くも踏み止まっているという感じの伝統的木造銭湯だった。「おふろやさん/草津湯」という白地の暖簾が掛っていて、サウナもある銭湯のようだ。近いうちに出直そうと思う。

さて富士の湯。昭和28年創業、52年に建て替えられた、かなり大きなビル銭湯。1、2階が吹き抜けで銭湯部分、3階が綱島卓球センターという構成だ。女将さんは、先見の明がなかったかなと、時代に取り残され今となってはオーバースペックの設備を悔やんでいる。

今日は雨降りなので、傘立てに傘を預けて後フロントで450円を払う。さらにサウナ代プラス100円で下足錠と引き換えにプラスチックの引っかけキーを受け取る。

脱衣所は幅4間、奥行き3間ほど。天井は高く、壁の梁や天井の渡し材は、みごとな物が使われている。鈴和建設の施工なので、張りものなんだろうけど立派ではある。

壁や天井には落ち着いた和風の柄のクロスが使われている。さらに、入口方の上部の側壁には和服をまとった4、5人の美人画、浴室との仕切りガラスには摺りガラスで東郷青児風の裸婦像が描かれている。明るくて、広くて、ゴージャス。そんな脱衣所だ。

さらに、別途、リクライナーとテレビが置かれた休憩室があって、北京オリンピックのシンクロナイズドスイミングを観ながら、こんな雑文を書いていたりの休憩ができる。

浴室も4間四方で天井高が3間ほど。これまたでかい。島カランは十分な余裕をもって2列設置されている。これとは別に、サウナ室、水風呂、裸で使える浴室内休憩室が外壁の外側に増設されている。本当に大きな銭湯だ。そして清潔。

浴槽は奥壁にセンターから黒湯、1穴スーパージェット×2、寝湯×2、電気、コーナーに岩風呂風の焚出し口がある主浴槽というラインナップ。黒湯が42度強で、残りはパイプで仕切られているだけなので全て41度程度とややぬるめ。黒湯は濁りがないさらっとしたもの。濃度は漆黒とはいわないまでも、そこそこの黒さがある。

サウナは、1段が幅広いスペースを持つ2段型で7、8人は入れる大型。敷物も丁寧に整備されていて、テレビのチャンネルも各自で操作できる仕組みになっている。水風呂は、3人が入れる大きさで、20度ほどと冷た過ぎずの丁度いい温度。今日は10月中旬頃の涼しさだけど、夏の水風は何とも気持ちのいいのもだ。

ここ1カ月ほど、風邪のウィルスが身体から出ていってくれず、やや不快な感じで過ごしている。今朝いただいた葛根湯だけでなく、サウナと水風呂を往復して徐々に身体を温め、体調を調えることにする。

浴室のビジュアルも脱衣所に負けていない。超大型の奥壁は、浴槽の立ち上がり部分にはタイル絵の鯉ならず、水槽が横一列に仕組んであって大型の金魚が泳いでいる。鯉のタイル絵は、12カ月の毎月とも客が来い(鯉)と多くても12匹程度までだけど、同湯はさに非ず。たくさんの金魚がまったりと泳いでいる。その上には巨大なタイル絵。男女境の上には屋号の富士山がシンボリックに描かれている。地震時が怖いからと撤去する向きもあるけど、巨大なタイル絵はやはり見応えがある。

そして、摺りガラスの絵は脱衣所との境だけでなく、外壁側の水風呂&休憩所とのとの境にもある。外壁側にこのガラス絵があるのは初めての遭遇だ。

上がりは脱衣所の自販機でエビスビール。サッポロ黒ラベルや氷結なども入っている。大型の液晶テレビではシンクロ団体が映されている。過酷な競技で、駅伝と同様に自分がブレーキになってはいけないという思いもあるのだろう。日本チームの一人が気絶していた。気絶するほどまでに身体を追い込んで行く。恐ろしい競技だ。

土曜日の15:40から17:00に滞在。相客は20数人といったところか。混雑感はないけど、地元客に支持されているいい銭湯だった。

帰りは、駅前の「綱島ラヂウム温泉/東京園」を眺めてから下北沢へ。綱島ラヂウム温泉は15年程前に入浴している。黒湯の濃さと爺ばかりだった印象が残っている。下済み時代の三橋美智也が住み込みで薪をくべていたという。ご同僚だった方に伺ったことがある。1時間以内の入浴であれば銭湯料金の450円で利用できる。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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草津湯


綱島ラヂウム温泉・東京園


温泉街の中心地だった辺り。面影は全く残っていない。