差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年12月3日木曜日 0:01
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件名: 藤の湯(蕨市中央)

ナカムラです。

今日(11/28)は、「藤の湯(蕨市中央)」に行ってきました。 蕨駅(京浜東北線)から、0.7キロ、8分くらいです。

朝食を済ませてから、内科、整形外科、散髪屋と経由して大宮に買い物に出る。それぞれ、サ ービスを受ける先が定まってきた。

内科は、いつ行っても閑散としている、おじいさん先生にした。かかりつけの医者は、ゆっく りと話ができる先生がいい。今日も暇だからか、20分くらい丁寧に諸々教えてくれる。

家の向かいは、歴史ある整形外科。2代目先生は笑ってしまうくらい口が悪い。3代目の娘も 医者という。血統は悪くない。今後の関わりあいが楽しみか。。。

さて、藤の湯。買い物からの帰路に蕨駅で途中下車。レトロな駅前通り商店街を旧中山道の方 に進んで行く。先日、隣湯の朝日湯を訪れているので勝手知ったる道だ。

商店街を少し折れて、暫く進めば、飛び石のように正方形の敷石を並べたアプローチの奥に同 湯はある。黒瓦の脱衣所棟に、平入りで、やはり黒瓦千鳥破風のエントランスが有る。

奥から、整った銀色の油井型の煙突、黒瓦の脱衣所棟と千鳥破風のエントランスが並ぶ姿は優 美だ。入口には関西銭湯のように、2房の丈の長い暖簾が掛けられている。

入口を入れば、正面に傘を突き差す式の傘入れ、左右に旧型さくらの下足箱。天井は平格天井。 ここからしてなかなかの雰囲気を持つ銭湯だと感じる。

番台は木組のどっしりとしたもの。相方が2人分820円の風呂銭を差し出す。番台中は、女 将とその孫だろうか、少しの窮屈さも無い感じで収まっている。微笑ましくも自然な感じ。し かし、ゲームなのか、2人とも別々の液晶モニターを見て、何やら操作しているのが現代風で もある。

3間四方の広さで折上げ格天井の脱衣所。すべてが焦げ茶色の激渋ワールドが広がる。ただ、 番台の前方には、脱衣所から奥への視界を遮る暖簾、横にはアコーディオンカーテンが取り付 けられている。「フロント」化への簡素な改装ながら、それぞれの骨組があって、内部の様式的 な調和を少し乱している。

ロッカーは、島ロッカーが縦置きに1つ。外壁側にもロッカーがある。使っている人は居なか ったものの脱衣籠も積まれている。その他、「keihoku hakari」とあるアナログ体重計、内部が 電池時計に入れ替わっている黒柱時計 、かなり古い「大入」の飾り額などがある。

入口方向、古い建具の硝子戸の向こうに前庭がある。縁側より広い床があって、テラスのよう に使っていたこともあるようだ。今は崩れかけた石灯籠と廃油のドラム缶が無造作に数本並ぶ。 廃油の臭いも漂っている。少々、荒廃が進んでしまったようだ。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。天井は2段型で、白に淡いブルーのペンキ塗り。湾曲した1 間半幅の優美なウィングとともに高く広い空間がある。

島カランは1列で、カラン数はセンターから6・5・5・5。タイル類は全てが更新されてい て古い物はない。床のタイルがアイボリーとベージュの鱗状のタイルが交互に使われていた。 足触りがよく、珍しいものだ。

風呂は、奥壁に接するかたちで深浅2浴槽。主浴槽が3穴ジェット×2で42度強程度。深槽 はバイブラで43度くらい。同湯のアプローチには、廃油のドラム缶を積んだトラックが止ま っている。それが全てでは無いのだろうけど、廃油と、薪か重油が燃料なのだろう。

ビジュアルは、奥壁に中島さんの富士山が男女境にある。銘はなく日付は17.6.30。3年以上 経過しているものの、さほどのくすみはない。さらに、男女境にはモザイクタイルが広がる。 白樺・洋館・川といった絵柄ものありふれたものだ。

釜場への戸がさりげなく主張している銭湯がある。同湯の木戸も恐らくオリジナル。昭和18 年創業。はっきりと確認ができず、その後の改築か、あるいは中普請のみか判断できなかった。 この釜場の木戸は、恐らくこの銭湯の中で一番古い。同湯の歴史を示しているとともに、隣に 位置するペンキ絵とも合っている。

土曜日の18:35から19:20に滞在。夕食前の混雑時。相客は10人ほどとまずまずの入りだ った。

いい銭湯ではあるが、廃油臭が漂う前庭、かなり違和感がある番台周りの視界を遮る粗雑な設 備。なんかくつろげない感覚が残った。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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