差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年8月13日土曜日 14:34
宛先: 銭湯ML
件名: 八幡湯(品川区西中延)

ナカムラです。

今日(8/12)は、「八幡湯(品川区西中延)」に行ってきました。
中延駅からアプローチして、0.5キロ、5分くらいです。

駅のすぐ近くには「松の湯(戸越)」があり、八幡湯の途中にも「金春湯(中延)」がある。
松の湯は庭付きの露天風呂がある名湯だし、金春湯もマンション銭湯ながら独特の外観をしていて客の出入も多いようだった。
付近に古くからの大衆食堂や商店など、なかなか面白そうな街並みが広がっている。

さて八幡湯。マンションの半地下1階に入るマンション銭湯。建物後方に四角いコンクリ煙突が載っているのが微かに見える。
入口上には「八幡温泉」。黄緑色の透明アクリル板の扉が付いた下足箱の錠は、小さな松竹板鍵。

半地下のフロントへの階段の脇に、温泉分析票が額装されて架かっている。
平成1年のもの。湧出量が495L/毎分とかなりなもの。

フロントではオヤジがPCのモニターを見ていた。
22:15なので400円のみを渡すが、サウナはプラス300円のようだ。
「みどり湯(西大井)」が無料であることからすれば、少し高いかなという感じがする。小生としては200円くらいが受け入れ易い価格かなと感じている。

脱衣所は3間四方。天井の高さは2間弱。
水風呂やフロント部が中に食い込んでるけど、島ロッカーもないので、圧迫感はなくやや広い印象もある。

ロッカーは、外壁と入り口方に45個程度と数を抑えている。
客の要請か、はたまた店主のこだわりか。マン銭ながら、3つほど脱衣籠がロッカーの上に置かれていた。
籠はアメ色に艶がある現役。それに呼応するように、「床のニスがはがれるので籠で床を叩かないで」という貼り紙があった。

3つの籠のための貼り紙か・・・。
脱衣籠は、客の要請か、はたまた店主のこだわりか・・・。

浴室は、幅3間、奥行4間半。天井はプラ板張り。センターから外壁側に高くなり、最高部で2間弱の高さ。
広くて、明るくて、清潔度の高い浴室との印象を受ける。
サウナ室が男女境にあるのが珍しい。客は多いけど、誰も入っていなかった。生活系銭湯派はタダでもあまり入らないからなぁ・・・。

島カランは1列で、カラン数は、センターから5・7・7・9。カランは日の丸扇の刻印のある角型で、ピンク色の六角形の取っ手がついている。
シャワーもパステル調の3色が交互に設置されている。

浴槽は、奥壁側に3槽。入口方脱衣所に食い込むかたちで水風呂が設えられている。
外壁側が湯気をこ篭らせた2人用の個室風呂。ウーロン茶程度の濃さの黒湯で42度くらい。黒湯独特の匂いはない。
入口には「綱島温泉様式(ビール色)」と書かれた看板。

変っているのは、3つのノズルが付いていて、湯気だけでなく霧を付させたミストサウナ的な空間にしていること。
ビジュアルも主浴槽とは独立させて、奥壁には紅白梅に止まる鶯。外壁が竹林と松の木と旧来の絵付け手法のタイル絵で囲んだ贅沢な空間になっている。
おまけに、鶯、ホトトギスなどの鳴き声がスピーカーから流れている。

主浴槽は、幕の内弁当様式で、寝風呂、ミクロバイブラ、電気風呂、座ジェット×2。後方には小さな瀧のようなところから湯が落とされている。
入ってすぐに独特の湯質を実感する。井戸と水道を半々に混合したもので、さらに炭酸泉かなという滑らかなお湯。
(確認したら、炭酸泉ではないとのことだった。)

ビジュアルは、貼り絵調のチップタイル絵。葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖 裏波」。
大波がくずれ砕けて、襲い掛かる寸前をカメラに収めたような奇抜な構図、その波間に小さな富士山が描かれている。
「記念湯(横浜市西区戸部)」にも同様のものがあったけど、それに比べ、同湯のものはかなり大味な造りではある。

上がりは風見飲料のラムネ。70円という格安の価格で売られていた。

帰りは雷雨寸前に荏原町駅に滑り込む。
あれっ・・・。味のある木造駅舎が何の変哲もないタイル張りの駅舎に改築されている。小さな駅前広場も大きく削られている。
昭和初期の木造駅舎。
保存する意義は難しいけど、街の顔がすげ替えられて、なんか寂しい気がした。




東急大井町線・中延駅





松の湯


金春湯


大衆食堂


東急大井町線・荏原町駅