差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2008年2月16日土曜日 2:05
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 萩の湯(台東区根岸)

ナカムラです。

今日(2/15)は、「萩の湯(台東区根岸)」に行ってきました。鴬谷駅(山の手線)から、0.4キロ、4分くらいです。

まずは、レトロな居酒屋の「鍵屋」に行く。普通は風呂に入ってから呑むけど、ここは早く仕舞ってしまうので先に行く。オリジナルの店舗(1856年(安政3)築の酒屋建物)は道路の拡幅で江戸東京博物館の小金井分館に移築されている。現在の鍵屋はレプリカなのだけど、古い民家で展開されているので臨場感は十分だ。

暖簾を潜ると「銭湯といえば足立」の編集人のF女史に遭遇する。おそらく小生と同年代の方。手弁当で町雑誌「千住」なども手掛けていらっしゃるハスキーヴォイスの素敵な女性だ。

金曜日のいい時間なのでカウンターも小上がりもほぼ塞がっている。運よくカウンターの一席に潜り込むことができた。

燗酒2本と煮こごり、湯豆腐、鳥皮焼き2串で2430円だった。名店なので大衆酒場よりも少しだけ高い。でもこの雰囲気は稀有のもの。ほとんどの人がわざわざやって来ているんだろうと思う。

小生の隣に若い2人連れが座っていた。大学を出て7年が過ぎた。同じ大学の同窓で1年ぶりに逢って酒を酌み交わしている。一見して確かな二人。懸命に日々を過ごしているんだろうという風貌だ。

男は、仕事でのロマンを淡々切々と話している。相方も時折言葉を挟みながら静かに聞いている。女には付き合っている別の男がいる。そんな感じがする。しかし、だんだんと男らしい旧友に惹かれて行く。男が夢を語るということは女を口説くことかも知れない。どういう結末になるのか分らない。しかし、こんな危うくも熱い関係が羨ましかった。

小生にも、「鍵屋」ではなかったけど、忘れてしまうようなはるか過去に似たようなことがあったような気がする。

さて、豆腐料理の有名店「笹乃雪」を過ぎて萩の湯へ。鴬谷のラブホテル街と接するビル銭湯だ。通りには同湯へ赴く人とホテルへ向かう人が交錯する。銭湯は2階。3階には「サウナ根岸」の表示があるものの行くとその存在はなかった。

松竹錠の下足箱にちびた靴を入れてカウンターで430円プラスサウナ代200円を払う。後ろにはタオルが積んであるものの200円にタオルは付かないようだ。

脱衣場は幅3間。奥行き2間半ほど。古いビル銭湯につき天井はそこそこ高い。松竹しリンダー錠のロッカーのほか、表示板が膝の高さのMORIYAのアナログ体重計、旧型マッサージ機などがある。

浴室は幅3間で奥行は4間。天井は最高部が2間と1/3カマボコ型。島カランは2列で奥壁に接して浴槽が2槽ある。1つは宝寿湯のぬる湯で、主浴槽は42度強のバイブラ、2穴ジェット、寝湯×2。サウナは10人位入れる大型のもので静かに演歌が流れている。水風呂も20度くらいの飲んだ後としてちょうどいい冷え具合だ。

ビジュアルは奥壁には既製品のモザイクタイル絵。男女境には絵付けのタイル絵。日光の華厳の滝、中禅寺湖、東照宮陽明門そして神橋と続く絵巻になっている。落款もなく、そして古いものではないけど、なかなかのタイル絵だ。

帰りの電車を気にしながら小一時間を過ごしたかな。上がりはビールがないのでパス。そして「1010」90号をゲット。表紙絵は、4年続いたなかだえり氏の最終回のイラスト。北千住・梅の湯の女将と彼女自身が登場している。

金曜日の22:00過ぎ、ホテルに投宿するいろんなカップルとすれ違いながら鶯谷駅へ。少し飲み足りなかったので東京駅で「氷結」のロング缶とミクスナッツを調達。飲みながら帰って、さらに帰ってアベラウアーを舐めながらこれを書いている・・・。少し飲み過ぎかも知れない。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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鍵屋





鴬谷


鴬谷駅