差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年7月4日水曜日 23:14
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 白山浴場(文京区白山)

ナカムラです。

今日(6/22)は、「白山浴場(文京区白山)」に行ってきました。 春日駅(都営三田線他)から、1.0キロ、10分くらいです。

19:30くらいに会社をズラかり、都営三田線の春日駅で下車。小石川植物園至近の白山浴場へ。明 治時代の地図を見ると、現在の表通り、都道436(小石川巣鴨線)がまだ谷端川(小石川)で、同 湯の前の通りが元々からの旧道のようだ。

付近は防犯意識が高いようで、時代劇に出てきそうな提灯がそっちこっちに下がり、”防犯””戸崎 町”など、旧町名が記されている。同湯のあるのは小石川の隣に位置する旧戸崎町。近くに細川家 の屋敷を経て、日立製作所の迎賓館となっている「白山閣」などがある。

今朝の新聞に、日立製作所がリトアニアから原子力発電所を受注した記事があった。折しも首相官 邸前に、18:00からのデモに3万人の群衆が集まっているという。頭上ではヘリコプターが旋回し ている。この受注は、日立によるファイナンスがセットだという噂がある。それが事実であれば、 自腹で原発を建設・所有し、それを相手にリースするのと同義。日立は米・ゼネラルエレクトリッ クと組み福島の事故と同型の沸騰水型の原発を製造している。ある意味、仏・アレバ社や米・ウェ スチングハウス社が売り込む加圧型水型に比べ、営業的には風向きが悪い。”戦略的な受注”といえ ばそうなんだろうけど、いろんな思惑と矛盾をはらんでいる感じがする。

図らずも地図を読み違えて、小石川の夜の町歩き。予定よりも少し遅れて白山浴場の前に立つ。広 い道幅がありながら、クルマの通りは少なく静か。向かいには「パイン」という古い喫茶店。そこ に、3階建てのマンション下駄ばき銭湯がある。新しくはない「白山ハイツ」というビルだけど、 コインランドリーを含めて丁寧に清掃・維持されていると感じる。印象も明るい。

同湯の入口は建物の中央。恐らく手作りのもの。関西風の大きな暖簾が下がっている。銭湯は階段 数段を下った半地下にある。小さな靴脱ぎには古いTOKYO錠の傘立てと、予想外の旧型さくら錠の 下足箱だ。雨の予報でもあったので雨靴を放り込んだ。

ロビースペースは小さい。元々は番台の銭湯だったのだろう。エントランスを改造してそのスペー スを捻出したようだ。創業年を聞けば、よく分からないとのことだった。しかし、現在三代目。少 なくとも創業年は明治期ということだった。

脱衣所に進むと、3間四方の空間。天井高は2間弱はあるので圧迫感はない。ロッカーは外壁側と 入口の衝立と背中合わせににSakura-3錠のもの。背もたれのあるソファと、ソファ地で幅広の縁台 がある。その他、マッサージ機、ゴツく大型のTANAKAのアナログ体重計があるくらい。マッサージ 機の上には、半地下なので、床から1.5メートルの高さに”高所ドア”の非常口がある。非常口だ けど、階段などがない”高所ドア”なので、高齢者は登れないだろう。。。

経験的な話で根拠もないけど、半地下構造のビル銭湯はいい銭湯が多い印象を持っている。最小限 の設備しか置かれていないけど、清掃はきっちりしている。浴室を含め、全体を眺めて、いい銭湯 だと直感する。

浴室の広さは、幅3間、奥行4間。天井は男女別々に緩い円弧を描くカマボコ型で茶色のプラ板が 張られている。高さは最高部で2間ほど。床のタイルは4枚1組で正方形の模様を構成する鈍くパ ール色を放つものが使われている。男女境に、パール色のタイル張りの太い円柱の柱があるのもア クセントになっている。さらに照明が凝っていて、直径が30センチはある白い球が3つから成るも のが2機ぶら下がっている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから3・5・5・5。島カランに座っていても半地下のこの浴 室に外気の心地いい風が流れている。風呂のバイブラやジェットの音があるので静寂という訳では ないけど、それ意外の音はない。静かな浴室だ。

浴槽は、奥壁に沿って8点座ジェット×1、バイブラ、ブルーレットのような青い薬湯。湯温は何れ も42度弱くらい。温めのお湯に浸かっては島カランまで戻って風に当った身体を冷ます。そんなこ とをこの静寂な浴室で繰り返す。

会社の通勤経路での途中下車。さっきまで会社で、ある意味カッカして仕事をしていたのが、何よ りのクールダウンになる。

ビジュアルは奥壁に切り絵調のモザイクタイルによるデザイン。一面にクジャクの羽が風で舞って いるような図。それを濃淡の3色の紫色と白の、計4色でデザインしている。少し、時代がズレて しまったけど、天井のデザイン、照明器などとはマッチしている。

金曜日の20:30から21:15に滞在。相客は3人ほど。清潔でいいお湯。なんとも寛ぐことができ るいい銭湯だった。

帰りは1キロくらい北上して白山駅まで。上がりの一杯は、松屋の牛皿200円とスパードライの中 瓶420円。吉野屋や松屋でビールを飲んでいる輩はほとんど見かけないけど、ビールだけでなくグ ラスもキンキンに冷えたものが出される。温度管理もいいせいか居酒屋などで飲むよりも美味しい と感じることが多い。銭湯&松屋。今日もチープで極楽。そして、値段だけでは測れない、上質な 寛ぎがあった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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