差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年4月15日木曜日 21:42
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 白山湯(仙台市若林区荒町)

ナカムラです。

今日(4/11)は、「白山湯(仙台市若林区荒町)」に行ってきました。 仙台駅(東北本線)から、1.2キロ、15分くらいです。

仙台市の南にある太白区・長町での急な用事を済ませて、帰路仙台駅に向かう途中、荒町とい うところで降ろしてもらう。所々だけど、古い商店の建物も残っている。昔からの商店街とい う感じがする。

同湯と表通りの間には別棟の焼き鳥屋があって、同湯の建物は波板屋根が架かったガレージ風 のスペースの奥にある。通りには蛍光灯を仕組んだ看板があるものの、入口は暗くやや分かり にくい。屋根の上には細くて華奢なパイプの煙突が見える。

ファッサードはモルタルの平面的なもの。小型の地方銭湯なのでエントランス専用の小屋根な どもない。小さなひさしと、中央に下がる暖簾の両サイドに手前に引く式のアルミのドアだけ がある。

かなり手が入っているものの築80年を超す戦前からの建物を引き継いでいる。入口の傍らには コンクリの蓋が載る井戸があって、地方銭湯としての雰囲気を盛り上げている。この井戸なの だろうか、同湯では今も井戸水を沸かしている。

ドアをあければ、半間幅のコンクリのタタキに番台。外壁側には、やはり幅が狭い木製の下足 箱がある。

番台には80歳は近いだろうか、マスクをした爺が座っている。連れが2人分の800円の風呂銭 を払う。黒の礼服で、連れ立って銭湯にやってくる客はそうはいないだろう。思い返せば、結 婚式や仏事の前後にも風呂にやってきた。水引を番台に預けたこともあるなぁ。。。

脱衣所を見渡し、直ぐに古い銭湯だと分かる。脱衣所の広さは、タタキのスペースを入れて幅 2間、奥行き3間ほど。高さ2間ほどのライトグリーンに塗られた押し縁の天井はかなり波打っ ている。男女境も段違いに板を並べた、大昔の塀のようだ。

壁と床は趣がない新建材に置き変わっている。外壁側にあるロッカーはスチール製のもので、 いわゆる銭湯用途ではない。そんなわけで、イニシエの空間ではあるものの、郷愁空間とは少 しばかり距離がある。

さほど広くない天井に天井扇が大きく見える。アナログ体重計は日本度量衡製。その他、脱衣 籠や故障して久しい感じの洗濯機などがある。

浴室は、幅2間奥行3間。緩やかな船底天井に2間×1間程度の大きな湯気抜き。その湯気抜き の奥には、湯気を逃がす小屋根が架かっている。内部はプラ板張りながら構造は古い感じのも のだ。

センターの島カランはなく、カランは両サイドに7機ずつ。タイル類はすべて更新されて古い ものはないものの、カランの下にある洗い湯を流す溝がないなど、洗い場の構造は昔ながらだ。

浴槽は、奥壁に接した1槽のみ。釜場への扉といったものはないので浴室の幅がフルに浴槽の 幅になっている。浴槽の縁が山口・錦帯橋のように3連のアーチ型になっている。真ん中のア ーチを跨いで入ったけど、深くてつんのめりそうになる。正面には獅子型の湯吐口。左右がや や浅くなっていて、バイブラ(非稼働)と3穴ジェットになっている。

湯温は41度くらいと少し温すぎる温度。しかし、焚出口のお湯の温度はもっと高い。過温中だ ったのかも知れない。浴槽内部の鉱物系の析出物から井戸水であることが分かる。燃料は重油 というけど、柔らかくていいお湯だ。

小さな脱衣所に不釣り合いの自販機があるものの時間がないのでパス。予約していた「はやて」 の発車時刻が迫っていたので駅へ急いだ。

本当はゆっくりしたい田舎銭湯だったけど、石鹸箱に入れた腕時計を確認しながらの慌ただし い入浴だった。しかし、スケジュール的には諦めていた銭湯に入ることができた。そして、振 り返ると宮城県で初めて入った銭湯だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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