差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年6月11日土曜日 12:56
宛先: 銭湯ML
件名: 走り湯 浜浴場(熱海市伊豆山)

ナカムラです。

今日(6/4)は、「走り湯浜浴場(熱海市伊豆山)」に行ってきました。

第一目的地は、「般若院浴場(熱海市岸谷)」。熱海駅からバスで山側を上がって行く。
「般若院前」で降りるとパワーショベル2台が動いている。後ろには温泉の櫓が・・・。
少し遅かった。般若院浴場は4月7日の営業で終了して、地主である般若院に土地を更地にして返すために解体作業中だった。

設備が壊れ、更新費用が約5百万円。設備寿命は4年しかなく、少ない利用者のなか管理人を置いての経営は成り立たない。
赤字続きで、経営主体の伊豆山観光事業協同組合は存続を断念した。

仕方がないので、急坂を下って、「走り湯浜浴場(熱海市伊豆山)」へ向かう。
東京から約100キロだけど、山から海へ落ちる斜面には、懐かしい田舎の風情がある。

坂を降り切ると、伊豆山温泉。
熱海に至近だけど、趣きはだいぶ違う。静かな感じの小さな温泉場。
国道沿いに、昭和44年築の浜会館というビルがあり、「走り湯浜浴場」はその一階に入っている。
古くからの共同浴場で、もとは、ずっと下の文字通り海岸近くにあった。

ビル銭風。下足棚に靴を預け戸を開けると、番台がある。
男湯側に番台へ入る2段ほどの階段と入口がある。そして、女湯側に仕切り(目隠し)があるもの。
熱海の上宿新宿共同浴場でも同じような番台があった。

脱衣所は幅2間、奥行1間と小さく、天井も普通の住宅くらい。
天井には3枚羽根の天井扇。木製のロッカーもある。

浴室は、幅2間、奥行1間半ほど。
床のタイルはピンク色の丸タイル。清潔に磨き込まれていて、清清しい。
カランは、外壁側に3と、反対側に2。

浴槽は、奥壁に接して、旧熱海町の共同浴場の規格らしい、小さな浴槽が2つ並んでいる。
双方ともに源泉が投入された掛け流し。
一方に「ぬるま湯」と書かれていて、43度くらい。もう一方は、恐らく45度以上。入らなかった。

泉質は「カルシウム・ナトリウム−塩化物温泉」で、泉温は68度。緑がかってほんの少し粘度がある感じ。
舐めてみると、苦味が強烈で、塩分もそこそこあるはずだけど、そのせいで知覚できなかった。
同湯の源泉は、1日に2回、2〜3時間かけてポンプアップ。それを分湯器で付近の6軒の旅館と分けあっているという。
温泉旅館は、そんな源泉を複数持って、大浴場を維持している。

塩分の多い温泉は余り好きではなかったけど、熱海の共同浴場でいくつか本物の温泉を経験して、その考え方は変った。
同湯は清潔だし、湯もいい。
付近の雰囲気も悪くない。いい共同浴場だった。