差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年9月21日土曜日 10:34
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 平和湯(杉並区阿佐ヶ谷北)

ナカムラです。

今日(7/26)は、「平和湯(杉並区阿佐ヶ谷北)」に行ってきました。 阿佐ヶ谷駅(中央本線)から、1.3キロ、15分くらいです。

金曜日、会社を早々にズラかって、東京駅から中央線で阿佐ヶ谷駅へ。旧中杉通り沿いの玉の湯の 前を通り、さらに北上する。早稲田通りに交差する辺りになると住宅地にコンクリの煙突が見える。

昭和3年創業の旧重の湯。このコンクリ煙突のみ創業以来のものという。重の湯は、戦時中の休業 を経て、現経営者の手に渡った昭和24年頃に平和湯として再開している。平和湯は数多くあるけど、 平和ではない時代が終わり、平和を願う。多くはそんな由来なんだろうなぁ。

長い花道の奥に、一見、3階建てのビル銭に見えるけど、実は昭和38年築の伝統的木造銭湯。後に 高い天井の脱衣所に2階を増築したので、目を凝らして見てもビル銭に見える。夏なので開いた窓 から増築部の部屋の天井が見える。古い押縁の天井からすると、昭和38年の改築からさほど経たな いうちに増築がなされたようだ。

伝統的なエントランスが撤去され、ロビースペースとコインランドリーからなるモルタルの直方体 の建物に変わっている。暖簾を潜れば、傘を立てて入れる方式のロッカーと松竹錠の下足箱。

さらに進めばやや雑然としたロビーにフロントがあって、白髪の大女将が詰めている。同湯の由来 にも関心を持っているようで、小生の仕様もない質問に、聡明な感じで的確な回答が返ってくる。

サウナはプラス200円。下足札と引き替えにサウナ室の引っかけキーと黄色のバスタオルが手渡さ れる。設備は女湯にもあるようだけど、サウナの営業は男湯だけのようだ。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行3間ほど。サウナ室がフルに食い込んでいるのと、フロント部の出 っ張りがあるので、実際のスペースはかなり変則的になっている。

見上げれば天井が高い伝統的な脱衣所。梁と天井の独特のデザインからこの大々的な中普請は鈴和 建設によるものだと分かる。天井の中心には、鈴和の十八番、円形に描かれた鳳凰の絵がはめ込ま れている。

ロッカーは、外壁側と入口方の壁に松竹錠シリンダ式のものが置かれている。その他、旧型のマッ サージ機、飲料の自販機、血圧測定機、朱書きで”Hokutow”と記されたアナログ体重計が置かれて いる。

浴室の広さは、幅3間、奥行4間ほど。天井は木板にペンキ塗りの2段型。ペンキにくすみが無い ほか、浴室全体の清潔度が高く気持ちがいい。島カランは1列で、カラン数はセンターから5・5・ 5・4。浴室のタイルは四角いタイルに円形が描かれた4枚1組のものだけど、”ネガ”と”ポジ”の 2つの図案が組み合わされて張られている。初めて見るものかも知れない。

浴槽は、奥壁から外壁に沿ってL字型に並ぶ。センターから”クール”とある薬湯42.5度。水枕付 の7点座ジェット×2、バイブラの主浴槽42度。浴槽傍らの外壁は木板にペンキ塗りという古風な 造りで、整形美容、質屋、医院のアクリル看板が残っている。

サウナ室はどってことのないものだけど、脱衣所と同様、演歌が流れているのがいい。

ビジュアルは、2010.8.30.と日付のみ記されている中島さんの富士山のペンキ絵がある。かなり色 褪せているけど、脱衣所に足を踏み入れた時、硝子越しなのに先ず目が惹き込まれた秀麗ないい富 士山の絵だ。なお、女湯には”なかじま”と極めてレアな平仮名のサインがあるらしい。

金曜日の19:40から20:30に滞在。相客は7,8人くらい。ロケーションも建物の構造もちょっと変 わっている。雑然としたロビーとシンプルで明るく清潔な浴室は、何となくバランスを欠いている。 いろんな方向の印象を感じさせられる銭湯だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                                     隣湯の玉の湯




                                     玉の湯

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