差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年2月5日火曜日 22:45
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 東野湯(京都市山科区東野百拍子町)

ナカムラです。

今日(12/26)は、「東野湯(京都市山科区東野百拍子町)」に行ってきました。 東野駅(市営地下鉄東西線)から、0.6キロ、7分くらいです。

広島から京都に着くと、霰のような雪が吹雪いていた。相方が旧五條楽園傍らの開化堂の茶筒を求 めるので、ついでに京都の五條楽園を散策する。つい最近まで現役の色町で、昼間から繋ぎ団子の お茶屋の提灯が点っていた。今、その面影はない。ただ、建物の大半は往時のままで、大きな歌舞 練場はもとより、唐破風の入口を持つ戦前からの伝統的な遊廓の遺構や、タイルで装飾されたカフ ェー建築がいくつも残っている。

7泊8日の冬のツアー。京都が最終地。最後、7つ目に選んだ銭湯は、南山科の東野湯。一保堂でお 茶を頂いた後、京都市役所前駅から市営地下鉄東西線で大津方面への電車に乗って行く。当初、大 津の御幸湯を第一目的地にしていたけど、今日、水曜日は、生憎定休日のようだ。

夕方、バイパスが渋滞しているので、同湯が面している旧道も車の通行が多い。

左側に母屋を擁する渋茶色の2階建ての建物。正面エントランスの屋根を穿つ立木が異彩を放つ。

暖簾を潜れば、屋根を貫く立木を避けるように男女湯への入口扉がハの字型に設置されている。扉 を開ければおしどり錠の下足箱。番台への扉がもう1つある。

さらに扉を開ければ、元々はたたきだったのだろうか、新建材が張ってある前面がカーブした番台 の傍らが半間四方だけ、他の部分よりも少し低くなっている。京都の銭湯料金は410円。相方が、 向こうに居る女将に手渡す。

脱衣所の広さは、幅2間半、奥行4間ほど。天井は、高さ2間ほどの平格天井。床に籐を敷いた広 い空間がある。

戦後に経営を引き継いだので、建物の詳しいことは分からないという。しかし、男湯と女湯の脱衣 所に、右書きで「東野温泉/昭和四年橋本氏創業」と墨書された額がそれぞれ掛かっている。昭和初 期の古い建物が、今に引継がれているのは間違いないだろう。

ロッカーは、外壁側、2階へ昇る階段の下に、大日之出錠の木製のロッカー。籐の脱衣籠が入って いて、扉にはモール硝子が使われている。

その他、石田のアナログ体重計、旧型マッサージ機、飲料の冷蔵庫だけでなく、アイスクリームの 冷凍庫もある。

浴室へは、流しが置かれたタイル張りの緩衝地帯を経てアクセスする。広さは、幅2間半、奥行3 間ほど。天井は緩く円弧を描く木板張りのカマボコ型で、中央に湯気抜きがある。

カランはセンターに6、外壁側に7。カラン台にはレンガ色のタイル。床はモスグリーンとベージュ 色の中判のものが市松模様に敷かれている。

同湯は、浴室に椅子が置かれていない希有な銭湯。名駅の桜湯(廃業)は椅子が無かった。他にも あったかなぁ。。。前回がどこだったか思い出せないくらい久し振り。女湯はそうでもないらしいけ ど、男湯に椅子がないのはかなり珍しい。

浴槽は、奥壁中央を起点に、花道のように2間ほど伸びる縦長の浴槽。奥が浅槽で、2穴ジェット ×2、42度くらい。手前が深槽で、やはり42度くらい。湯は円やかですっきり。清澄極まりない紛 れもない京都の湯。しかし、水風呂はなく、緩衝地帯に張り出した小さなスペースにノズル4個の ボディーシャワーがある。

上がりは瓶牛乳110円。番台は大将に替わっている。

木曜日の17:25から18:15に滞在。相客は3人ほど。浴室では終始小生1人だけだったので、さっ と入って脱衣所で歓談している時間が大半といった相客ばかりだった。

上がりの一杯は、三条京阪駅から繁華街を歩くも、ピンと来る店が見付けられず、毎度々々の三条 の”アンデパンダン”に入った。

店の奥がドアを隔てただけで中古レコード屋になっているのを初めて知る。店仕舞いとともに、ア ンデパンダンから料理を持ち込み夕飯を楽しんでいる。今度は、閉まらないうちに古いレコードを 見なければならない。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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              三条の大衆食堂「力餅」。京都に行くと時折訪れている。




                       三条の一保堂でお茶を頂く。



              三条・アンデパンダン