差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年2月20日土曜日 6:19
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 日の出湯(京都市南区西九条唐橋町)

ナカムラです。

今日(2/13)は、「日の出湯(京都市南区西九条唐橋町)」に行ってきました。 東寺駅(近鉄京都線)から、0.2キロ、2分くらいです。

伏見の洋風のファッサードを持つ「宝湯」で京都遠征を締め括ろうと電話をするが定休日だっ た。

急遽、東寺の「日の出湯」に進路を変更する。京都特有の碁盤の目の通りには面していなくて、 細道を少し入ったところにある。

お向かいは美容院、隣に理髪店だけの奥まった所に銭湯がある。しかし、一見、三層の楼閣と も思える高さと間口の広さがある。木造銭湯としては京都随一の大きさという。以前は前庭が 有ったのか、細い通りと建物の間にコンクリで埋められた、やや殺風景な広がりがある。

路地の入口に小さな看板があっただけで、建物に何らの表示はない。ただ暖簾が下がるばかり。 その暖簾をかき分ければ奥行き1間程もの広いたたきがあって、その奥に籐敷きの長い脱衣所 空間が広がっている。

さぞ立派な番台があったと想像されるものの、番台は取り払われ、その場所には空調機が置か れている。手前の冷蔵庫の上に板を渡し、そこが実質的な「番台」になっている。

この建物は昭和3年の建築。さっき見て来た、最古参寄宿舎の京都大学・吉田寮やサークル棟 は大正初期の建築だった。京都は戦災に遭わず、江戸時代からの建物も現役で使われている土 地柄。東京では同世代の銭湯建物は数えるほどだと思うけど、京都では昭和ヒト桁の建物も驚 くほどの古さではないのかも知れない。

脱衣所の広さは幅3間、奥行はたたきと緩衝スペース各1間を含め6間ほど。真中に脱衣籠が が積まれているだけの広い空間だ。おしどり錠のガラス扉のロッカーは外壁側に整然と並んで いる。その他、旧型マッサージ機と寺岡式の大型のアナログ体重計があるくらい。女将の差配 で全てがシンプルで整然としている。

緩衝スペースの外壁側に小さな庭があって、手抜かりなく庭池もある。この造りと雰囲気は中 京圏の銭湯に似ている。

浴室の入口に右書きの「湯男」という木彫りの大きな額が掛かる。以前は外で使われていたの もではないだろうか。立派なものだ。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。浴槽は男女境に接して、奥からサウナ室、深槽、2点座ジェ ット×2が付いた主浴槽、電気風呂。さらに脱衣所方の入口横に水風呂がある。

中央に短いほぼ片側の島カランが2つ縦置きに並ぶ。さらに外壁側にカランが9つ。島カラン には鏡がなく、湯桶が伏せて置かれていたりと、物置台のようであまり稼働はしていないよう だ。

サウナは、スチームサウナ。4人、無理すれば6人が入れるもの。浴室の床よりも1段低い位 置にあるのが珍しい。入口方の水風呂は京都のお約束の獅子口が水を吐いている。水の感じが いいのも京都銭湯ならではだ。

土曜日の17:15から18:00に滞在。こんな大きな銭湯だけど相客は数人といったところ。し かし、入れ違いで、男湯にも女湯にも同じくらいの客が入って行った。。。

今回は、前泊を入れて3泊4日の京都行。遊廓や銭湯だけでなく、レトロ喫茶や洋食屋(東洋 亭)、立ち飲み(スタンド)、梅小路蒸気機関車館、ヴォーリズ(東華菜館)、村野藤吾(グラン ドプリンス京都)の建物なども堪能した。

19:00過ぎの新幹線に乗る前に京都駅で弁当を調達しようとしたら全て売り切れていていた。 売り切れるには早すぎる時間だ。予想していたよりも多くの観光客が京都を訪れたということ だろう。そういえば、この時期にしては人が多かったような気がする。しかし、数ある弁当屋 が入れ込み客の予測を同じ業者に頼っているのだろうか・・・。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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京都・進々堂





京都大学・サークル棟




吉田食堂

京都大学・吉田寮