日の出湯（品川区東大井)

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年10月20日土曜日 2:03
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 日の出湯（品川区東大井)

ナカムラです。

今日（10/19）は、「日の出湯（品川区東大井）」に行ってきました。立会川駅(京浜急行)から、０．３キロ、３分くらいです。

夕方までは、鶴見の「澤の湯」か「潮田湯」にでも行こうかと考えていた。しかし、会社を出る頃には天気予報通りに雨が降り出した。結構、雨足も強い。

駅から近い銭湯に変更。。。東急電鉄・池上線の久が原駅前にある黒湯温泉「益の湯」か、「日の出湯」が浮かんで来る。そして、理由なく同湯に決めた。

立会川駅は、普通電車だけが停まる駅。ホームに降りると、直ぐに薪のいい匂いを感じる。匂いとは微妙なものだ。この香り。家路を急ぐ通勤者は感じないんだろうと思う。

駅を降りると大きな坂本竜馬の銅像がある。かつて、立会川河口のこの付近には土佐藩の下屋敷があって、ペリー来航の時には土佐藩が砲台を造り、竜馬も警護に就いたらしい。立会川商店街は、なんでも竜馬が歩いた「竜馬ゆかりの商店街」なんだそうだ。

さて、「日の出湯」。京急電車に乗っていると、駅に入る前に視界に入ってくる、高架橋のすぐ傍らにある伝統的木造銭湯だ。築４０数年というから、齢小生と同じくらい。

上部は少々草臥れた感のある千鳥破風。手前には、コインランドリーとフロントスペース、エントランス部が増築されている。「日」「の」「出」「湯」という看板に灯りはない。はっきり言ってやる気が感じられない銭湯ではある。最初は休みかと思った。

暖簾を潜ると、そこそこ広い靴脱ぎ場。松竹錠の下足箱に、同じく松竹板鍵の立てて傘を入れる式のロッカー式の傘入れ。

中に入ろうとするとガラス戸が開かない。。。この構造で、自動ドアでないのは珍しい。。。そんなこんなで、フロントスペースに突入するが、照明が少ないのでやや暗く陰気な感じがする。

そして、通常、フロントがあるスペースにフロントがない。両サイドにカーテンが下がっていて、男湯、女湯それぞれの脱衣所に繋がっている。自動ドアがない次は、フロントがない。なかなかフェイントが効いている銭湯だ。そこを入ると床と同じ高さの「番台」がある。もの静かで本に見入っている女将さんに３番目のスタンプを頂く。４３０円也。

脱衣所は３間四方。かつては格天井だったんだろうけど蓋されてクロスが貼られている。側面の壁もまた同じ。

床が大振りのバラ模様のブラスチックシートで壁もチビている。島ロッカーのある脱衣所はやや殺風景な感じがする。ロッカーはその他に、外壁側と入口方にも。錠は松竹板鍵。その他、旧型マッサージ機、アナログ体重計などがある。

壁一面にポスターや張り紙が沢山張られている。ここまで多いのも珍しいかも。まぁ、注意書というのではなく、「品川区の憲章」とかそんな類が多い。

浴室は、幅３間、奥行４間。天井はウィング幅２段型。ウィングの立ち上がりが２間ほどと高く、カーブの具合も古めかしい。ウィングの付け根には、かつての照明器の支柱の跡が残る。白ペンキは剥離して色も黒ずんでいる。やや荒涼とした感のある浴室だ。

島カランは１列でカラン数はセンターから４・５・５・６。ベージュ色の大理石模様のタイルが使われている。床は星型のタイル。カラン台の部分が臙脂色でないのを除けば「鶴見スタンダード」の仕様だ。

浴槽は、奥に２槽。センター寄りが円形浴槽で渦を巻いている。反対側が主浴槽で、真中をパイプで仕切って深浅２区分になっている。深い部分は２穴ジェットが２機。浅い部分は「帝大鉱山冶金教授石和田氏」ご推薦のガリウム温浴線。格子の焚出し口には岩石が詰められている。温度はいずれも４２度くらい。

ビジュアルは、奥壁に大きな帆船の絵付けのタイル絵。女湯は、綺麗なお姫様と小人たち。何と、中島師に「裁判したら絶対負けるよ」言ってきた会社のキャラクターだ。さぞギャラが高かったことだろう、堂々と描かれている。

壁にはアクリル板に描かれたの広告も残る。但し、局番が３桁なので現役とは言い難い。多摩川競艇、バイク屋など。

さらに、同湯のビジュアルは高窓に映る電車の明かりかも知れない。下り電車が通る度に、窓明かりが流れていく。高規格の高架なのだろう、電車は案外と音静かに通り過ぎて行く。今はなき、上大岡の「桜湯」もこんなロケーションだった。高架になる前、電車がまだ地上を走っていた時代は、その音が何ともいえない効果音になっていたんだろうと想像する。

上がりはビールが無かったのでアクアブルガリを頂く。

雨が結構降っている金曜日の２０：４０から２１：３０に滞在。相客は７、８人といったところ。

多分に雨のせいもあるけど、ちょっとシャビーで、やや先が危ない感じの銭湯だった。

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坂本竜馬