差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年11月4日日曜日 10:42
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 平間温泉(川崎市幸区鹿島田)

ナカムラです。

今日(11/3)は、「平間温泉(川崎市幸区鹿島田)」に行ってきました。 平間駅(JR南武線)から、0.1キロ、1分くらいです。

「文化の日」。いつものように、銭湯文化探求?の散歩に出かける。

同湯との遭遇は日吉に住んでいた頃、川崎駅行きのバスに乗っていて車窓から眺めたのが最 初だ。恐らく、その頃から何も変わっていないような気がする。

麻雀荘が2階に載った古いビル銭。後方には油井型の煙突が見える。2階建てだけど、天井の 高い脱衣所に2階を載せているので3階くらいの軒の高さがある。その麻雀荘には波板で囲っ たダクトのような階段が付いている。どことなく異様さが漂う建物だ。

土曜日の16:30。陽もだいぶ短くなってきた。だんだんと夕方という時間ながら、エントランス 部に灯りはなく、脱衣所もほの暗い感じだ。節電ということだろう。銭湯経営の厳しさが伝わって くる。

おしどり錠の下足箱。番台への扉は川崎で良く見かける後付けの自動ドアになっていて、ガー ッと開く。番台の若女将に430円を払う。グレーのフリースを着たきれいな方。よくあるけど、視 線を落としたままの対応だ。多少の恥ずかしさが抜けていないのだろう。

脱衣所の広さは、幅3間半、奥行3間ほど。古いビル銭につき、天井は高い。この時間なのに 照明は最小限しか点灯していない。昭和中期的な木目合板の壁といい、シャビーな感じが濃厚 だ。

ロッカーは、松竹板鍵の島ロッカーが縦置きに2つ。アナログ体重計の「Keihoku」の文字がどこ となく古めかしい。ビールが入った縦型の冷蔵庫。エビスビールが入っているのが珍しい。

同湯には、ビル銭には珍しい庭がある。やや整備不良の感じはあるけど、脱衣所脇から浴室に 沿って大きな池があって鯉が泳いでいる。先客の爺がその傍らでタバコくゆらせながらエビス ビールを飲んでいる。サマになっている。

浴室は、幅3間半、奥行3間。天井はカマボコ型で半間四方の湯気抜きが2つ開いている。高さ は3間半はあるだろう。一見してコンクリ造。中京地区の銭湯はこの半分の高さもない。広大な 空間だ。さらに、この高さのある奥壁が、全面モザイクタイル絵になっている。藻が揺れる海中 に裸婦の人魚が3人、思い思いのポーズで描かれている。女湯と異なって、男湯の方は乳房に 乳首までが描かれている。こういった書き分けは往々にしてある。

島カランは2列。カラン数はセンターから7・6・6・6・6・6。カランは日の丸扇の刻印のある取っ手 が茶色のもの。

浴室のタイル使いはかなりレトロな感じ。床は3センチ角の膨らみのある白タイル。溝も厚手の 白タイル。カラン台はモスグリーンの小タイルに大判の白タイル。脚部には濃い緑のアメーバ模 様のタイルが使われている。ここには昭和中期の銭湯全盛期の風景が残っている。

浴槽は3槽。センターからバイブラの深槽。1穴ジェット×3アンド赤外線ランプの主浴槽。そして ラベンダーカモミールの薬湯。湯温はいずれも42度弱といったところ。

一番風呂勢が残っているのか、シャビーな銭湯にしては浴室に7、8人と客は案外に多い。

ビジュアルは、奥壁のモザイクタイル絵の他に、男女境全面に絵付けのタイル絵。絵柄は大味 な洋風の山水を描いたもの。大きいけど、少し大雑把過ぎる絵だ。

上がりは大女将に替っていた。若女将と違って、俯くことなく、男女の脱衣所、浴室を睥睨して いる。なんたる貫禄の違いか。

脱衣所の「とん平」というとんカツ屋が寄贈した古い鏡に「平間中央映画前」とあって気になって いた。平間にも映画館があったのか・・・。そうしたら、地元の若者風情が、女将に映画館の場 所について訊ねていた。小生、映画館というと、かなり惹かれるのだけれど同じ思いの若者もい るようだ。

上がりはエビスビールに惹かれたけど、昨日は珍しく大量に酒を摂取してしまって、未だ復調せ ず。胃に優しいブルガリアヨーグルトにした。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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