広尾・日本橋 2015.01.03.
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川瀬巴水展/郷愁の日本風景」を見に行く。解説によると600点くらいの作品を残したそうだけど、その1/3くらいが展示されているという壮大な展示だった。ざっと見るだけで2時間くらいかかった。川瀬巴水は生涯の1/3は旅に出ていたという。旅程表を見ると2、3ヵ月旅に出て、戻っては版元と組んで浮世絵手法による”新版画”を制作するということの繰り返しだったようだ。
(参考)渡邊木版美術画舗
山種美術館の次は日本橋の高島屋(東京店)【重要文化財】へ。隣地の別館や山本山のビルなどが再開発のために解体され、建物の増築過程が見通せるようになっていた。最も右側が1933年に施主・日本生命、設計・高椅貞太郎によって造られた部分。その後、4度にわたって村野藤吾による増築がなされている。内外に村野独特の意匠が残っている。
山種美術館で「東山魁夷と日本の四季」を見る。喫茶室では企画展示とコラボした青山の老舗「菊家」による上生菓子5種が提供されていた。作品「夏に入る《竹林の絵》」に呼応した「竹取」というシナモンを利かせたお菓子を頂いた。
先ほどの恵比寿プライムスクエアは元々は諭吉の娘婿にして実業家だった福沢桃介の屋敷跡だった。後に千代田生命保険相互会社の上智研修センターを経て投資用テナントビルとなった。この復興建築の渋谷区立広尾小学校(昭和5年築)とともに、かつては上智町(あげち)という地名だった。いずれも山種美術館のみちすがら。
社をあげて開発した正面の恵比寿プライムタワーは、所有者がモルガンスタンレー、AIGと移り、昨年東急不動産が取得し、半分はさらにREITに転売されている。不動産のプロは現在は売り時と見ている人が多い。どうなんだろうか。
恵比寿駅