差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年5月22日日曜日 1:01
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 久の湯(江東区南砂)

ナカムラです。

今日(5/4)は、「久の湯(江東区南砂)」に行ってきました。 東陽町駅(東京メトロ東西線)から、1.2キロ、15分くらいです。

午前中、所用で渋谷まで。途中、かなり久しぶりで東京都児童館の建物を眺めたら、地震の影 響で閉鎖されていた。小学生の頃によく遊びに行った場所なので、建設から半世紀は経ってい る。ニュースになってないけど、東京でも古い建物は相応に被害を受けている。

相方が”鳩鈴”を貰いたいというので富岡八幡宮に寄り道。石造りの鳥居が壊れていた。。。

さて、東陽町。ひがな休日。どこの駅からも遠い南砂の久の湯へ向かう。

大規模な団地ばかりの中を通って行く。戦前の同潤会アパートや集合住宅などに強く惹かれき た。また、同じ団地でも赤羽のスターハウスなどにも興味がある。しかし、新しい団地やマン ションには興味が湧かない。この辺りもいい陽気だけど、散歩していて楽しい道ではない。こ の違いはどこから来るのだろうか。。。

さて、久の湯。見ればコンクリ煙突にモルタル切妻の銭湯。古い外観の銭湯をイメージしてい たので、少し拍子抜け。大島の「第二久の湯」と取り違えたようだ。まぁ、どこの駅からも遠 い銭湯ゆえ転進もままならず。本日はこちらにお世話になることにする。

横浜の銭湯のように正面に2つの入口がある。しかし、片側はコインランドリー。もう片方が 入口で、暖簾の上の硝子に「久の湯」と書かれている。

入れば横に廊下のようなスペース。向かい合わせに松竹錠の下足箱が置かれている。手前に男 湯の入口。カーテンで仕切られた向こうに女湯の入口。まぁ、番台の後ろに男湯と女湯の入口 があるという点で一般的な構造だけど、そこまでのアプローチが少し変わっている。

扉を開けて脱衣所に進むと、前面がカーブした木目プリント合板の番台。下町の三代目風情の 大将がチャキっと座っている。建物の建築年を尋ねると、三代目なのでよく分からないという ものの昭和24年位らしい。創業は戦前とのことだ。

外観からは戦後すぐの建物には見えない。しかし、天井など確かに古いと見て取れる部分があ る。本当に戦災後数年という古い建物なのだろうか。

脱衣所の広さは、幅3間、奥行3間ほど。天井は木製ニス塗りのの歴史を感じさせる天板。格 子はない。大黒柱の黒時計も年代物のように見えてきた。。。

同湯では、ロッカーで脱衣所の半分を仕切り、ロビーのように使っている。そのロビースペー スの壁には、壁紙として浴室奥壁にあるような紅葉林の大きな写真が張ってある。いろんな所 が少しずつ変わっている。

ロッカーは松竹シリンダ錠のもの。浴室側に追いやられている。一番風呂勢がまだ滞在してい る時間帯なので少し窮屈だ。

アナログ体重計は、あまり見ない石川衡機製。古い建具の硝子戸のを出ると母屋への通路。よ く見ると、通路に塞がれているけど、浴室の横にあたる場所に、大きな滝を配した庭池の跡が ある。現在は、窓はあるものの浴室からこの庭側を見ることはできない。しかし、かつて浴室 からこの庭を眺めることができたのだろう。どんな構造だったんだろうか。。。

浴室は、幅3間半、奥行4間。これも"減築"と言っていいのだろうか、外壁側の幅半間に高さ 1.5メートルくらいのコンクリの構造物を置いて浴室の幅を狭くしている。上に鉢が並べられ、 浴槽の横の部分はくり抜かれてショウウィンドウのようなディスプレイになっている。

天井は木板に白ペンキ塗りの2段型。島カランは1列でカラン数かセンターから4・5・5・5。 床のタイルは、滑り止めの突起あるサワーピンクの6センチ角のもの。カラン周もサワーピン クの大理石紋様のタイルが使われている。

浴槽は奥壁に沿って3槽。外壁側に薄い感じの実母散湯。中央の主浴槽はバイブラ。深槽は7 点座ジェット×2。湯温は42度弱。薬湯はさらに温くて41度弱。ゆったりと昼風呂に浸かるに はいい温度だった。

そして、ビジュアルは奥壁一面に広がる丸山さんの「野尻湖(22.8.20.)」。静かな中にも所々に 力強い刷毛捌きを感じることができる優れたペンキ絵だ。

さらに男女境には、富士、水車、松林、川、高嶺、森を描き込んだモザイクタイル絵。やはり 和風のモザイクタイル絵の方が、伝統的銭湯には似合う。

上がりは、瓶牛乳を頂いた。中年太りの小生にとって牛乳は良い飲み物ではないけど、1合と いう少ない量ゆえに美味しく、あればいつも手に取ってしまう。。。

どこの駅からも遠い銭湯だけど、相方が近くのバス停から秋葉原駅行きの都バスを見つけた。 ぼぉーっと車窓の風景を見ながら秋葉原まで30分弱くらい。相方は、荒川の向こうと都心では 街の開発度が大きく異なっていると言っていた。確かに都心に入るとそれなりの高さのビルが 立ち並ぶ風景に変わった。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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富岡八幡・横綱力士碑