差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年4月18日日曜日 17:20
宛先: 銭湯ML
件名: 本牧湯(横浜市中区本牧町) 〜5月末ごろ廃業!!

ナカムラです。

今日(4/17)は、本牧の三渓園に程近い「本牧湯(横浜市中区本牧町)」に行ってきました。
「日の出湯」から本牧通りを元町方面へ歩くと、マイカル本牧。
一世を風靡したショッピングモールだけど、マイカルが経営破たんし、最近系列のホテルが閉鎖され、他にも大きな店舗が閉鎖されていた。
周辺を含めて、だいぶ裏ぶれた感じを受けた。

地図を眺めていると、そう、近くに「本牧湯」があったなと・・・。
遠くないから行くと、入口の千鳥破風を初めとして、3層の黒瓦が重なる立派な佇まい。
大型の銭湯である。しかも、黒湯の天然温泉。

しかし、待てよ・・・。塀に「建築標識」が張られている。
6月1日着工、55戸のマンションを建設するというもの。
予定外だけど、廃業まで日もない。取りあえず入ることにする。

屋号と天然ラジウム鉱泉と染め抜かれたオリジナル暖簾をくぐると、「SakuraG」の錠がついた下足箱。
自動ドアを抜けると、男女の脱衣所の真中に幅1間のフロントスペースを作っている。

6年前に改装したらしい。その時に、折上格天井も蓋をしてしまったと。
脱衣所は、真中はフロントにスペースを取られ、さらに外壁側の一部はサウナにスペースを取られて狭い感じがする。
「SakuraV」の錠が付いたロッカー、ベンチ、マッサージ機、自販機、寺岡式のアナログ体重計なんかがある。
古いものはほとんどないけど、大黒柱には黒い柱時計がゆっくり振り子を揺らしている。これだけはという、銭湯のこだわりなのだろう。

浴室は4間四方と大型の銭湯である。天井は2段型。しかし、プラスチックが張られている。
大型銭湯ながら、島カランは1列しかない。しかも、カラン数はセンターから、8・7・0・8と少なく抑え、その分浴槽を増設している。
カランは、日の丸扇の、円筒形というか大砲型というか、新しいんだろうけど余り見ないタイプのもの。

浴槽は全部で7つ。奥壁側に4つと島カランと平行に2つ設置されている。
センター側から、黒湯の低温槽、37度。次に黒湯の高温槽、40度。
次は座ジェット×2、しかしジェットは噴出してなかった。
外壁側は小さな瀧のように湯が落ちてくる仕掛けがしてある浴槽、電気風呂になっていた。

島カランと平行に洗い場の真中にあるのは、走行風呂とジャグジー。
何故かの2つの浴槽のことろに鉄柱が立って、看板の残骸のようなものが掛かっている。
それに、外壁側・脱衣所側に、サウナ用の水風呂がある。

ビジュアルは、奥壁一面に、安藤広重の東海道五十三次の「箱根」の浮世絵が全面に描かれている。女湯は「由比」の浮世絵。

土曜日の17:45から18:15に滞在したけど、浴槽、サウナと客は結構入っている。
嫁が継いでくれないので、廃業すると女将が言っていた。リストラされたら継ぐって言ってたらしいけど、そこまでは待てないと。
6年前に改装したばかり、設備もそこそこ充実している黒湯の温泉銭湯、もったいない。

女将からこんな話を聞いた。
雨漏りがひどくなって、雨水が伝って壁が汚れたので壁を改装、それに合わせて天井も改装したと。
なぜ雨漏りがするか、「(女湯を)見たい人が屋根に上って、どうしても瓦がずれる。」と言っていた。
屋根に上ると、灯りが付くようになっているけど、フロント形式になってからはよく判らなくなってしまったと。
大型の銭湯だけに屋根も高い、こんな屋根に上るヤツがいるとは、驚いた。

本牧通りを元町方向へ歩き続ける。
この通り、焼肉屋が多い。