差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年1月25日日曜日 20:55
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04741] 細谷戸浴場(横浜市瀬谷区)

ナカムラです。

今日(1/25)は、「細谷戸浴場(横浜市瀬谷区)」に行ってきました。
最寄駅は瀬谷駅(相鉄)。徒歩で20分弱だと思います。
今日は、クルマで出かけました。

建て替えのため廃墟となっている県営瀬谷団地の端にあり、少し行くと米海軍の瀬谷通信隊の立札がそこここに立っています。
路地を進むと、油井型のペンキを塗ったばかりの赤い煙突が立っています。
心持ち細く華奢に見えます。

正面にはベージュのモルタルに「戸」「浴」の文字が一部欠落かつ傾いて付いている。
他の文字は完全に脱落した模様。

この袋小路には「ベガ理容室」とこの銭湯のみ。
暖簾をくぐると、正面には傘を突き刺す式の傘入れ(松竹錠)。
下足箱も松竹錠で88番まで。

引き戸を開け、番台の主人に400円を払う。
辺りを見渡す。直ぐには理解できない構造だなぁ・・・。

脱衣所は幅4間、奥行2間半の広さ。
正面奥のガラス戸の先に中庭がある。浴室はその向こう。
つまり、脱衣所、中庭、浴室という順に並んでいる。
それぞれの奥行は2間半程度。

脱衣所には外壁側(40個くらい)と横に長い構造につき横置きに島ロッカー(24個)が1つ。これも松竹の板鍵のもの。
島ロッカーにはメダカの入った水槽や植木鉢が載っている。
入口側にも金魚の水槽がある。
その他、新旧のマッサージ器やテーブル、ソファなど。

天井は格子天井を模しているが、かなりチープな材。
壁も昭和中期的な新建材で、白がかなり黄ばんでいる。
床はニス塗りで光っている。清掃は行き届いている。

中庭の横に幅1間の下り傾斜の通路があり、浴室に向かう。横には観葉植物が並んでいる。
浴室の広さも幅4間、奥行2間半と平べったい形。

浴槽は中庭側(手前)にあって、正面奥はカラン8つ。
その他、男女境にカラン2、入口付近にプレーンな島カラン(3・3)が縦に配置されている。

入浴道具を置く台は、石鹸箱の幅しかなく、かなり旧型。
カランはWaguriのボール型の取っ手が付いているものが中心で、いつくか他の形式が混じっている。

浴槽は2槽。センターから7点座ジェットが2機の槽と一部が電気風呂になっている主浴槽。
温度計は46度を差しているけど、43度くらい。
どうして、銭湯の温度計はこんなにも誤差が多いのかな。

壁、天井とも白いプラスチック板が張ってあり、ペンキ絵やタイル絵といったビジュアル物は一切ない。
天井は手前が高く、奥が低くなっている。
手前に湯気抜きのよろい戸がいくつか付いている。

この銭湯は、取り立てて特徴がない設備たけど、この珍しい構造が最大の特徴かな。
基本的にすべて木造モルタルで作られているよだけど、波板やその他の補修材で派手に補修がなされている。

客は日曜日の一番風呂(16:00)に近い時間だったからか、10人くらいの客が入っていた。
しかし、この銭湯はこの県営団地の住人が最大のユーザーのはず。
その県営団地は、徐々に「細谷戸ハイツ」という新しい団地に置き換わっている。
もちろん風呂も完備されているはず。
この銭湯は、既に本来の使命を終えているのかなと思った。



廃墟の県営細谷戸団地


廃墟の県営細谷戸団地