差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年9月5日土曜日 1:01
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 一葉泉(台東区竜泉)

ナカムラです。

今日(8/28)は、「一葉泉(台東区竜泉)」に行ってきました。 三ノ輪駅(東京メトロ日比谷線)から、0.5キロ、5分くらいです。

一週間のそれなりに繁忙な業務から解放される金曜日の夜。銀座線の稲荷町駅で降りて、気に なっていた中華屋界の長寿庵こと「生駒軒」でラーメン500円を頂いてから、快適サウナと 大きな露天風呂がある、隣の寿湯に向かう。

しかし、明かりが点いていなかった。銭湯マップを確認すると、第4金曜日が定休日とある。 運悪く月1回の定休日に当たってしまったようだ。

セカンド目的は、やはりいい水風呂とサウナがある根岸・宝泉湯をイメージしていたけど、結 局、訪れたことがない三ノ輪・一葉泉に進路を変更する。

三ノ輪駅周辺は何回か歩いているけど、大きなマンションが増えた感じがする。同湯裏の斜向 かいの樋口一葉記念館も瀟洒な建物に建て替えられていた。

同湯は、四辻に建つコンクリ煙突を持つ大きな銭湯。コインランドリーの周辺には、道路にし ゃがんで数人のおばちゃん、おじちゃんが、まさに腰を落ち着かせて世話話に興じている。下 町風情が濃厚だ。。。

入り口までの20メートルほどのアプローチが自転車置き場になっている。そしてその屋根の 下には故早川師の「陸中海岸」のペンキ絵が広がっている。

早川師は、銭湯入口のシャッターなど、他の絵師よりも屋外のペンキ絵が多いような気がする。 数年前に同湯の前を通った時もこの陸中海岸のペンキ絵だったと思う。

銭湯本体は、伝統的木造銭湯。しかし、旧来のエントランス部は取り払われて、広いフロント スペースとともに直方体の建物に改築されている。四辻の銭湯なので2方向にある入口上の摺 りガラスに、「一葉泉」と大きく刻まれている。

SakuraG錠にプラスチック札の下足箱。フロントで、サウナを所望すれば、下足札と引 き替えにサウナ証としてのナイロンのリストバンドを受け取る。サウナはプラス200円。バ スタオルは別料金でさらにプラス100円。

脱衣所は、幅4間、奥行3間。天井は折上格天井で、鏡板は丁寧に白く塗られている。大黒柱 の時計を見れば「飯高建設」とある。宮造りの伝統的木造銭湯を数多く手がけた建設業者だ。 サウナ室の入口にも同社のプレートがあったので、近年は得意だったはずの破風エントランス を壊しての改装を手がけていたようだ。何かを感じていたか、いなかったか。。。

外壁側に庭跡がある。一部は店用の洗濯機などが置かれていて塞がれているものの、その下に は枯れ滝などもある、見事な池がある。池に水は張られていないものの、家紋などが刻まれた、 あたかも廃された妓楼から運び込まれたような立派な灯籠が建っている。ここは、吉原遊廓の お膝元でもある。

浴室は、幅4間、奥行3間。脱衣所と同様にに横に長い。天井は2段型。島カランは2列で、 カラン数はセンターから5・5・5・5・5・5。

昭和31、2年に建てられた建物らしいけど、床やカラン周りは全て新しいタイルに更新され ていて古いものは残っていない。

浴槽は、奥壁に接して、センターから、深槽、7点座ジェット×2、バイブラの主浴槽。浴室 が横に長いことから、浴槽スペースが横長で大きい。

浴槽の立ち上がりには、テラコッタ風のカモメや帆船をデザインしたタイルが、半間ほどの高 さで回されている。ペンキ絵は、その上にある。ペンキ絵の幅は、4間ほどと大きいものの高 さが1間強と低く、やや窮屈な感じのペンキ絵でもある。日付を見れば、17.6.15。案外に時を 経てはいるものの一切のくすみもない。力強い波飛沫を上げている。

その他、男女境には定番の湖・高嶺・舟・洋館のモザイクタイル絵がある。

20:30から21:30くらいに滞在。相客は5、6人ほど。ビールは置いていないという。

表に出ても、人数は若干少なくなってはいるものの井戸端会議は踊っている。

週末の解放感はあるものの、遊廓跡の探訪をするほどのエネルギーは残っていなかった。近く の酒屋で調達した「季節限定/秋味」の缶ビールを片手に、しばらく竜泉の町を散策。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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