差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年9月1日水曜日 21:51
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 井川湯(神奈川区子安通)

ナカムラです。

今日(8/29)は、「井川湯(神奈川区子安通)」に行ってきました。 子安駅(京浜急行)から、0.2キロ、2分くらいです。

昭和の暮らしのお手本を見ようと、大田区・久が原の「昭和のくらし博物館」に行った。昭和 26年築の公庫融資の優良住宅が最初は井戸もないもらい水の家だったことに驚かされた。

帰りは少し足を延ばし、横浜の郷愁銭湯に寄ってみる。

子安はかつて漁村だった。今もその面影を残す井川湯へ。海側が埋め立てられて運河に成り下 がったけど、明治時代創業の、かつては海に面した銭湯だった。

運河には船宿的なトタン張りのバラック建築と、漁船ならぬ釣り船が多く係留されてアジア 的な独特の景観がある。しかし、運河も船も荒れていて、中には朽ちて半分沈んだ船もある。 何故だろうか以前来た時よりも荒んだ光景という感じがする。

4年前、通いつめていた鎌倉・滝乃湯が廃業した時、代わりになる郷愁銭湯を探していた。結局は、湘南の辻堂・不動湯が滝乃湯の代わり、心身を癒す場になったけど、同湯もその候補と考えていた。

横須賀銭湯くらいの小さないい大きさ。横にある手押しポンプが載った風格のある井戸は、今も「井戸仲間」が組織されて大切に使われている。今は災害用になっている けど、沸かせば飲める水が得られる。こんなに立派な現役の井戸は都心近くの下町を含めて、 そうは無いだろう。

そして、そんな井戸と並ぶ同湯の風景は第一級の風情がある。

小さな銭湯。通いの女将さんは神奈川では一番小さいと話されていた。一応、小田原の田浦湯 の方が小さいかも知れないと伝えた。まぁ、銭湯経営者にとって意味のあることではない・・・。

浴室はカラン10機ほどの清潔な郷愁空間。お湯は四代目が沸かす伝統の湯。井戸水を沸かした柔らかい湯が、良いお湯じゃないわけがない。

ビジュアルも充実している。男女境には福二画のタイル絵がが2つと章仙画が1つ。浴槽の上には章仙画の池に鯉のタイル絵。そして、その上には、小さい奥壁なのでL字型に中島さんの富士山のペンキ絵がある。4年前とは描き変わっているものの結構荒れていた。

日曜日の17:30から18:20に滞在。女湯は混んでいたようだけど、男湯は、始終、小生のみ。 混むはずの時間帯なのに意外だった。そして大丈夫なのかなぁと心配になる。

久しぶりの井川湯だった。小規模でこっそり路地裏にある。出れば真っ赤な夕焼け。風情があって、 何より清潔な銭湯。やはり良かった。。。

《前回訪問:2006.06.11.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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