差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年9月28日日曜日 22:08
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04409] 池の湯(横浜市港北区)

ナカムラです。

今日(9/28)は、妙蓮寺駅(東急東横線)から徒歩1分の「池の湯」に行ってきまし
た。
近くには菊名池公園や池之端という小さな商店街があったり、この銭湯の屋号も、この菊名池から来ているのでしょうか。

駅から至近の距離にある銭湯ですが、Aクラスのボロ銭湯です。

商店街とまでは言いにくい道から、コンクリのアプローチを経て、少し奥まった所に入口があります。
入口は、両袖に茶系統のタイルをしつらえた、お決まりの様式。

花王の暖簾をくぐると、正面(富士錠)、左右(松竹錠)に下足箱。
せっかくだからと、レアな富士錠のボロい正面の下足箱に靴を入れます。

ズボンの小銭をまさぐっていると、目前の木枠の古い戸が、ガーッと開きます。
自動ドアだなんて想像もしていないから、結構、ドキリとさせられます。

番台は木目のある木組みのしっかりしたもの。
小銭を載せるところが、長年の使用により、少し窪んでいるようです。

脱衣所の印象は、煤けた漆喰壁と、こげ茶色の梁・柱。天井は、格天井を模した感じの天井。
やはり、天井一面がこげ茶色に沈んでいます。

真中に松竹シリンダ錠の島ロッカー。壁側には、松竹の鉄板錠のロッカー。
開け放たれた縁側には、庭に屋根を付け足して、コイン式の洗濯機が3台。
付け足した屋根には穴が開けられ、木が伸びている。隣には棕櫚の木も植えられている。

柱には黒い柱時計。
いつ止まったのか、1時を指したまま止まっている。

浴室は2段型の天井。湯気抜きの窓は、一面、木の葉に覆われている。
外側の窓の一部もツタが伸びて、緑になっている。
駅近くなのに、森の中の銭湯の趣き。

島カランは1列。センターから8.5・5・5。カランは温泉マークが刻まれている旧式のもの。
シャワーはセンター側のカランに1つ置きに4つ。外側のカランには5つ設置されている。それに立ちシャワーが1つ。

カランの上の道具を置く棚は石鹸箱の長さ程度。旧式で狭い。
鏡には付近の店の広告が記されている。ひとつは「協和銀行前」という伊藤精肉店というものも。

協和銀行は、協和埼玉銀行、あさひ銀行、そして今はりそな銀行と名前を変えている。
帰りに伊藤精肉店を見たら、古くからあるお肉屋さんという風情。
りそな銀行自体も、ATMはあるものの撤退し、1階のほとんどはスリーエフ(コンビニ)になっていた。

ペンキ絵は美保松原。正面だけでなく、直角に折れた壁まで絵は延びている。作成日は平成四年八月十二日。
既に11年が経過しているけど、木の板に描かれているからか、鉄板に描かれているものより保存状態はいいような気がする。
紫が混じった富士山はなかなか見応えがある。
早川絵師のようでもあるし、少し違う感じもする・・・。

ペンキ絵の下はモザイクタイルで、シカ、ウサギ、リスが描かれている。
あまり見ない絵柄だなぁ。

浴槽は3つ。外側から、気泡ぶろ(壁面下からブクブクというもの)、何も仕掛けがないもの、薬湯(人参実母散)。
人参実母散が少しぬるい程度で、あとの2つは結構熱い。また、気泡風呂は妙に浅い湯船となっている。
釜場の木製の戸は、ガムテープで補修されて満身創痍といった状態。

午後5時半。小生が上がったら、客は1人のみ。
脱衣所は小生のみ。
森の中の静かな銭湯という趣で、座っていると番台の爺さんの新聞を繰る音だけが聞こえてくる。

ボロ銭なれど手入れは行き届いている。
静かで落ち着いた時間が流れていて、結構落ち着くいい銭湯。

でも、設備の状況から察するに、いつまでもってくれるかな・・・。
そんな感じの銭湯です。