差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年8月12日水曜日 23:50
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 芋松温泉(京都市中京区壬生森町)

ナカムラです。

今日(8/8)は、「芋松温泉(京都市中京区壬生森町)」に行ってきました。 西院駅(京福電鉄嵐山本線)から、0.5キロ、5分くらいです。

そこは壬生森町。京都ではタクシーの運転手に町名を告げても、細かな町名が多過ぎるからか 要領を得ない。傷は付けられないという下ろして3日目の新車タクシーで、塀から何センチも ないような狭い路地を進む。客のこっちが冷や冷やしながらの路地の奥だった。

妙な屋号は、同湯が青果商で成した財で建てられたことにちなむ。付近の地所は、今でもその 青果商の末裔が引き継いでいるという。

銅板張りの見事な唐破風のエントランスを持つこの建物は昭和14年築。現在のご主人は新小 岩の緑湯(廃業)を経て20数年前に京都にやって来た方で、同湯4代目の経営者にあたると いう。

後方にはコンクリ煙突が見える。表には牛乳石鹸の関西仕様の花火絵柄の暖簾。引き戸を開け れば、コンクリの広いタタキに番台。女将は椅子に座っていて、番台は使われていないようだ。

脱衣所の広さは、幅2間半、奥行はタタキと緩衝スペースを併せて5間ほど。入るといきなり 細長い脱衣所が広がっている。簀の子に上がって、King錠の下足箱に旅で草臥れた靴を放り込 む。

ロッカーは壁側のみ。King錠のロッカーだけど、扉は新建材で、中に収納する四角い脱衣籠も プラスチックのものだった。

しかし、縦長の広いスペースに島ロッカーのような無粋なものはない。男女境には冷蔵庫、旧 型マッサージ機、文字盤が膝の高さのISHIDAのアナログ体重計などがあるだけ。業務用扇風機 がクーラーの冷気を行き渡されているくつろぎの空間が広がっている。

小石タイルの緩衝スペースには、タイル張りの流しと曲線使いの一段の階段。浴室がやや高い 位置というのも京都風だ。

浴室は、幅2間半、奥行は5間ほどと細長い。天井はカマボコ天井で長方形の湯気抜きがある。

カランは外壁側に8、奥壁と男女境の小さなL次スペースに2・2。また中央に小さな片側島 カランに4。それぞれにレバー式のカランがある。

主浴槽は中央、男女境に接して縦長にレイアウトされている。奥から1穴ジェット×2、鯉に 乗った少年の湯吐き口がある深槽、浅槽とある。さらに奥壁に接して薬湯とデンキからなる副 浴槽がある。主浴槽の湯は誰も入っていなくても自然にオーバーフローする。掛け流しの銭湯 といっていい。

そして、京都といえば水風呂。同湯にも外壁側、脱衣所に食い込むかたちで横に長い扇形の水 風呂がある。小石型のタイルを使ったレトロなもので獅子口から勢いよく新鮮な井戸水が注ぎ 込まれている。大量に溢れる水が洗い場に流れていかないように、やはり小石タイル張りの小 さな「堤防」まである。

同湯には深さ60メートルの水量豊かな井戸がある。その自然の恵みが同湯の最大の特徴かも 知れない。オーバーフローする主浴槽と水風呂の凄さ。なかなかだ。

上がりはアサヒの赤ラベルを飲みながらご主人にいろいろと伺う。相方は目ざとく城南鉱泉所 のラムネを見つけ、東京のラムネよりも濃厚な風味があると論評している。

土曜日の19:30から20:30分に滞在。客が途切れる時間だったのか、相客は2人だけだった。

上がりは西院駅(阪急電鉄)から河原町駅に出て、寺町の京のおばんざい居酒屋、創業1926年 のBAR「京都サンボア(寺町三条下ル)」など京都の繁華街をハシゴ酒。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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創業1926年のBAR「京都サンボア(寺町三条下ル)」