差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年3月21日火曜日 8:09
宛先: 銭湯ML
件名: 稲荷湯(千代田区内神田)

ナカムラです。

今日(3/20)は、「稲荷湯(千代田区内神田)」に行ってきました。
東京駅(JR東海道線)から、約1.0キロ、10分くらいです。

会社帰り、茅場町から東西線で大手町まで出て、そこから3分くらい。
鎌倉橋交差点に近いビル銭湯。ランナーの湯として、つとに有名な銭湯。

隣地との共同で建てたビルなのか、銭湯としては大振りのビルの1階に入っている。
白地に屋号を染めた暖簾が掛かる。端に「長谷川」とある。長谷川さんなのか・・・。

暖簾を潜ると、下足箱より先に、ジョキングシューズを置くオープンな棚がある。10足くらい靴が並ぶ。下足箱には通勤の靴を入れ、ジョガーはもう一足をこの棚に置く。でも、無くならないのかなぁ・・・。鍵付きの下足箱と暖簾下のオープンな棚との落差に驚く。

ランナーに対する注意書きがいくつもある。その他、「異臭」のある方の入浴は遠慮、または断ることがある旨の貼り紙がある。ありそうだけど、あまり見ないストレートなものだ。

下足の錠は新しい松竹。自動ドアを通ると、女将の座るフローリングの明るいフロントに出る。女将に400円払う。

フロントで、ロッカーの鍵を受け取る女性が居た。恐らく、脱衣所で着替えて、ジョギングに出る時にロッカーのキーをフロントに預けるのだろう。「更衣室」という機能をシステマティックに提供する銭湯に初めて遭遇する。同湯の客は、着替えてから「外出」し、戻ってからひと風呂浴びる。ジムのように入会金や高い利用料はかからない。昔からの市井の民のためのインフラだ。

脱衣所は、フロントへの通路にスペースが割かれているけど、ベースは幅2間半、奥行3間半の広さ。ビル銭ながら天井高は2間強と余裕がある。天井、壁ともに白く、照明も明るい。清潔な脱衣所だ。

ロッカーは外壁側に松竹シリンダ錠のものが44個ほど。上2段と下2段の間に、棚がある使いやすいタイプ。小生の場合、これがないと、入浴道具は袋に入れて床に置くことになる。

その他、IUCHI SCALEのアナログ体重計。旧型マッサージ機、真中に縁台がある。
浴室の入口部分は、木のスノコで、その上に、綺麗に手入れされた麻で編まれた敷物が置かれている。

同湯の設備に古いものはない。しかし、暖簾や伝統的な敷物に、同湯の銭湯としての伝統と心意気を感じる。ビル銭ながら、同湯には由緒と歴史があるのだと思う。

浴室は、幅3間、奥行4間弱。男女境がセンターから半間ほど女湯側に立てられている。女湯は、幅2間か2間半と、男湯よりは狭いようだ。天井は2間強。脱衣所との間は全面が硝子になっていて、開放感と明るさがある。そして、浴室でも清潔感を実感できる。湯気がもうもうとしていて、活気もある。

島カランは1列で、カラン数はセンターから5・4・3・3と少ない。外側のシャワーのみがハンドシャワーになっている。カラン台は砂岩を模したグレーのタイルと濃いピンク系のタイル。床はパール色に輝くタイルが使われている。窓側には硝子ブロックが積まれている。角地なので、昼間は陽光が入るだろう。

浴槽は、奥壁から外壁側へL字型に伸びている。奥壁にボディーマッサージ2機と、2穴ジェット1機、バイブラと続く。温度計は45度を指している。体感的には43度半かもう少し高いかも知れない。高めの設定で、暫く使っていると、肌がピンク色になる。

ビジュアルは、奥壁にコミカ風呂的な厚手の装飾タイルが張られ、その真中に床の間のような窪みが設えてある。その「床の間」壁に茶色タイルを基調とした、表現し難いけど、モビールやトーテム・ポール的なデザインがある。あまり類例はないものだ。

20:45から21:30に滞在。来た時には、脱衣所に「駅伝」なんて書いてあるシャツを着た人など、ランナーと思しき人ばかり10人以上で混んでいたけど。上がるころには浴室は誰も居なくなった。今日を公休とすれば4連休。普段の日はもっとサラリーマンランナーが多いと思う。

上がりは、フロントで「スーパードライ」。「一番搾り」もあって250円。3人ほどしか座れない硬いベンチがあるだけ。暫くビールを飲みながら女将とテレビを観ていた。ここでビールを飲む人は少ないようだ、飲み終えた缶を捨てる時、ゴミ入れを覗くと、沢山のポカリスウェットの缶ばかりだった。なるほどな、と思う。

大手町を横断し、東京駅まで歩く。まだまだ、肌寒い。
心持ち人通りが少なく、東京駅からの電車も空いていた。