潮来遊廓跡(茨城県潮来市) 2008.04.19

潮来遊廓跡に築150年の「あやめ楼」を見に行く。

しかし、
昨年10月に漏電による火災で焼失していた。 間に合わなかった。

資料のすべてが塵灰に帰した。2階には9部屋もあったらしい。 跡地に建つ新しい美容院の方が同楼の末裔の方で、接客中で毛染め中だったにもかかわらず丁寧に経緯を教えてくれた。

それにしても、遊廓のご一族の方というのは、おしなべて美男、美女が多い。

自宅として旧あやめ楼の建物に住んでいたというこの方も、人を惹きつける魅力的な方だった。

利根川河畔に「阿や免旅館」という旅館がある。親戚筋の経営で、遊廓関係の資料が展示されているらしい。


しかし、水郷観光の潮来も寂れている・・・。


遊廓の大門(黒門)が再建されている。出口は反対があって建てられなかった。
遊廓への思いは交錯している。






旧あやめ楼の門。戦後のものらしい。











出口の大門があた場所。入口から150メートル程度だったようだ。





旅館・角菱。営業はしていないようだった。


遊廓への目抜き通り。朝起きると酔客が道端で寝込んでいたりしたという。
廃業店舗ばかり。空地も目立つ。衰退とは凄まじい。



長勝寺・総門
「組物は、小さな斗(ます)・肘木(ひじき)という部材から構成されるのですが、その斗のひとつひとつに、びっしりと字が書いてあるではありませんか。二親成仏、二親成仏、おたい、おかめ、およね……(略)。遊女達はこの苦界に身を沈めながらもなお自分を生んでくれた二親の成仏を祈って、この小さな斗という部材に願いを込めたのです。今で言えば一人五百円ほどの金額。それが積み上げられてできたのがこの楼門なのです。(一色史彦著『茨城の古社寺遍路(上)』、建築文化振興研究所、1994年、p.61)」


長勝寺。遊女の信仰が篤かった禅寺。なかなか素敵な寺だった。





阿や免旅館


西円寺・潮来遊廓の遊女の供養塔。昭和52年建立。