差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年8月26日金曜日 23:22
宛先: 銭湯ML
件名: 改盛湯(福井県大野市本町)

ナカムラです。

今日(8/21)は、「改盛湯(福井県大野市本町)」に行ってきました。
「東湯」「イトヨの里」「本願清水」「御清水」を経由して「福そば」。
そばで腹も朽ちた。ブランドは聞き忘れたけど「地酒」というのも飲んだ。

改盛湯へ向かう。越前大野駅から直接向かうと、1.3キロくらい。
地元の人からすれば、市街の周辺部という感覚らしい。

大野の道は、碁盤の目のように、分かりやすく切られているし、主要な道は広い。
しかし、まだ19:30前だというのに、暗いし、人が歩いていない。少なくとも、表には明りの点いていない家も多い。
昼間の不気味さが染み付いているからかも知れないけど、少し恐々進む。

程なくして改盛湯に到着。通りでは向かいに住む小学生が花火をしていてホッとする。
通りから少し下がって入母屋屋根のエントランスがある。

同湯の建物は昭和11年築。既に亡くなられたけど、同湯の隣に住んでいた地元大工に手による建物。入口には右書きで「湯盛改」とあり、入母屋屋根の端には、大黒様?と布袋様?がニッコリしている。

入口にはカーテンが架かっているだけのオープンさ。風があり暖簾ははためいている。カーテンがめくれれば、女湯の脱衣所が見通せてしまうだろう・・・。

中に入ると、左手の番台には数千円はあろう釣り銭が置かれたまま。
番台には誰もいない。男湯にも誰もいない。
ここらあたりにも地方銭湯のおおらかさがある。

女湯に声をかけると素敵な女将が現れる。ここに来て40年。養女じゃないだろうから、それなりの年齢なんだろうけど、そうは見えない。
大野の街を歩いていると、登校日で列をなす小学生の子供を含め、美人が多いなぁと感じる。水がいいところは美人が多く育つ。(と感じている)
350円を渡すと、またお金を置いたまま、女湯側に行ってしまった・・・。

下足箱はなく、右手に下足棚があるのみ。
脱衣所の広さは、たたきの部分を入れて、幅3間、奥行き3間と浴室より大きく広々している。
床は籐敷きで、脱衣籠と外壁側にある縦4×横4の棚があるのみ。このモスグリーンのペンキに塗られた棚が同湯では一番の歴史を感じさせるものかも知れない。客が多かった以前はもう1個あったとのことだったが、今は1つになっている。

2階があるので天井は高くないが、洋風の造りになっている。
天板は洋風のものが使われ、天井周辺の処理も、模様が刻まれ、洋館で見かけるもの。
型押ししたブリキ板にペンキを塗っただけのもと、女将はあっさり言っていたが、初めて遭遇。

すぐ近くの隣湯(亀山湯)は、同湯のご主人のご実家で、昭和10年築。造った大工やデザインは異なるけど、天井はやはりブリキ板の型押しにペンキを塗ったものが使われているらしい。
前年に建てられた亀山湯を真似て同湯を造ったらしい。

幅2間の緩衝地帯があり、自家用の洗濯機2台と、タイル張りの流しがある。

浴室は、幅2間、奥行3間の小振りのもの。脱衣所の幅よりも狭い。
四角錘の天井に湯気抜きがある。

カランは外壁側に4、男女境に3、入口方に1。赤・青のレバー式のもの。
そして、真中に円形の小さなカラン島があり2。
このカラン島。カランの取っ手は取れているし、片方はレバーすら欠落している。しかし、このタイルだけが古いタイルを残している。椅子と湯桶の置き場所になっているので使われてはいないようだけど、機能はしていた。

浴槽は幅1間くらいの小さなもの。やや深い造りになっている。
奥壁から循環した湯が勢いよく吹き上げられている以外に特段の仕掛けはない。
東湯と同様に、少しずつ表面の湯が押し出され、洗い場を流れて行く。

温度は44度くらい。入れないことはないけど、夏だし誰も居ないので水で埋めさせていただく。
大振りのカラン。捻ると凄い勢いで水が出てくる。
清潔感が高いし、柔らかい。いいお湯だ。

主浴槽の右側に小さな浴槽があるけど、人間が入れるようなものではない。
聞き忘れたけど、何なんだろうか・・・。

上がりは、東湯にはなかったビール(スーパードライ)があった。
また、女湯に声をかけて女将を呼ばなければならない。
240円を払うと「ここで飲みますか?」と。はいと告げると、小さなおつまみを2つくれた。

「ここで飲みますか?」と聞かれたのは初めてだけど、おそらく、20:00だと、ここら辺りで缶ビールの調達は不可能なのだろう。ここで買い求めて、自宅で飲む客が少なからず居るんだろう。

2回も呼び出させて申し訳ないと思ったのか、今度は番台に座って、女湯の客と話している。
男湯の客はずっと小生のみ。営業は23:00までと人が歩いていない街の割りに長い。お店を終えて入にくるお客さんがあるからと言っていた。

そう、大野の銭湯は、曜日は異なるけど、全て定休日が週2日と多い。