差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年4月17日土曜日 11:34
宛先: 銭湯ML
件名: 介運湯(川崎市南幸町) 〜6月中旬廃業!!

ナカムラです。

今日(4/15)は川崎西口の「介運湯(川崎市南幸町)」に行ってきました。
ミューザ川崎が開業し、駅前の工場跡地は開発待ちとなっているなど、進境著しい川崎駅西口から0.6キロ、3分程度です。

今日は、銭湯に行く予定はなかったので、カメラを持たない丸腰(でも、何故かタオルと石鹸は持っている)。
写真は撮れないけど、大きな会議が終わって開放感があったのと、明日は会社の飲み会があって銭湯探検には行けないので・・・。

同湯は、南河原商店街へ少し入った所にある。
夜も22:00を回った時刻なので、商店街の賑わいは想像できないけど、昼間はそれなりに賑わっていそうな商店街。

正面に立つと、デカイ銭湯である。
大きく雄大な千鳥破風の立派な屋根。その下を取り巻く屋根もしっかりとした黒瓦が乗っている。
奥には屋号を大きく記したコンクリの太い煙突が、まさに、そそり立っている。

入口付近は増築されていて、右手からコインランドリー、エントランス、フロントスペースとなっている。
屋号を赤で染め抜いたオリジナル暖簾をくぐると、旧型のカナリア錠がついた下足箱が男女一緒で130個ほど。
木札の一部はかなり磨り減っていて、長いあいだ使われていることが窺われる。

その左右には、傘を縦にいれるロッカー式の傘入れ。「TOKYO」の錠がついている。
傘の柄をロックする式の傘縦もあって、これも古そうで、別の「TOKYO」の錠が付いていた。

自動ドアを通ってフロント。すぐ横の休憩所にはジャージを着た、湯上りの女子高校生数人がたむろしていた。
部活の帰りなのかな、22:00を回っているのだけど・・・。
いずれにしても、銭湯で女子高生の一群に遭遇するのは珍しい。

脱衣所に入ると、サウナが張り出しているけど、さほど狭さを感じさせないほど広い。
3間半四方。恐らく昔は立派な折り上げ格天井だったと思われる高い天井。
しかし、格子の上に板と壁紙みたいのが貼られてしまっている。
床も残念ながら、派手な花柄のタイルカーペット。風情には欠けるなぁ・・・。

ロッカーは計60個ほど。3方にある。
戸びらが茶色で錠はシリンダ錠。西口の「政の湯(川崎区南町)」もこのロッカーだった・・・。
同じ「川崎市南部浴場組合」。

浴室は、これまたデカイ。幅3間半、奥行は4間半もある。大きさとしてはマイベストワンかも知れない。
島カランは2列あって、カラン数は男女境側から6・6・6・6・0・6。Waguriのピンク&ブルーの取っ手のもの。すべてにシャワーが付いている。
さらに、入口側に立ちシャワーブースが3つもある。
そして、カランの湯は熱く凄い勢いで飛び出してくる。水もシャワーも同じ感じ。なかなか迫力がある。

床のタイルは大きめの四角のタイルで特徴なない。
男女境も白いタイルで組まれている。
ただ、チューブから透明の絵の具をひねり出したような、透明な赤・緑・黄の横線がアクセントを付けている。

この銭湯の最大の特徴は、デカイ奥壁一面に描かれた水底の風景。
縦27枚、横41枚(外壁側まで伸びていて計47枚)のタイル絵。暖かい海の底に、軽く70匹以上の魚が泳いでいる。
銘等はなく新しいものなのだろうけど、モザイクタイルの絵ではなく、絵付師が描いた壮大なもの。
デカイ空間にドーンと広がっている。んー、圧巻だ。

正面のタイル絵ほどのインパクトはないけど、浴室入口上に幅2間のステンドグラスがある。
凝った作りではないが、かもめが描かれていた。

浴槽は3つ。中央から薬湯&電気風呂、7点座ジェット×2、バイブラバスに赤外線ランプ付き。
座ジェットにはステンレスの水枕が付いていて、ここのは結構冷えていて良かった。

初めは薬湯以外は、おそらく45度以上はあった感じ。5人くらいが浴槽の縁に腰かけていた。
でも、やはり熱いのか、水を投入されて両方とも43度くらいになった。どっちがオリジナルなのかな。

サウナ(乾式)は別途100円。6人くらいの大きさのもの。小生も入らなかったけど、滞在中、誰も入っていなかった。
相客は年齢層も幅広く、そこそこ人が入っている現役系の銭湯という感じ。

上がりはビール250円。
フロントのあんちゃんに聞くと50年以上経っている建物とのこと。
入る時はテレビに夢中で、帰りはゲームに夢中になっている。

暖簾を出て、もう一度全体を振り返ると、脇の立派な門に「建築標識」が・・・。
7月1日着工で85戸のマンションが建設されるらしい。
築50年以上の大型銭湯。周辺の開発が進んだことで、マンション用地としての価値は急増したのだと思う。
その大きさが、かつて、付近の工場の工員で繁盛していたことを彷彿させる銭湯だった。

もう一度フロントに戻って、あんちゃんに尋ねると、営業は6月中旬までとのことだった。

(注)写真は、H17.11.19に撮影したもの。