亀の湯(岩手県遠野市材木町) 2010.11.22

遠野駅の裏。駅から煙突が見える。しかし、便所街と呼ばれる怪しげなスナック街を抜け、大廻りして釜石線の切り通しを橋で越えて行く必要がある。

経営を引き継いで50年が過ぎた。この建物を建てた先代の経営者も30年ほどやっていたので、築80年くらいは経っている。

正面などは綺麗に手入れされている。しかし、正面右手側面のガラス窓に古い桟が残っていた。真ん中に菱形を置いた大正ロマンを引きずる意匠が残る。

妻面には大きな亀のオブジェがあって「乃湯」と続いている。どんな地震でも落ちたことがないという。そして、番台の背にあたる部分や、旧外便所などのタイル使いも華麗だ。これを建てた先代の経営者は、左官業を経て風呂屋に転じた方だった。

10年前に大将が亡くなってからは女将一人で切り盛りしている。訪れた日はあいにくの定休日だったが、その定休日の夕方になるまで、不調というか半壊の釜と女将さんの格闘が続いていた。



夕方の雨が降り出しただけでなく、涙も出そうになった。。。
遠野は遠い。同湯に入る機会はあるのだろうか。。。






材木町











大正浪漫の窓が残る


橋から遠野駅を臨む


数多くの傾いた臭突の多さが異様な「便所町」