差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年4月6日日曜日 21:55
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 亀の湯(川口市本町)

ナカムラです。

今日(4/5)は、「亀の湯(川口市本町)」に行ってきました。 川口駅(京浜東北線)から、1.0キロ、10分くらいです。

会社の後輩から同湯に燃料高騰で云々かんぬんという張り紙があったとの情報に接した。その 後無くなったというが、銭湯愛好家としては名高いレトロ銭湯である同湯は外せない・・・。

川口駅から1キロくらい離れている寂れたエリアだけど同湯のある道は、日光街道の脇往還の 日光御成街道で、付近は川口宿の中心にあたる。将軍が日光東照宮の往復に使ったので本陣な ども格式があったと思われる。今でも当時の門がそのまま残っている。

その他、大正時代からの理髪店や煉瓦蔵の発電設備を有した洋館、古風な薬屋、衣料品店、食 料品店、パン屋さんとイニシエの光景が寂しさにうずもれている。

さて、亀の湯。明治25年の建物で関東大震災でそれなりの手が入っているという。現在の経 営者は昭和8年から同湯を引き継いでいる。前の小道が本町小学校の通学路になっていて、白 門があったことから、別名「白門湯」と呼ばれていた。

コンクリ煙突で基本的には、脱衣所棟に2段型の天井を有する構造になっている。同湯の特徴 は、アールデコ調の洋風の趣きを持つ独特のファッサードだ。昭和20年の2日に及ぶ空襲を 耐えてその姿を残してきた。

小さなエントランススペースには、左右に松竹錠の下足箱。番台裏の壁面には笊の網目模様の タイル絵。2色で構成されたものは良く見るけど、ブルー、ピンク、緑の3色使いが珍しい。 その上には、チューリップ型の電球傘の照明器がレトロだ。

脱衣所は、幅2間強、奥行2間半ほど。横須賀銭湯よりは少しだけ大きいものの、小振りの銭 湯だ。高くはないものの天井は格天井で古い天井扇もある。

使われていない木組みの番台の高さは低い。外壁側にある旧型のオール木製ロッカーの錠は旧 型の松竹錠が2種類。見たことがないレアなものだった。その他、アナログ体重計は「寺岡式」 だし、トイレのスリッパは陶器製の据え付けのものといったように、まさにレトロ博物館のよ うな趣きだ。 浴室は幅2間強、奥行きは3間程度。島カランは1つでカラン数はセンターから5・3・3・ 4。1つだけ金属製の丸い取っ手に「水」の刻印がある、かなり旧型のカランが残っている。

浴室は20年ほど前に中普請をしたという感じの昭和末期の仕様だ。ビジュアルは男女境にモ ザイクタイル絵。奥壁はだいぶ昔にブルーに塗りつぶされたのか、ペンキのひび割れにカビが 陰影を持っている。

浴槽は深浅2槽で、深槽がバイブラ、浅槽が2穴ジェットが2機。重油で焚いているけど水は 井戸なのかな、やや色付きがあるし柔らかい感じがする。

土曜日の17:00から18:00に滞在。相客は2人だけ。さらに外で30分ほど暮れなず むのを待ってカメラを構えていたけど1人だけ客が入っただけだった。

上がりは、旧日光御成街道沿いの蕎麦屋で一杯か駅近くのモツ焼きか迷って、結局、駅近くの 繁華街に出る。栄町というエリアを一回りするけど、琴線に触れる店がない。関西風串あげの 「たぬき」という店に入って、タコ刺しに串上げ4本。恵比寿ビールと樽酒をぬる燗で頂く。 まぁ、消去法での選択肢だったので、それなりだったかな。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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五十嵐理髪店、大正時代からの理髪店らしい。



川口不動尊


吾妻屋。手作りパン屋さん。