亀の湯（川崎市川崎区観音）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年8月5日土曜日 10:36
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 亀の湯（川崎市川崎区観音）

ナカムラです。

今日（8/4）は、「亀の湯（川崎市川崎区観音）」に行ってきました。
川崎駅（東海道本泉）から、市営バス･｢観音二丁目大師口｣で降りて、３分くらいです。

週末は、設備の充実した銭湯で、一週間の疲れを癒したい。サウナと水風呂、さらに露天風呂があればなおいい。そういう訳で、川崎大師駅前の寿恵弘湯か同湯か迷って、同湯へと向かうことにした。

同湯は、浴室に４台(男女各２台)のテレビを設置する稀有な銭湯で、気になっていた。

川崎駅からは、市営バスで観音二丁目大師口へ向かう。川崎は一大バス王国。スムーズに目的のバスにアクセスするためには、地下道からの「出口番号」と「のりば番号」と「バスの系統番号」の３つを把握する必要がある。久し振りなので、出口番号とのりば番号を間違えていて、少しまご付いてしまった。

川崎は、東海道五十三宿の最期に開設された宿場町。最も寂れた宿場町だった。川崎が繁栄したのは、重工業地帯として工場が建設されて以降のこと。同湯の位置する川崎南部がその中心を担ってきた。

同湯は、｢観音通り商店街｣を進んだ所にある。途中に何軒かの飲み屋があって、店の中までが見渡せる。いずれも、労務者ばかりで、かなり濃い雰囲気。小生もノーネクタイに半袖ワイシャツとラフな恰好だけど、｢何だコイツは？｣という視線を浴びるに違いない。そんな雰囲気に満ちている。

ほどなくして同湯に到着。ドラッグストア隣の小道の奥にある。そのアプローチの入口には｢亀｣｢の｣｢湯｣というネオンアーチがあって、なかなかの自己主張がある。３階建ての住居＆店舗の煉瓦色の築８年のビル銭。

自動ドアを開けると、靴脱ぎがあって、両サイドに松竹錠の下足箱。その正面がフロントになっていて、陽気で気さくなご主人が居る。同湯のフロントは、脱衣所と一体のスペースを仕切っている構造で、フロントも２間ほどの天井高があって、開放感がある。

神奈川県の銭湯は、８月１日から４３０円に値上げされている。同湯で、初めて値上げ後の４３０円を払う。サウナ代は、大小タオルが付いて、プラス２００円。サウナ客でなくても、小タオルは無料。バスタオルも１０円という破格の値段で借りることができる。洗濯代だけでいい。お客さんに来ていただければという考えのようだ。

サウナに入る前に水分補給ということで、ペットのお茶を１本飲んで、脱衣所へ進む。
幅３間、奥行２間半といったところ。床は今風のフローリング材。男女境は、取り払うことができる構造になっている。外壁側と入口方の２面に松竹シリンダ錠のロッカー。真中には、木製の棒材で作られた、縁台があるシンプルな脱衣所。その他、デジタル体重計がある程度。

築８年にしては、フロントもそうだったけど、脱衣所の壁紙も黄ばんでいる。川崎南部の男たちが、せっせと紫煙をくゆらせたためだろう。先入観かもしれないけど、こんな所に川崎らしさを感じてしまう。

浴室の形状は普通だけど、清潔だし、整っている。一見して、いい風呂屋だと感じる。
幅３間、奥行き５間ほど。その奥に２間四方の露天スペースがある。天井は、センターが一番低い、逆ヘの字型で、最高部が２間強といったところ。メンテナンスは大変だろう、天井埋め込み型の照明が、浴室を均一かつ明るく照らしている。

カランは、中央に縦置きに４･４の島カランが２つ。さらに、センターにカラン８。うち４つのカランは御影石製の衝立で区切られたもの。

浴槽は、外壁側に幅１間で、１直線に奥行５間の長きに連なっている。

手前が掛け湯槽とデンキ。その次が、｢沈み風呂｣と｢浮き風呂｣を併設する主浴槽。下からジェットを噴出する浮き風呂はわかるけど、側面から下方ジェットが出ている沈み風呂というのは･･･。普通の側面ジェットと違いは判らない。

その奥が１穴スーパージェットと円筒形の中に身体を入れるボディマッサージ。ここまでは、湯恩４１度くらい。

次が備長炭湯で｢高温風呂｣。高温といっても、４２．５度といった、銭湯としては普通の温度。

その奥がサウナ室になっている。サウナには意外にもテレビがなく、静かに有線放送が流れている。客はそここそ入っているけど、サウナ客は小生のみ。腰にバスタオルを巻いて、久し振りにゴロンとして、向かいの水風呂を往復しつつ演歌を聴いていた。水風呂も３人程度は入れる快適なもので、岩組みから、冷却された水がどぼどぼと落ちている。

屋外の露天風呂は、真黄色の湯で落ち着かない。匂いも結構強烈で、ジャスミンなんだろけど、まさにトイレの芳香剤の香り。目をつむると、トイレの情景が浮んで来るのに、自分でも笑ってしまった。でも、まさに男川崎の露天風呂なのかも知れない。隣には結構高いところから湯が落とされる、打たせ湯がある。床が足ツボを刺激する小石敷きになっていて、勢いよく飛び込んで、少し痛い思いをした。

ビジュアルは、なんといっても２台のテレビだろう。男女境から主浴槽に向く１台と、奥壁の上にもう一台。今日は｢釣りバカ日誌５｣を映している。さすがに風呂では、ストーリーは追えなかったけど、「環境映像」的な効果を感じた。三国連太郎は、いつ見ても渋く恰好いい。

その他、観葉植物の鉢。浴室の中心には、硝子球を載せた照明灯が立っていて、浴室にアクセントを与えている。床がグレーのザラザラしたたタイルで、側面が、一部にデザインが入った純白のタイルというのも、清潔な同湯の雰囲気には合っている。

上がりは、ゆったりとしたフロントで、スーパードライ３２０円。冷蔵庫にビアグラスが冷えていて、それに注いで飲むことができる。缶ビールでも、丁寧に注いで、クリィーミーな泡を立ると、味が異なるものだ。気さくな主人との話しも弾んだので、６Ｐチーズ（６０円）に、缶酎ハイ･ハイリキ３２０円を追加してしまった。

テーブルの下には透明なアクリル板が敷いてあって、光が反射している。夜なので、奥に引っ込んでいるとのことだけど、何と、床下に池があって、鯉がいるらしい。敷地がないための苦肉の策らしいけど、かなり凝っている。

同湯には、カップ麺、カップ焼きそば、スナック菓子が多種並んでいるのも特徴的だ。子供の来店も多いのか、ベビースターラーメンの｢ブタメン｣が多数置いてあるのも目を引いた。たまに、銭湯にカップ麺があるのを見かけるけど、食べている人を見たことがない。食べたことがないブタメン６０円を試してみようかとも思ったけど、川崎駅までの終バスの時刻が気になって、止めにした。

同地では４０年くらいだけど、ご主人は３代目。ずっと川崎で銭湯経営に携わってきた。
壁紙が煤けているものの、浴室は清潔。いい銭湯だと思う。飲んでたせいもあるけど、１時間半以上の滞在だった。

*************************************************
ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp　　
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ （風呂屋の煙突）
*************************************************

	テーブルの下は池になっている。こんな構造は初めてだ。
	神奈川県の入浴料はH18.8.1から値上げされた。その能書きが縷々書かれていた。神奈川新聞等のごく一部でしか、報道がなされなかったようだ。小生も当日の夜、川崎市の組合のHPで知った。

観音
昭和９年（1934）に、大師河原と川中島の各一部を併せて観音町として誕生した。
町内に石観音があることからこの名がついたといわれる。
その後昭和４７年（1972）の住居表示で町を省いた。