差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年12月4日木曜日 23:34
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04632] 《廃業予告情報》亀の湯(横浜市緑区) 〜12/
31廃業

ナカムラです。

今日(12/4)は、「亀の湯(横浜市緑区)」に行ってきました。

友人の父君の前夜式の帰り。
昨日、今日と頭痛も続いており、じっくり温まって行こうと、帰路、長津田駅で途中
下車。
長津田には銭湯が2軒(亀の湯、泉湯)あり。
どちらも駅から近くて2分程度。
2年半前の夏にも来たけど、その時は開店前の時間で入ることはなかった。

さて、亀の湯。
暗くてやや不確かではあるものの、煙突は女塚浴場のように太くやや低いコンクリの
煙突。

入口は黒瓦を載せた千鳥破風。脱衣所棟も黒瓦。威風堂々としている。
(でも、今日はカメラを持っていない・・・。)
ここも、暖簾は掛かっていない。先週の「吉野湯(茅ヶ崎市共恵)」に続き、珍しい
ことが続く。

入口正面は、「亀の湯」と大書きした章仙画のタイル絵。
二匹の亀の尻尾が、なぜか白髪三千里ではないでしょうが毛で描かれ、また長くなっ
ている。

下足箱は旧型のさくら錠、88番まで。
蓋は店主が自分で塗ったのか、やや拙い感じで茶色のペンキが塗ってある。

手を掛ける窪みが磨り減っているガラス戸を開けると番台。
木を組んだものたけど、座っている女将がかなり高く位置している。
番台に高い衝立を付け、女将はその中で椅子に座っている模様。

脱衣所は折上格天井(5×11)と立派だけど、天板がかなりひび割れしている。
梁もそうだけど、かなり雨漏りにやられている感じがする。
白壁もはりも同様に雨漏りの跡がある。

大黒柱には「職方一同」と大書きしている黒い柱時計。
現役、ゆったりと振り子を揺らしている。

壁側にロッカー18個。中央には12個と小さな島ロッカー。錠はSakuraV。
ロッカーの脇に脱衣かごが1つだけ入れられていた。こういう銭湯は他に何軒か見た
気がする。
客の思い入れなのかな、店側の思い入れなのかな。

浴槽に行こうとすると、浴室の入口上に、「長年ご利用いただき・・・」云々の何や
ら長文の張り紙。
今年の8月のカレンダーの裏紙に、普段使わない毛筆で、決してうまくない、どちら
かと言えばかなり下手な、だけど切々と書かれていた。
設備老朽化で12月31日で廃業との予告。常連にしか判らない方法での告知。

浴室の戸の上には簾で目隠し、男湯と女湯の境にも一部簾がある。
脱衣所のガラス窓には、目隠しがないからかな。

浴室は幅3間、奥行4間。天井は2段型。ウィングの端がカーブしているなかなか大
型の浴室である。
島カランは1列。カランは6・5・5・6。日の丸扇の茶色の8角形の取ってのも
の。
外壁以外にシャワーが付いている。
タイルは旧式のものはない。

湯船は深浅2槽。浅いほうは2穴ジェットが2つ。深い方は床から泡がブクブクとい
うもの。
備長炭使用と書いてあった。

ペンキ絵は、「昭和五八年一月十六日 伊豆方面風景」という古いもの。昭和のペン
キ絵は初めての遭遇。
引退した絵師のものかな、立体感を敢えて抑えて表現した、あまり見たこともない
タッチ。
しかし、プロの絵であることは間違いないと思う。

客は小生ともう1人。これでは更新投資はできないんだろな。
女将に聞くと、この建物は昭和30年築。
「煙突が駄目になると、次に機械が駄目になって、そんでアタシも駄目になっちゃっ
た」と言って笑ってた。

何だか、廃業が多い気がする。
廃業、加速してるのかな。